直近の中古不動産市況から見る仲介会社が取るべき地域戦略

1月度は中古マンション・中古戸建て共に、首都圏のほぼ全域で成約数・成約平米単価とも増加する結果となりました。

<中古マンション市況レポート>

成約件数 成約平米単価
東京都 区部
多摩
神奈川県 横浜・川崎市
神奈川県その他
千葉県
埼玉県

<中古戸建て市況レポート>

成約件数 成約価格
東京都 区部
多摩
神奈川県 横浜・川崎市
神奈川県その他
千葉県
埼玉県
<凡 例>
●成約件数
+10.0%以上「⬆」+3.0~+10.0%未満「➚」-3.0~+3.0%未満「➡」
-3.0~-10.0%未満「➘」-10.0%以上「⬇」●成約㎡単価:
+3.0%以上「⬆」+1.0~+3.0%未満「➚」-1.0~+1.0%未満「➡」
-1.0~-3.0%未満「➘」-3.0%以上「⬇」

出典:レインズ「月例速報MarketWatchサマリーレポート2021年1月度」

<新築分譲マンションと中古マンションの並行検討>

2020年の中古マンションは、前年比で成約数が減少するという結果となりましたが、直近過去5年間の成約数の推移を見ると、価格帯ごとに顕著な傾向が見られました。

以下のグラフは、中古マンション(首都圏)の成約数のシェアを年度・価格帯別に表したものです。

【グラフ】価格帯別成約数のシェア(首都圏)

不動産仲介,地域戦略

出典:東日本レインズ「首都圏不動産流通市場の動向」

価格帯別にみると、3,000万円以下の物件は成約数が減少、3,000万円以上の物件は成約数が増加傾向にあることが分かります。

この傾向は、新築分譲マンション価格の高騰によって、中古マンションの並行検討が広がっていることが要因の一つだと考えられ、5,000万円前後で新築分譲マンションを検討していた層が、購入価格帯を下げて近隣の中古マンションを検討していることが伺えます。

(株)不動産経済研究所の「首都圏マンション市場動向」によれば、2020年の新築分譲マンションの平均価格は6,083万円でコロナ禍においても高止まりとなっており、今後も一定数のユーザーが中古マンションとの並行検討を行うものと思われます。

新築分譲マンションの成約は、物件の規模にもよりますが、物件周辺の狭域〜中域居住者の割合が高いことに加えて、新築分譲マンションの供給数が絞られている現状、不動産仲介会社が近隣の中古マンションを積極的に提案することは、生活者にとっても有意義だと言えるでしょう。

地域でのプロモーション・ブランディングにおいては、特にコロナ禍の昨今では、地域SNSへの出稿やスマートフォンの位置情報を活用したジオターゲティング広告などのオンラインプロモーションに関心が集まっており、活用の余地がありそうです。

そして、不動産仲介会社の強みは、特定の1物件という「点」ではなく、エリアという「面」で複数の物件を提案できることにありますので、各種媒体を活用し、貴社の商圏におけるブランディングを強化する絶好のタイミングと言えるかもしれません。

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