【工務店営業ノウハウ】契約客取材からすべてが見える

筆者は23年間にわたり工務店やビルダーの営業指導を行っていますが、契約したお客さんはもちろんのこと、契約を逃したお客さんも含めて多くの取材を行ってきました。
そのほぼすべてがビデオ取材で、筆者がビデオカメラ片手にお客さん宅へ赴き話を聞いたものです。
自身が行ったものが120件程度、外部委託や社員などにお願いして撮影したビデオまで含めると、300件ほどの取材映像に目を通してきました。
これらの映像や取材内容は、当該の工務店やハウスメーカー内での研修に使うためで、社外でその映像を使うわけにはいきません。
そんな経緯ですが、この取材の中から記憶に残るものをピックアップして差しさわりない範囲でこれからご紹介していこうと思っています。

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20年前の取材ビデオをあらためてチェックしました

20年前の取材です。先ほどビデオを確認したのですが、20年前だろうが現在だろうが本質は全く同じだとつくづく感じましたね。

【家族構成】
主人(30前後)妻(30前後)長男(0歳)

ご主人はホテル勤務で土日も勤務ケースが多く、夜勤も含む状態なので家にいる時間は一定しません。
お子さんが生まれたのを機に住宅購入を一念発起で決めたこのご夫婦ですが、とりあえず住宅展示場を見に行こうと決めて行動を開始。ご主人の仕事がひと段落して時間ができる前に、奥様だけで先行視察をすることにしました。

「相手にしてくれないのよね!(怒)」と怒りまくる奥さん

奥さんはある日曜日に近隣の住宅展示場に出かけました。全部で7社も見て回ったらしいのですが、そのうち5社での扱いにいろいろな疑問と不快な思いを感じて帰ってきたのです。

筆者「〇〇ホームはそんなに感じが悪かったのですか?」
奥様「日曜日で人が多かったのですが、私は女一人で行ったので何だか相手にしてもらえないんですよね!私から声をかけたのに『あっ、ご自由にどうぞ』って扱いなんですよ~ふざけんなってね(笑)」

この話だけでもひどいですよね。日曜日ということもあって展示場は非常に混んでいたとのこと、他の来場客は家族連れで中にはおじいちゃんおばあちゃんを含めた3世代の客もいたそうです。
営業マンとしての心理は、住宅営業マン出身の筆者としてはわかりますよ。それは痛いほどわかるのですが、さすがに問題行動です。ただ、営業マンの問題もありますが、会社としても問題も大いにあると私は思います。

「次回はご主人とご一緒に来て下さい」

極めつけはこれ。一人ボッチで見学していた奥さんにようやく声がかかりました。手が空いた営業マンからのもので、奥さんもこの時点では「やっと声をかけてもらったわね、さぁ、話を聞いてもらおうか!」と意気込んで話し込んだそうです。

営業マンに促されて商談用の机に座り、自分たちの事情や資金問題や間取りの希望などをとうとうと営業マンに伝えたのですが、最終的に帰ってきた答えは「次回は是非ご主人とご一緒においでください。そこで深く話をしませんか?」というもの。

旦那が来られないから私が来てるんでしょ!と心の中でお怒りモードの奥さんでしたが、皆さんはどう思いますか。さすがにこれはひどいと言わざるを得ません。

「そんなふざけた会社はやめておけ!」とご主人

取材にはもちろんご主人も同席しましたが、不満を吐き出し続ける奥さんを途中で遮って話をしてくれました。

ご主人「ひどいですよね。仕事から帰って妻に展示場めぐりの感想を聞いたんですよ。そうしたら○○ホームこんな対応をされたというから、私も頭に来ましてね」
当然でしょう。この話を聞いたご主人はこの時点で、○○ホームは候補から外したとのことでした。
奥さんの話はまだまだ続きます。
奥様「○○ホームでぶち切れたんですけどね、隣にあった△△ホームに行ったらまたわけのわからない対応をされるんですよ」

話を要約しましょう。
△△ホームの展示場では営業マンが手すきなこともあり、すぐに対応してくれたらしいのですが、座ってからの営業マンの対応がまた最悪。
奥様の話を丁寧に聞いてくれるのは良かったらしいのですが、少し話を進めると「ご主人のお仕事は?」「ご主人のお休みはいつですか?」とそちらの情報をやたらと仕入れることに注力していたとのこと。

〇〇ホーム同様ですが、目の前の奥さんを差し置いて、その場にはいないご主人のことばかりを聞いてくるのです。
この話を聞いたご主人は先ほど同様に大激怒。当然ですがこの△△ホームもこの時点で検討除外です。

ご主人至上主義からの脱却を

奥さん一人の来訪を軽く扱わない

住宅会社の指導方針も影響しているのですが、会社の上層部は「ご主人の情報を聞き出せ」「旦那の勤め先はどこだ?」と部下を問い詰めるわけですね。このような傾向があるので、営業マンはこういう方向に行ってしまいがちなのです。
筆者は積水ハウス出身ですが、積水ハウスはかなり昔からこの視点はしっかり押さえていました。

「ご主人7、奥様3」

何のことかわかりますか?

在籍時の古い資料を引っ張り出して確認したのですが、これは目線を配る割合です。慣れてくると実際には意識してやっていませんでしたが、新人の頃はこの比率を意識しながら商談をした記憶があります。
少なくとも積水ハウスは奥様をないがしろにするようなことはないように気を付けていたことがわかります。
展示場で接客した経験があればすぐにわかりますが、たしかに女性一人の来店や女性同士での来店は契約率が低いと思います。
「買い物ついでの時間つぶしかな」と営業マンとして思ってしまうことを私は否定しませんが、それはあまりにも軽率ですしお客さんにも失礼ですよね。

契約をした住宅会社の選定理由は?

このご夫婦は地元のパワービルダーであるS社と結果的に契約したのですが、S社のついての感想も奥さんに取材しました。

筆者「○○社と△△社と連続2社で不愉快な思いをしたわけですが、結果的にはその隣りに建っていたS社と契約したわけです、S社の営業マンはどんな感じだったのですか?」
奥様「私がですね、今日は旦那が仕事で来られなかったので・・・とは話すとその営業マンは“実際には奥さんの要望が9割を占めるケースなどはざらですから(笑)”と旦那のことはほんの少し触れただけで、あとはひたすら私の要望を聞いてくれました。その初回面談の印象がすごくよかったので、結果的には最初の出会いが全てを決めたと思います」

筆者は契約担当者である営業マンを知っていたので、ことの顛末を詳しく後で聞きました。

「奥さんが話を聞いてほしがっているのがすぐにわかった」

住宅営業歴12年目の店長だったこともあるのでしょうが、彼はことの本質をすぐに見抜いて聞き役に徹したのです。もちろん契約できるかどうかまでは判断できませんし、実際にも心の中では「この奥さんは何だか話したそうなのでとりあえず付き合うか」という気持ちが大きかったと話していました。
しかし、その態度が好印象を持ってもらうきっかけとなって契約になりました。
「私はこんなばかな接客はしない!」という方も多いとは思いますが、実際の現場ではまだ相当数の営業マンが気づいていないと感じます。

よく言われることですが、女性は自分の話を聞いた相手に共感してもらいたい傾向が強いと聞きます。この話などはまさにこの好事例といえるでしょう。徹底的に聞いて共感するという極めて簡単なことが契約につながったのです。

まとめ

今回はあえて20年前の取材案件をレポートしました。筆者の手元には当時の取材ビデオがあるので、本来ならばそのキャプチャー画面を貼りたいところですが、今回は控えさせてもらいました。

顧客取材はシリーズ化して今後も断続的に発信していきますので、記事が目に留まったら是非読んでいただき、営業の糧となることを心から祈っています。

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