収益物件と住宅系物件の調査方法とその違い

売買仲介を行う不動産会社担当者の重要業務の1つが「物件調査」です。

売買取引の前には対象物件について必要な調査を行い、取引当事者に十分な説明ができるよう準備しなければなりません。

売買物件の調査をするにあたって収益物件と住宅系物件とでは違いがあります。

収益物件は調査項目が多く範囲が広くなります。

この記事では数回に分けて収益物件の調査方法について、具体的な方法や注意点を解説していきますが、まず第1回目は「収益物件と住宅系物件の調査方法の違い」についてお話しいたします。

売買物件の調査

媒介契約締結前あるいは締結後に行う「物件調査」は、宅地建物取引業者が行う媒介業務において非常に重要なものになります。

不動産は資産であり生活の基盤であり、事業の資源にもなるものです。

このような重要なものの取引に係るのが宅地建物取引業者の役割であり、とりわけ宅地建物取引士の社会的な役割は極めて重要なものと認識しなければなりません。

不動産の調査は土地や建物について以下の点について実施し、その結果を取引当事者に正確に伝える必要があります。

・規模・面積・形質などの不動産が有する基本的な事項
・利用にあたって受ける法律上の制限
・不動産が有している性能や機能の現況

具体的な調査項目としては以下のようになります。

住宅系物件の調査項目

売買物件の調査項目として一般的に行われる「住宅系物件」の調査項目をまずご紹介します。

・登記事項に係る記録と現況
・都市計画法・建築基準法などの法令による制限内容
・都市計画法・建築基準法以外の法令による制限内容
・造成宅地防災区域・土砂災害警戒区域の該当について
・津波災害警戒区域の該当について
・水害ハザードマップにおける物件所在地
・住宅性能評価を受けた新築住宅について
・石綿使用調査結果について
・既存住宅の状況調査について
・建物の建築および維持保全状況に関わる書類の保存状態
・飲用水・ガス・電気の供給施設および排水施設の整備状況
・未完成物件の場合の宅地造成工事完了時の形状・構造について
・取引条件に関する事項

上記のほかマンションの場合は、マンション管理に関わる調査項目が加わります。

収益物件の調査項目

収益物件は前述の調査項目にさらに以下の調査項目が加わります。

1. 建物の書類上以外の物理的な現況に関する調査
2. 各種行政手続き上の報告書およびメンテナンスに関わる契約関係の調査
3. 賃貸借契約に関わる書類および状況の調査

収益物件は住宅系物件と異なり、所有者が自ら使用する建物ではなく家賃収入を得る目的をもって所有するため、賃貸事業者としての視点から建物状況を確認する必要があります。

取引きに関わる宅建業者は買主に代わり賃貸事業者としての視点から、第三者的立場にもとづいて建物の状況を調査し報告をする義務があると言えるのです。

収益物件の特徴

収益物件が住宅系物件と大きく異なる点として、将来的な費用予測が立てられることと、家賃収入が計画どおりにあげられるのかを、確実に予想できるかがポイントになります。

そのため調査項目が多くなり調査漏れや確認忘れが生じやすく、調査前にはチェックリストを作成し事前の準備を入念に行う必要がでてきます。

また収益物件は居住用・店舗用・オフィス用と種類がありますが、居住用・店舗用はほとんどが建築基準法上「特殊建築物」となり、さまざまな規制があります。

主に定期点検などの報告義務になりますが、違反すると罰則を受けることがあります。

このような規制に反し事故などがあると所有者責任を厳しく問われ、賃貸経営の継続が難しくなる場合もあるので、物件調査では決して漏れがあることは許されないと認識すべきです。

資産譲渡と事業譲渡

収益物件の売買は資産である不動産の譲渡に加え、対象の不動産を経営資源とした「事業譲渡」の性格があります。

したがって売買取引の媒介を行う宅建業者には、事業譲渡の媒介を行うという認識が本来は必要です。

事業譲渡としての視点から注意したい不動産取引のポイントについては、本記事シリーズの第3回目「収益物件売買契約で注意したい賃貸借契約の重要ポイント」において詳述する予定ですが、ここではレジュメをご紹介します。

・正確なレントロール
・水道や電力などの経費や修繕費などの未払経費の確認
・設備リース契約などの引継ぎ
・家賃債務保証契約の引継ぎ
・損害保険契約の解約と契約
・リフォーム・大規模修繕履歴

これらの説明や添付資料については売買の重要事項説明とは別の位置づけで、宅地建物取引士以外の担当者が説明することも多いと思われますが、事業譲渡としての視点からは重要事項説明に匹敵する重要な項目です。

賃貸事業の担い手の変化

ミニチュアハウス ,虫メガネ

収益物件の売買に含まれる事業譲渡の性格について着目するのは、賃貸事業の担い手に変化が生まれていることが影響しています。

収益物件の運営は言葉を変えると「賃貸業」であり、いわゆる「不動産業」の一端を占める大きな業態です。

江戸時代までの「大家さん」から明治以降は「不動産業者」へと担い手が変わり、三井、三菱、住友、安田といった有力企業が「賃貸業」の不動産オーナーとして業界をリードしました。

しかし現在は不動産業者とは異なる不動産オーナーが出現し、賃貸事業を営むようになりました。

つまり「サラリーマン大家さん」に代表される副業オーナーです。

言い方を変えるとプロの不動産業者と同じステージに、専業ではない個人のプレーヤーが収益物件の売買に参加するようになったのです。

収益物件の売買はプロの不動産業者間で取引きされていたものが、個人のオーナーや投資家間で売買されるようになり、賃貸事業の初心者がオーナーになることも現在生じています。

このことは、これまであまり重視してこなかった不動産売買における「事業譲渡」の側面に焦点をあて、媒介業者は安定した事業の継続が図れるよう努める義務が生じていると言えるでしょう。

媒介業務の価値を上げる出口戦略サポート

媒介業務における物件調査は買主に対する重要事項説明において、正確な情報に基づいた説明のため入念に行うものですが、前述したように「事業譲渡」の視点からも重要な情報を買主に説明する必要があります。

重要事項説明は売買契約の前に行うもので、すでに買主は購入の意思が固まっている状態ですが、媒介業務はまだ購入の意思を固めていない見込み客への物件説明も重要です。

収益物件の場合は事業性・収益性に関わる事項はとくに丁寧に説明する必要がありますが、不動産投資を目指す人にとって不動産購入決断に至る重要な要素があります。

それは「出口戦略が描けるか?」という視点です。

物件の立地条件やエリアの将来性、物件そのものの現況や将来像など、出口戦略を描くにはさまざまな要素を検討しなければなりません。

検討時点における物件説明では、出口戦略に関係する情報や資料の提供などにより購入決断を促すことが可能です。

物件調査時にはこのような視点から必要と思われる資料を集め、買主に対し提供することが重要です。

まとめ

売買物件の調査は重要事項説明で必要とされる項目が法律でも定められており、どのような物件であれ共通した項目になります。

しかし実際の物件は1つとして同じ物件はなく、調査にあたっては物件の “個性” に着目し、契約当事者とくに買主に物件状況を正確に伝え理解を得るよう努めなければなりません。

収益物件は不動産の所有に加え事業目的があって売買されるものであり、事業性・収益性が買主の目的に合致することが求められており、調査の担当者は「事業面」の評価も正しくできるよう能力を高める必要があるでしょう。

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