資金計画㊙裏話

今日のコラムは資金計画にまつわるちょっとした裏話を取り上げていきます。

単刀直入に言うと、住宅ローンを強引にでも通してやろうという、そんな話です。

工務店であろうがハウスメーカーであろうが、営業職にとって一番ガッカリくるのは、お客さんのローンアウトでしょう。

いくらやる気満々であっても、ローンで跳ねられてしまっては手も足も出ません。

住宅業者である皆さんは、合法的な範囲である程度のアシストをすることになるのですが、会社によってはグレーゾーンというかほぼブラックのような手法を使って、強引にローンを通してしまうという猛者会社もあるようです。

私は仕事柄色々な情報が耳に入りますが、会社名が具体的に分からないような範囲で本当にあった実話をお話しします。

「車のローンですか?お任せください!」

車屋さんの話ではありません。

これは不動産会社の営業がお客さんに常日頃から使っているセールストークです。

金額や内容はボカしますが、私が営業の真横で聞いたお客さんとの会話を再現してみましょう。

営業「資金計画はもうしましたか?」

客 「資金計画というか一度事前審査を出したんですが、アウトになっちゃったんですよね・・・」

営業「その原因ははっきりしてますか?」

客 「おそらくなんですが、今抱えてる車のローンが原因じゃないかな・・・と感じています」

これはある分譲地での会話なのですが、建物を見学し始めて1分もしない間に交わされた会話です。

一般的な接客であれば「色々ご覧になってるのですか」「弊社のことは何でお知りになりましたか」「15畳のリビングがあるんですよ」といった話から入るはずですが、それらは一切かっとばして、単刀直入にお金の話から切り込んでいきました。

この不動産会社は、名前を聞けば誰もが知っている全国区住宅会社の販売代理店です。

多数ある販売代理店の中でもトップの成績を取ってるのですが、このやり方は褒められたものではありません。

褒められないどころかやってはいけない営業手法です。

開口一番で資金計画の話をするのはなぜか?

住宅販売担当者が、お客さんに対して資金の話をヒアリングするのは何の不思議もありません。

不思議でないどころか当然の行為です。

ところが、いくらなんでも来場してすぐに資金計画の話に切り込むというやり方は通常はありえません。

お客さんはあくまで家を見に来たわけです。

家を一通り見学した後にお金の話をしたらいいのですが、秒速でこんなことを聞かれれば気分も良くないでしょう。

しかし、このやり方で大きな成果をあげてるわけですから、何かしら成功の理由が存在するわけです。

資金的に厳しい人が来場するから

答えは明快です。

元々かなり安い建売は販売してるので、予算的に厳しいお客さんがやってくることは最初から分かってくることに加えて、口コミ掲示板など様々な情報で、他の会社では無理でもこの会社だったら何とかしてくれるかもしれないということを知っているからです。

このため接客担当者は、建物の説明がどうこうより先に「資金的に厳しい人だと思うからそこから突いていこう」こう考えるのです。

そして、このようなツッコミをされたお客さんの反応ですが、ほぼほぼ狙い通りの答えが返ってきます。

① 「事前審査で跳ねられたんですよ」
②「他社に行ったのですが無理だと言われ諦めました」
③「ちょっといろいろと引っ掛かる可能性があって・・・」

つまり、自分が厳しいということを認識してるお客さんが、思いのほか多いのです。

この会社には、それまでの経験上この比率が高いので、 営業マンは通常の接客をせずに、いきなり資金計画の話から入っていくわけです。

また、資金計画の話をする時には、お客さんがあれやこれや言う前に

「携帯電話の滞納とかありませんでしたか」
「携帯電話の対応も住宅ローンに引っかかるので」

こんな感じでビシバシと聴き込んでいきます。

傍から見ていると、お客さんが怒るんじゃないかというような勢いで話し込むのですが、全く問題なし。

お客さん自身がその事情を分かってるので、怒るどころか目の前の営業のヒアリングに対して「なんとかしてもらえないだろうか?」という雰囲気になってくるんですよね。

銀行員より詳しい知識を持つ営業マン

ビジネスマン,ひらめき

別の営業マンの話をしましょうか。

名古屋市内とだけ書いておきます。

私が出版した単行本に載っていただいた方なので、お名前等を出しても問題ないのですが、その時掲載できなかったきわどい話もありますのでここでは匿名とさせていただきます。

Aさんとしておきましょう。

Aさんは名古屋市内の小規模の設計事務所に勤める営業マンです。

私の友人から「むちゃくちゃ資金計画に詳しくて、どんな案件でも通してしまうって人がいるけど取材してみる?」と言われたのがきっかけで、市内の喫茶店でお会いしました。

「銀行員が僕んところに電話かけてくるからね」

細かい金融商品や税金のことも含めて、銀行員がAさんに対して教えを請う電話をしてくるとのこと。

現役銀行員が金融の事を聞いてくるぐらいの住宅営業マンに会ったのは、さすがにAさんが最初で最後でしょう。

まずは徹底的に聞くこと

「とにかく正直に話してちょうだいね」

Aさんはお客さんに対してこのように宣言するそうです。

結構キツめな感じで聞いてると推測できるのですが、お客さんのためにも厳しく聞くんだときっぱり。

ある意味何も間違っていないと思いますし、Aさんに感謝しているお客さんがものすごく多いという話も社長から聞いています。

正直に話してと言うと、これまでに滞納があったとかいくら現在借金があるかという話に普通はなるでしょう。

しかしAさんは違います。

消費者金融に借金があった場合には、その会社名も具体的にヒアリングしていきますし、過去5年間にそうした借り入れがあった場合も詳しく聞いてきます。

さらには、離婚歴まで突っ込んで聞いていくのです。

「離婚歴があるということは慰謝料を払ってるかもしれないし、 その逆に養育費をもらってる可能性もあるからね」

たまたま私が見た接客では、お客さんご夫婦が共に初婚であり離婚歴はありませんでしたが、それにしてもここまでズケズケと聞いていくAさんには衝撃を覚えました。

まとめ

住宅ローンが通らないと住宅営業の仕事は終わりです。

どんなに建物を気に入ってもらっても、どんなに営業担当者を評価してくれても努力は報われません。

今回の内容はあまりにも極端であったり、真っ当な路線から外れたやり方にはなりますが、皆さんにおいては成功法のやり方で、最大限お客さんのローンを通せる手法を身につけてください。

銀行によっても当然審査基準は違います。

数年前にアパートローンの不正貸付が、日本全体を揺るがす大問題になりました。

あの一件から抜け道的な住宅ローンの貸付は一切なくなったと思いますが、それでも銀行間の差や金融機関の差は存在します。

後は足と耳で情報を集めて、マイホームというお客さんの夢を叶えるお手伝いをしてほしいと思います。

Twitterでフォローしよう