土地紹介の極意を教えてくれた先輩の考え方

私は注文住宅営業の出身です。基本的なスタイルは住宅展示場でお客さんを待ち受けて接客。そこでアポイントを取って次に進めるわけですが、最近はその80%程度が土地無し客。

ただ、土地も同時に探さなくてはならないので、営業マンとしては今一つ気乗りがしない傾向があります。

ところが世の中には「土地無し客だ! もらったぜ!」という完全に方向性が異なる営業マンが一部にいるのですよね。土地紹介の仕方が絶妙に旨いのでしょうが、かつての先輩がこれに該当する人間でした。

今回のコラムは、この先輩の折衝に同席した経験談に加え、私の土地紹介テクニックなども紹介します。

ちなみにこの先輩は、積水ハウスの関連会社である積和建設不動産部やなじみの不動産業者からも一目置かれる存在で、そのノウハウを皆さん参考にしていました。

土地紹介の極意を教えてくれた先輩の考え方

「先輩、同席させてもらっていいですか?」

入社1年目の夏。同じ店で一級上のF先輩。

何とも奇妙な人ではあったのですが、土地無し客に土地を紹介した時の打率がすごい!

その打率は70%程度だった記憶がありますが、この打率は異常だと思いませんか?

とにかくこの打率に高い関心を寄せていた私は、あるとき先輩のお客さんが展示場に来場するというので「同席させてもらっていいですか?」と頼み込んだのです。

「いいよ」とF先輩は快諾。当日を迎えてお客さんも予定通り来店。「勉強のため新入社員を同席させます」と簡単な紹介だけされて商談はスタートしました。

商談開始から5分後から展開が急変

商談開始から5分程度は見るべきものはありませんでした。

みなさんお馴染みである、B4サイズの物件概要書を見ながら「一坪〇〇万円で小学校まで歩いて12分ですね」などという話ばかり。ところがここから展開が変わったのです。

先輩)そういえば奥様は車の運転が苦手なので買い物は自転車で行ければな~と話されていましたよね?

奥様)そうなんですよ。車の運転だけはなぜかダメなんですよ(笑)

先輩)実は今回の土地なのですが、自転車ですぐのところに大型スーパーの○○があるんですよ! だからこの土地をいち早くご紹介しようとご連絡した次第です

こんな感じで少し煽り気味に話し始めたF先輩は、展示場のテレビのスイッチを付けました。そして再生ボタンを押して現れた映像は、この土地からスーパーまでの行程を自ら自転車で走ったときのもの。

先輩)ちょっとブレていますが、自転車のハンドルにビデオカメラ固定して私が撮りました!

こうして流れる映像に弁士のごとく解説を加えていったのです。

「結構近い」「街灯もたくさんついている」「ガードレールもしっかりある」「途中に昔ながらの商店街まである」などと利点を挙げていきました。

そうこうしているうちに大型スーパーに到着。すると今度はそのスーパーがいかに便利かと言う話になるのです。本来はいけないのですが、スーパーの中の写真を自分で撮影したらしく、いかに楽しい買い物空間であるかをアピールし始めました。

横にいた私は完全に空気と化していたのですが、奥さんが食い入るようにテレビ画面を見つめていたのを今でも鮮明に覚えています。

近隣住人情報

買い物環境の話が終わると話題は次のステージへと移ります。

先輩)この写真を見てほしいのですが、土地を下見に行ったときに写真を撮ったらたまたま隣の方が玄関から出てきましてね・・・

と言うので私もその写真をのぞき込んだところ、30代と思しきお母さんが5歳くらいの子供の手を引いて外出するところでした。その写真を指差しながらF先輩はこう続けます。

先輩)奥さんもお子さんもちょうど同じくらいの年代ではないですかね。同じくらいのお子さんがお隣さんと言うのは悪くないですよ

と話し始めたのです。

話はこれで終わりません。お隣さんだけではなく、お向かいさんの話まで始まり、なんとそこに住んでいるおばあちゃんの写真まで持っていたのです。

このような近隣住民シリーズはまだまだ続いたのですが、お客さんが帰った後に私は先輩に感心しながらこう聞きました。

私)F先輩すごい! あんな写真をタイミングよく撮れたものですね!

先輩)あんな写真が偶然に撮れるわけないだろうが。あれはな、4時間も現場で粘って、それとなく人物を入れ込んで撮影したんだよ

驚きましたよ。この時は。ここまでやるのかと言う感じです。

これ以上は紹介しませんが、このほかにも学習塾の評判や月謝を調べたり、バス停の時刻表を写真に収めて提示もしていました。

さらには歯医者や内科、そして小さなお子さんがいたので小児科医まで調べていたのです。

土地紹介のツボは周辺環境にあり

先輩の答えはこれだったのです。当たり前ですよね。

言われなくてもこんな説明は皆さんもしているかと思います。しかし、この先輩のようにビデオ撮影をしたり、近隣の開業医情報を調べたりまでする営業マンがどれだけいますか?

つまり、土地の坪単価や前面道路の幅員などの重要ですが、それだけを説明していたのでは土地は決まらないのです。

それどころか周辺環境の魅力をアピールできないと、お客さんは土地のマイナスポイントを探し出し始めさえします。

「ゴミステーションが南側にあるけど、夏場とか南風に乗って悪臭が漂ってくるんじゃないかな?」

「分譲地の入り口が少し上り坂になっているけど、冬場に雪が降ったら徒歩でも車でも滑って危ないよね?」

いずれも私のコンサル先で聞いた実話です。

この地域は雪などまず降らない地域で、こんなことを心配する必要はないのですが、この質問に返答しきれなかった営業マンの力量不足でこの土地はボツ。

「俺の打率が高いわけを教えてやろうか?」

教えてもらいましたよ。そして、それを皆さんにも教えてしまいましょう。

【問題点の総合点がマイナス30点でも優れた点の総合点が120点なら合計点は90点】

これなんですよ。つまり、ゴミステーションがあろうが小学校まで遠かろうが、それを上回るプラス点をどんどんと積み上げていけば、合計ではよくなるということなのです。

紹介する土地の良い点を必死で探し回るだけではありません。それを目に見える資料として作成し、お客さんの前にプレゼンテーションを行うのです。

ここまでやったからこそ、F先輩は圧倒的な土地紹介成功打率を収められたわけです。

私が実行した土地紹介の仕方

F先輩に同席したのは大きな収穫でした。

先輩のノウハウをすべて真似するのはさすがにあきらめたのですが、先輩の猿真似に加えて自分なりの工夫を重ねて土地紹介が大得意になりました。

① 土地から学校までを動画撮影

これはF先輩のパクリですが、必ずやっていました。

今のようにスマホで撮影というわけにいかないので、自前のVHSビデオカメラを社用車のフロントに設置して撮影。

また、夜間や雨天の撮影も可能な限りしましたし、下校時の様子なども撮影しました。

そして、それを編集して展示場であればリビングに置いてあるテレビで、お客さんのお宅に出向いての折衝ではテレビを借りて流していました。

その効果は抜群。昔も今も変わらないのは

  1. 口頭より写真
  2. 写真より映像です。

この2点を頭に叩き込んでください。

② 近隣をくまなく動画撮影

撮影範囲はその都度で異なりましたが、土地の周辺をいろいろと撮影しました。もちろん写真もたくさん撮りましたが、動画を駆使しました。

スーパー、商店街、公園、学校など思いついたものはすべて撮影しまくりましたね。

このほかにもいろいろと実行しましたが、私の大原則はこの2点だけです。ただ、この動画説明のシミュレーションは徹底的に実行。事務所のデスクでブツブツしゃべっていると邪魔になるので、展示場の寝室に移動して一人芝居をしていました。

いかがでしたか。土地なし客に対する追客は、ほとんどの営業マンが土地を紹介しては玉砕するということの繰り返し。そしてそのうち嫌になってしまい、紹介行為そのものをしなくなってしまうのです。

打率を上げる。これは住宅営業マンならばもちろんですが、不動産営業マンも同じこと。特に不動産営業に従事している方にとって、思いのほか参考になる話ではないかなと思っています。

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