不動産エージェントが日本で浸透しない理由と今後を考察

日本の不動産業界はよくアメリカと比較されます。

手数料の仕組みや、建物情報の蓄積、MLSとレインズなど、比較項目は枚挙はたくさんありますが、その中の一つにエージェント制があります。

日本の不動産取引は法人の「不動産会社」を通して取引を行いますが、アメリカだと個人である「不動産エージェント」を通して行うという違いがあります。

個人が不動産を仲介することの良し悪しについてはよく議論されてきましたが、徐々に不動産エージェント化するためのサービス・会社が増えてきました。

今回は不動産エージェントが日本で浸透しない理由と今後について考察したいと思います。

注意:完全に私の主観となりますので、あしからず。

日本の不動産エージェントが浸透しない理由を考察

日本にはエージェントを推奨するサービスが出てきていますが、浸透しているとはまだまだ言い難いです。

なぜ浸透していないか?細かいところも含めると以下のような理由が挙げられます。

  • 集客が担保されていないから
  • サラリーマン思考の方が多いから
  • 大手信仰が強いから
  • 全ての物件が扱えないから
  • ポータルサイトが強すぎる
  • エージェントとしてレベルに達していないから
  • エージェントになるメリットが無いから
  • 法律的な問題

これらを含め、大きな課題を考察していきたいと思います。

①集客面

まず不動産エージェントの一番の課題だと感じるのが集客面です。

不動産エージェントという職業が成立させるためには集客が必ず必要になります。しかしなんのネームバリューもない個人エージェントの場合、集客面でかなり苦戦します。

これは日本は大手不動産会社に売情報が集中する構造に原因があります。

売情報を占有されると客付けをするしかありませんが、客付けしようと思っても囲い込み等で客付けができず、契約ができない、、

新規で集客できないと、自身のネットワークからの紹介などがメインになりますが、それができる方はごく少数。

不動産エージェントの浸透のためには、エージェントの母体となる本部が独自で集客できるか、個人レベルで利用できる集客サービスの台頭が必須と考えます。

➁人材面

次に考えられるのは人材面です。

日本はよくも悪くもサラリーマン思考が強く、個人エージェントとして独立しようという考え方の方が少ないです。

その背景にあるのは、不動産会社に勤めることのハードルが低いことではないでしょうか?

これもよく対比されますが、アメリカでは不動産エージェントの社会的地位が弁護士と同等レベルと言われています。

アメリカと比較し、日本では誤解を恐れずにいうと社会的地位が低いです。

資格に関しても、全員保有する必要がないため尚更です。

「自分の腕一本で食べていこうという!」

という優秀な人材が集まりにくい構造になっているというのも、不動産エージェントが浸透しない理由の一つと考えます。

③信用面

お客様は見ず知らずの個人に頼むよりは、ちゃんとした法人に依頼することを好まれます。

人生最大の買い物である不動産の取引を任せるとなると尚更です。

集客面と重なりますが現在のポータルサイトなどは、個人との取引はしていません。そのため販売する物件があっても告知する方法が無いのです。

個人エージェントでは、お客様からもポータルからも信用されていない現状があります。

④構造面

不動産従事者であれば必須のレインズ。

レインズが一般の方が見れないという構造も、要因の一つと考えています。

現在の不動産業界は情報商売とも揶揄されます。
その為、その情報が正しいかどうかは、情報元の信用で計られます。
信用面でも述べましたが、そうなってしまうと個人では分が悪いのが現実です。

不動産エージェントの浸透のためには、情報がオープンになり、情報商売からサービス商売へ変革を遂げる必要があるのではと考えています。

⑤サポート面

個人をサポートする機能が無いのも不動産エージェント浸透の妨げになっています。

日本の不動産業では、ローン付けや契約など幅広い分野を業務として行わなければなりません。

その為、サポート体制が未熟だと、不動産エージェントが負う責任が大きすぎます。

いざ不動産エージェントになろうと思っても、サポート面が理由で二の足を踏んでしまうことも十分考えられます。

不動産エージェントとして活躍している人はたくさんいる

不動産エージェントが浸透しないネガティブな話をしてきましたが、実際エージェントとして活躍している人もたくさんいます。

例を挙げると、

  • フルコミッションで不動産会社に勤めている人
  • 社長一人で営業している法人

広義で捉えていますが、実態としては上記の方々はエージェントといっても問題ないと思います。

共通して言えるのは、「自分自身でしっかりコネクションを持っていること」

会社の力に頼らずとも、独自の情報網でしっかり案件を獲得できています。

だからこういった働き方が可能なのです。その為、人材レベルとしてはかなり高い位置に位置します。

ただ、こういった方々はどこにいっても通用する方々です。

文化として不動産エージェントが浸透するためには人材レベルに関係なく、戦える土俵・成長できる土俵が必要です。

不動産エージェントの追い風

不動産エージェントが普及するために追い風が吹きつつあります。

SNSの普及

まずはSNSの普及です。

個人でもお金をかけずしっかり情報を発信できるようになりました。

不動産エージェントの方でうまく活用している方は、SNSだけで毎月数百万単位で収入を稼いでいます。

フリーランス容認文化

IT業界を中心に、フリーランスという働き方が容認されるようになってきたのも追い風です。

以前より、フリーランスに対する信用が出てきたため、選択肢として検討されやすくなってきています。

各種サポートサービスの発展

エージェント本部や付帯サービスなどの登場もエージェント化を後押しする要因です。

エージェント化の懸念である、集客面やサポート面が徐々に改善されつつあります。

※参考までに「Agently」というサービスのリンクを貼らせていただきます。

Agently

不動産エージェントは今後どうなるか

最後になりますが、不動産エージェントの今後を予測したいと思います。

法整備、信用問題など、課題はたくさんありますが、徐々に不動産エージェントという道を選択する方は増えてくると思います。

そして最終的には、大手不動産会社と個人の不動産エージェントという構造になるのではと予測しています。

現在は大手不動産会社と中小不動産会社という構図ですが、中小の不動産会社に勤めているより個人のエージェントでやる方がメリットが大きくなるのではないでしょうか?(現状の中小不動産会社も個人エージェントの集まりといえるかもしれませんが)

そのため大手の組織力と、不動産エージェントの個人の力が入り乱れる未来になると予想しています。

もちろんどうなるか分かりませんし、仮になったとしてもいつそうなるかは誰にも分かりません。

ただ、間違いなく言えることは最終消費者のお客様にとってメリットがある形が残っていくということ。

どんな形になろうと、未来は今よりもっと良い不動産業界になっていることを切に願います。

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