【売仲介 売出件数ランキング】⑤東急田園都市線  駒沢大学・桜新町・二子玉川エリア

前回から「田園都市線」にエリアを移している本企画、今回は駒沢大学駅~二子玉川駅までのエリアを一気にご紹介していきます。

※可読性を重視し各社の呼称には敬称を用いず表記させていただきます。

▼過去回はこちらから

売出件数ランキングについて

  • 集計期間:2021/1/1~2023/12/31の間に売出を開始した案件
  • エリア:田園都市線(駒沢大学駅~二子玉川駅)
  • 単位:各社法人単位ではなく支店ごとに計上

エリアについて

今回は一気に3エリア「駒沢大学」「桜新町」「二子玉川」を取り扱います。

駒沢大学・桜新町については1駅だけである程度の取引数があるため単独で集計をしていますが、二子玉川エリアは、各社の取扱件数や駅ごとのランキングの顔ぶれを加味して、用賀駅・二子玉川駅の2駅をまとめて「二子玉川エリア」として集計を行いました。

駒沢大学エリア

駒沢大学は、御三家のうち出店しているのが住友のみであり、2021年・2022年といずれも住友が1位を獲得していました。しかし2023年、ついに東急に首位を奪われてしまっています。

とはいえ、2023年もわずか2件差での着地でしたので、このエリアの首位争いは最後までデットヒートだったのではないかと思われます。

3位・4位については常に三井の近隣店舗が確保しているため、4番手までは御三家でガッチリ固まっている状況ではありますが、2023年については5位に「株式会社プライムタウン」、6位に「ウィル不動産販売 二子玉川営業所」と前年ランキング外からの新規参入が食い込んできています。

6位のウィル不動産販売について、本拠地は関西ですが2022年から東京進出に着手しており、二子玉川営業所は2023年1月にオープンしたばかり。オープン直後、かつ、二子玉川からの遠征で6位につけているのは、競合からすればかなりの脅威を感じる営業力ではないでしょうか。

ウィルは「数年以内に23区内10店舗体制を目指す」と公言しているため、今後も積極的に予算・人員を投入していくことが想定されます。現状では御三家が上位を占めているランキング表を塗り替えていく急先鋒になるかもしれません。

駒澤大学,売出数,2021

駒澤大学,売出数,2023

桜新町エリア

桜新町のランキングでは事件が起きています!

今回の企画では、渋谷を起点に東横線・田園都市線の集計を行いましたが・・・ついに東急以外が1位に!

桜新町,売出数,2021

桜新町,売出数,2022

桜新町,売出数,2023

桜新町エリアについては、3年間を通して東急が一度も単独1位を取れていないという非常に珍しい状況です。

2023年は超僅差の接戦を制した三井が1位(24件)、東急は1件差で2位、3位の野村もさらに1件差で着地しています。

ちなみに住友は桜新町に出店しておらず、両隣の駒沢大学か二子玉川の営業所が対応しています。

そういった立地条件もあってか、桜新町エリアの上位3社は御三家ではなく「三井・東急・野村」で争っており、2023年のランキングで野村は惜しくも3位でしたが、2022年には1位を獲得しています。

また、駒沢大学のランキングと同様に、前年ランキング外から新規参入し存在感を示している企業があります。

2023年の6位と9位に同じ企業から別支店がランクインした「株式会社ランディックス」です。

ランディックスは富裕層向けのビジネスモデルを強みに2019年に東証マザーズに上場しています。

本社機能は目黒にあり不動産テック事業等も手掛けていますが、仲介事業については桜新町を本店として、自由が丘、恵比寿の計3拠点を展開しています。

渋谷エリアの記事内でも触れていますが、業界のトレンドとして「富裕層向けビジネス」は各社が本腰を入れて対策をしてきており競争が激化している領域です。

富裕層向けの市場にいち早くノウハウを確立してきたランディックスは、現状のトレンド下でアドバンテージを持ってシェアを拡大しているようです。

本記事は2024年4月に執筆していますが、つい先日にも不動産テックベンチャー企業を新たに完全子会社化したニュースを目にしていますので非常に勢いを感じています。

二子玉川エリア(用賀・二子玉川)

最後は二子玉川エリアです。本企画は第5回目となりますが、裏側の作業としては「渋谷を起点とした東急沿線エリア」を一気に集計しておりましたので、二子玉川で一区切りとなります。

さて、第1期のトリとなるわけですが・・・内容としても「集大成」といえる結果が出ています。

二子玉川,売出数,2021

二子玉川,売出数,2022

二子玉川,売出数,2023

絶対王者「東急」!!

売出件数81件は今回の集計対象とした店舗でも最多。

あまりに多いものですから気になってしまい、つい出来心で2023年の売出価格総額も計算してみました。

東急リバブル,2023,売出価格総額

120億!!!!

1拠点でとんでもない数字をさばいています・・・。

ちなみに上記の表はこれまでの全5回で取り上げてきたエリアを丸ごと集計したものなので、渋谷周辺の東急線における統一王座はリバブル二子玉川だったということがわかりました。

二子玉川については1位のインパクトが大きすぎますし、あまり激しい順位変動もなかったため、統一王者の横綱相撲を見させられた心持ちです。

それよりも、出来心で集計してみた「第1回~第5回までの全エリア合算ランキング」が中々面白いものになりそうですので、次の記事で詳しくご紹介させていただこうと思っております。乞うご期待!

番外編

最後にランキングにのった各社が、直近3年間(2021~2023年)に売出開始および掲載終了した案件について、平均の値下率と売出期間を集計したデータを以下に示します。

全ての売主様には個別事情がありますので、本データのみから読み取れることは非常に少ないですが参考までにご参照ください。

「平均値下率」
・売出開始時点の価格と掲載終了時点の価格の変動率
・売出価格2億以上は集計対象外(極端な価格変動事例を除外するため)

「平均売出期間」
・売出開始日を起点に掲載終了日までの日数
・売止、媒介業者の切り替え等による掲載終了等も含む

駒澤大学,平均値下率,平均売出期間

桜新町,平均値下率,平均売出期間

二子玉川,平均値下率,平均売出期間

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