GAテクノロジーズの売上・戦略は?2021-3Q

GAテクノロジーズの全体の売上と利益

直近3期及び2021期3Qの売上高と営業利益は以下のとおりです。

GAテクノロジーズ,売上,2021

2Qで黒字転換した営業利益は再び赤字となり、2億8,400万円のマイナスとなりました。
原因はRENOSYマーケットプレイス事業における収益性悪化
です。
RENOSYマーケットプレイス事業はGA社の最重要事業ですが、最近の不動産業界においてはDXが一気に進み、同事業を取り巻く環境に大きな変化がおきました。
GA社としてはマーケットプレイス事業の市場シェアを高める目的で、取引量を増大させましたが、調達価格の高騰を招き低マージンの取り引きが大量に発生したことが原因です。

GAテクノロジーズ,売上,2021

GAテクノロジーズ,売上,2021

四半期ごとでは1Qは人材投資による赤字でしたが、3Qは前述のようにマーケットプレイス事業の収益性悪化です。

GAテクノロジーズのセグメントごとの売上

セグメントは公表していないため、RENOSYとMODERN STANDARDの会員数推移と、RENOSY iBuyer事業売上件数を確認します。

GAテクノロジーズ,売上,2021

GAテクノロジーズ,売上,2021

会員数の伸びは順調ですがiBuyer事業売上は減速しています。
原因はゴールデンウィークやオリンピックによるセールス稼働日数の減少と、Web商談予約システム導入など一過性の要因をあげています。
前年同期比では9%の増であり今後の収益性の回復が望まれます。

GAテクノロジーズの短期的な戦略

マーケットプレイス事業の収益悪化により、通期業績予想の修正をおこなうことになりました。
売上高は期初計画と変わらず850億円としましたが、営業利益はマイナス4億9千万円と期初計画より29億4,500万円のダウンとなります。
営業利益の内訳見込みとしては、iBuyer事業による約21億円の利益は、新規事業やDX事業R&D事業などへの投資に向けられ、最終営業利益は赤字の予想となっています。

*参考文献
https://ssl4.eir-parts.net/doc/3491/tdnet/2024616/00.pdf

GAテクノロジーズの長期的な戦略

長期戦略としては2021期に入り、1Qではマーケットプレイス構想について、2QではRENOSYマーケットプレイス会員数に見てきましたが、本リポートでは新規事業について見ていきます。
新規事業としては早期収益化を目指して4つの事業が進行中です。

1. RENOSY X SaaS事業:通期売上規模1億円以上
2. 神居秒算 インバウンドプラットフォーム事業:通期売上規模1億円以下
3. RENOSY ASSET MANAGEMENT アセットマネジメント事業:通期売上規模5億円以上
4. アドバタイジング事業:通期売上規模1億円以上:通期売上規模1億円以下

係わるスタッフは兼務3名を含めて53名が従事しています。
しかし2Qにおいては81名が従事しており、立ち上げ時の要員計画からは人員配置の方針を切り替えたものかとも思われます。
全体の売上規模に対する新規事業の規模はまだ小さく、しかし係る人員数のシェアは約1割となっておりまだ高い水準になっています。

*参考文献
https://ssl4.eir-parts.net/doc/3491/tdnet/2024616/00.pdf

GAテクノロジーズの最近のトピックス

グループ会社のイタンジが運営するクラウドシステム「ノマドクラウド」と賃貸不動産向けWEB申込受付システム「申込受付くん」をシステム連携し、約15万件の賃貸物件を対象とする顧客情報を、初回の接客から契約手続きまで同一画面で管理し、顧客が初回に入力した個人情報の再入力を不要にしました。
賃貸不動産のDX推進のテーマであった顧客情報管理の一気通貫が実現し、管理業務効率化が大幅に進む見とおしです。

*参考文献
https://resources.ga-tech.co.jp/Release/210916_itandi_bb_fd.pdf

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