VR内覧は歩留まりアップに本当に効くのか?VRの取り組み事情

2016年あたりからVR(Virtual Reality/仮想現実)、そしてMR(Mixed Reality/複合現実)の市場は急速に勢いを増しています。

【VR市場】
2020年のVR市場規模は約18億ドル(約1,970億円)。前年比で31.7%の増加。
2025年の市場規模は69億ドル(約7,580億円)。

VR,市場引用:wC’s Global Entertainment & Media Outlook 2021–2025, Omdia | Image courtesy PwC

【MR市場】
マイクロソフトの調査では、2020年には61億ドルの規模だったMRの市場は、2025年には約343億ドル規模まで急速に拡大するとされる。

MR,市場

引用:ビジネスIT

このようなXRテクノロジーは不動産領域においても「リモート内覧・見学」として360°型のVRコンテンツ等で活用されることが当たり前のようになってきました。

この記事では、

・VRコンテンツ活用の背景と現実
・不動産領域でおすすめのVRアイテム
・VRコンテンツの効果的な活用事例
・VRを活用することで成約率や満足度の向上に繋がるのか

についてまとめていきます。

VRコンテンツ活用の背景と現実

まず、最近は一戸建住宅やリフォーム物件を事前に見て、ある程度自分の好みやイメージに沿っているかを確認した上で、内見申込をするという流れが当たり前になってきました。
そして2020年のコロナショック以降、一戸建住宅やリフォーム領域では、自前で撮影をしたり、外部企業に委託をして撮影をしてもらうなどして、「リモート内覧」「事前内覧」を目的としてVRコンテンツ作りに取り組む企業は特に急増しました。
現場でよく使われているのはリコー社の「THEATA」Matterport社の「Matterport 360°ウォークスルー」などです。

理由としては容易に想像つくかと思いますが、コロナショックによって日本の都市部・地方圏に関わらず外出抑制がかかり、対面で人と接するハードルが極端に高くなったことが挙げられます。
そして隙間時間にスマホで家探し、内覧、相談をするというプロセスが定着してきました。
大手の積水ハウスをはじめとしたハウスメーカーも、この「隙間時間」を狙った営業施策の企画・実行に力を割いているのがwithコロナの世界です。

不動産領域でおすすめのVRアイテム

様々な企業がVRアイテムを開発していますが、不動産領域では「Matterport」、「THEATA」、「Insta360」 などがよく使われています。
中でも「Matterport」は他よりも画像画質が良いです。
理由は、4K画質・ウォークスルー(実際に歩いて見ているような視野)の臨場感、半日程度で画像が完成するスピーディさ、簡単に撮影ができるという点が挙げられます。

VRアイテム,一覧

他と比べ格段に値が張りますが、AI機能を搭載した独自の赤外線スキャンカメラによる、現実空間のデジタル3D再現能力は不動産内覧に活用するには非常に優れています。
赤外線を壁などに照射することで、この空間は何mmなのかといったことが精緻に測り、その撮影したポイントを全て繋げることによって、“ウォークスルー”=実際にその場で歩いてるかのような没入感を味わうことができます。
VR内覧においてはこの、“ウォークスルー”コンテンツが高いレベルで提供できるかどうかが非常に大事です。

VRコンテンツの効果的な活用事例

住宅の場合はどうしても実物を見て空間の広がりを感じて自分の理想にフィットする・しないを判断するという、あくまでリアルな体験が主体のビジネスではありますが、インターネットが普及した現在は事前検索によってリアルな体験をする価値がある・ないという判断をするのは当たり前のプロセスになってきています。
こうした事前検索は不動産の場合でいうと事前内覧も含まれます。
これらが当たり前のプロセスになってきているため、企業としてはVRコンテンツを提供することは必須であるのではないかと思っています。
1つ面白い事例として、住宅ではないですが住宅設備のパナソニックがMatterportを使ってキッチンや建材などの「動画」を使用しながら、分かりやすい体験コンテンツを提供しているものがあるのでご紹介します。

パナソニック,バーチャルショウルーム

事例:パナソニック汐留ショールーム

ウォークスルーによって、ショールーム内を自由に見て回ることができ、特徴的な部分には説明動画が設置されているため、気になるポイントがあればそこの動画で詳細を知ることができるという体験設計がされています。

パナソニック,バーチャルショウルーム

パナソニック,バーチャルショウルーム

家づくりの上ではこういった設備はひとつずつショールームに行って選んだりすることがありますが、どうしても面積の兼ね合いなどで自宅近くのショールームにはすべての商品が無いこともよくあります。
地方にお住まいで大規模なショールームになかなか行くことができない方でも実際にこういったVRコンテンツを使って空間や商材を見ることができるというは、認知してもらうことができる提案や商品が増え、マーケットを広げる可能性に繋がります。
VRコンテンツはWebサイトなどと同じく、顧客が必要とする最低限の情報コンテンツとして、住宅メーカーやビルダーとして、活用しない手はないかと思います。

まとめ

VRを活用することで成約率や満足度の向上に繋がるのか?
という問いへの答えとしては、数字として出せる正確なデータがあるわけではないですが、顧客の興味対象の拡大、潜在的欲求へのアプローチとして確実に効果的なコンテンツだと思います。
加えて、こういったネット上で顧客が隙間時間に情報収集できる親切な情報コンテンツ、体験設計に意欲的な取り組み姿勢があるとないのでは、今後のビジネス成長に大きく影響してくるので、ぜひこれを機に検討してみてはいかがでしょうか?

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