「ウルカモ」から紐解く、新しい不動産売却検討層の獲得方法

みなさん、カウカモ(cowcamo)という、中古・リノベーション住宅の購入に特化したプラットフォームをご存知でしょうか?
不動産業界のIT企業やマーケティングに興味がある人にはかなり浸透してきたサービスです。

今回の記事では、カウカモ運営する株式会社ツクルバから、住まい売却の新サービスとして2022年2月にリリースされた「ウルカモ」にフォーカスし、不動産売却検討層の獲得方法について紐解いていきたいと思います。

この記事では

・株式会社ツクルバの新サービス「ウルカモ」とは?
・注目すべき「ウルカモ」のマーケティング戦略
・「ウルカモ」から紐解く、新しい不動産売却検討層の獲得方法

についてまとめていきます。

株式会社ツクルバの新サービス「ウルカモ」とは?

株式会社ツクルバ,新サービス,ウルカモ

概要

中古住宅のオンラインマーケット「cowcamo(カウカモ)」を展開する株式会社ツクルバが、2022年2月10日より住まいの売買に手軽さとワクワクをもたらす新サービスとして発表したのが「ウルカモ」です。
「ウルカモ」は、持ち家の売却を検討する方(以下「売却検討者」)が住まい情報を手軽に投稿して、中古住宅の購入を検討する方(以下「購入検討者」)がその投稿にリアクションをすることができる、売り出し前中古不動産の売買意向のマッチングプラットフォームです。

実際に売却活動に移行した際の不動産取引実務は、ツクルバの不動産専門職がサポートするという座組みになっています。
サービススタート時は一都三県のマンションを対象にしていますが、順次取り扱いを拡大していくとのことです。

ウルカモ,仕組み

引用:PRtimes
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000074.000043247.html

サービスの使い方とユーザーの体験

サービスには大きく3つの特徴があります。
ユーザー視点で使い方と合わせてご紹介します。

①オンライン完結で2種類の査定を受けられる手軽な査定プロセス(売却検討者)

スマホから3ステップで住まい情報の登録ができ、オンライン完結で2種類の査定が受けられます。
AI査定で部屋の相場価格を即座に確認でき、写真を投稿するとプロによる独自の内装査定も受けられます。

ウルカモ,査定プロセス

ウルカモ,査定プロセス

ウルカモ,査定プロセス

このような流れで出てくる質問に答えていくだけで推定相場額が算出されます。

②住まい情報を投稿でき、リアクションも付けられる(購入検討者・売却検討者)

売却希望者は、匿名性が守られプライバシーに配慮された形で住まいの情報を投稿できます。
購入検討者は、「スキ」や「買うかも」などのスタンプ、コメントを書き込むことができます。
マンション売却時に仲介事業者と結ぶ媒介契約は必要なく、無料会員登録ですぐに利用可能です。

ウルカモ,住まい情報,投稿

③売買意向マッチングの後、スムーズな実売買活動へ移行できる(購入検討者・売却検討者)

「買うかも」スタンプで強い興味を表明した購入希望者には、「内見ファストパス(※)」が与えられます。
売却検討者がツクルバと媒介契約を結んで売却活動を開始した際には、「内見ファストパス」を得た購入希望者とマッチングしている状態からスムーズに売却活動をスタートすることができます。

※ 内見ファストパス:その住まいが売り出されたときに優先的に内見できる権利

ウルカモの特徴

ウルカモの特徴は、不動産売却を検討している一般ユーザーが保有物件の不動産売却価格のマーケット相場をAIによる査定と、それを見た不動産購入を検討している一般ユーザーの反応で見れることです。
通常は相場感を不動産会社に話を聞きながら「この会社ならば高く売ってくれるだろう」と判断をして不動産売却契約を不動産会社と結び、その上でマーケット反応を見ていくことになります。

その部分をウルカモを利用することで業者を介さず、CtoC、つまりここで言うと【一般ユーザーto一般ユーザー】でマーケット反応を事前に見れることは、ユーザーが一番気になる、価格のつけ方で判断したいところをうまくサポートできると考えられます。
この、どの程度の金額感で売れそうかというマーケットニーズを自分で調査できるというのが「ウルカモ」の最大の魅力ですね。

実際に売却検討者の投稿を見ていると、売却意向については星1の方が多く、(20人くらいの投稿をランダムに見ましたが星1以上の方はいませんでした)、売りに出す前にいくらくらいて売れるのかという情報収集のために活用している方が現状だと多い印象を受けました。

ウルカモ,特徴

もちろんこれはリリースされて間もないサービスだからということは大きくあると思うので、今後このサービスが普及していった際にどうなるか楽しみな点ですね。

注目すべき「ウルカモ」のマーケティング戦略

冒頭でも述べましたが、ウルカモの母体である株式会社ツクルバは、中古住宅のオンラインマーケット「cowcamo(カウカモ)」を先に展開しています。
「cowcamo」は2015年にスタートした事業で、2019には株式会社ツクルバが上場、2022年の1月には会員登録者を約33万人保有し、月間200万人以上が利用するサイトに急成長しています。

株式会社ツクルバ,マーケティング戦略

これらを踏まえ、「cowcamo」と「ウルカモ」のインタラクティブな浸透が出来れば「cowcamo」ユーザーによる購入希望のパイがある分、サービスを飛躍させやすいというメリット、戦略が生きてくると思います。
加えて、「cowcamo」にはリノベーション済みマンションに興味を持っている層が多く集まっているため、今回新しくリリースされた「ウルカモ」というマーケット反応を示すためのプラットフォームをが誕生したことで、より一層2つの事業に相乗効果が期待されます。

大手不動産事業者も参入できる余地はありますが、登録数を増やしていくことがとても難易度が高いというのが現実です。
CtoCサービスはどうしても登録数をどう増やしていくか、という部分が一番の課題です。
それもメルカリとは違って不動産という商材に限定しているという部分があるので、そのタターゲットに対してどうやって登録を促すかが非常に難易度が高いところだと思います。
上記でも述べたように、「cowcamo」という成長したプラットフォームを保有している会社だからこそ「ウルカモ」も機能してくる確率がぐっと高くなる印象です。

「ウルカモ」から紐解く、新しい不動産売却検討層の獲得方法

一朝一夕に「ウルカモ」のようなCtoCサービスを展開することは難しいと述べましたが、彼らの事例から新しい不動産売却検討層の獲得方法としてヒントとなる部分は多くあります。
その1つはある特定のカテゴリーに特化したビジネスモデルを確立するということです。
不動産事業しかり、不動産関連のメディア運営にしかり情報は現代の世の中に溢れているので、広く浅くではなく、ある特定にカテゴリーに特化した事業展開には大きなチャンスがあると言えます。

具体的には、ウルカモの場合は中古不動産というカテゴリーの中でCtoCビジネスを展開しています。
中古不動産というカテゴリー自体は大きいですが、その中でのCtoCビジネスに的を絞っているといわけです。

これをヒントに町の不動産業者が何かできないかと考えてみると、例えば自社の商圏内でCtoCビジネスはできないか?などの発想が生まれます。
特定のエリア限定で中古不動産を売りたい人、買いたい人をマッチングさせるようなプラットフォームを作ってみるというのは面白いかもしれません。
ウルカモの規模に比べたら少ないサービス利用者数にはなるでしょうが、

・エリアを限定していること
・自社がそのエリアを熟知していること

といった強みがあるため、ロイヤリティーの高いユーザーのストックとマッチング精度の高さが期待できます。
こういった地域に根ざした新しい仕組みの開発やサポートに関しては私たちハマナス社としても取り組んでみたいなと思っているので、もしご興味ある方がいあればお気軽にご連絡いただけたらと思います。

まとめ

今回、業界初の出し前中古不動産の売買意向のマッチングプラットフォームである「ウルカモ」を取り上げましたが、CtoCのニーズが伸びている今、そしてcaucamoが急成長している中のツクルバ社の新サービスということで業界人の注目度は非常に高いです。
このような勢いのある会社や事業の研究・考察は自社ビジネスを成長させるために有効な手段の1つです。
日々の業務に追われ、なかなか時間の確保は難しいこともあると思いますが、「何か自社に取り入れられるアイデアはないか?自社ならどうするか?」という当事者意識を常に持ち、情報収集することは非常に重要です。
広い視野で業界の内外に関わらず気になる会社やサービスを見てみることをおすすめします。

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