【購入者目線で考える不動産購入取引】顧客の好みの把握は本当に出来ている!?

不動産仲介業務をされているみなさんは日頃の営業活動において、どのようなことを意識しているでしょうか?

この記事をお読みいただいているみなさんはきっとお客様の好みをしっかりと把握して、最適な提案をしようと心がけていらっしゃる方ではないかと思います。

今回の記事では【購入者目線で考える不動産購入取引】シリーズとして、これからの時代に必要な価値観を軸にしたお客様の好みの把握についてを海外の事例を交えてご紹介します。

この記事では、

・お客様の好みの把握の現状
・これからの時代に重要な価値観軸で提案できる営業パーソンとは?
・価値観軸で提案するために参考になる海外事例

についてまとめていきます。

お客様の好みの把握の現状

不動産購入をしたいお客様を相手に、みなさんはどのようにヒアリングし、好みの把握をしていますか?

SUUMOやHOME’Sなどといった大手ポータルサイトの検索機能然り、間取りや築年数、階数、広さ、駅から徒歩何分かといったデータで見ることができる条件で選択肢を絞っていくというのが一般的ではないでしょうか。

この方法が間違っていると言いたいわけではありません。

もちろんこういったデータとして測ることができる条件も大事なお客様の好みです。

しかし、新型コロナの流行により「おうち時間」という言葉が生まれるほど、家での過ごし方、考え方に変化が起きている昨今、住まいに求める理想や条件に変化が生じているのは言うまでもありません。

コロナ前後,住居,理想

参照:with/afterコロナ時代の理想の家に関する調査
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000062943.html

株式会社vacancesが行った「with/afterコロナ時代の理想の家に関する調査」からも、「新型コロナの流行は、家に対する考え方を変えましたか?」という質問に対して7割近くの方が『はい(67.9%)』と回答しており、具体的には

・より過ごしやすくかつ魅力のある家にしたくなった(30代/男性/会社員)
・家で過ごす時間を快適にする気持ちが湧きました(30代/女性/パート・アルバイト)
・外出する機会が少なくなったので、家で楽しむことを画策しています(40代/男性/公務員)
・家族が在宅勤務する時間が増えたため、プライバシーを守るために部屋数が多いほうが良いと思った(40代/女性/専業主婦)

このような気持ちの変化があったと回答しています。

新型コロナ流行前は、『通勤・通学が便利な立地(42.2%)』と回答した方が最も多く、次いで『広さ・間取り(22.2%)』『耐震性や耐久性(15.3%)』『資産価値(13.6%)』『外観デザイン(5.5%)』と続いていましたが、新型コロナ流行後には『在宅勤務スペースの確保(36.8%)』と回答した方が最も多く、次いで『遊べる空間がある(24.5%)』『趣味に没頭できる空間(12.3%)』『内観デザイン(11.1%)』『庭や緑を感じられる(10.9%)』といった回答が多くを占めるように変化しています。

こういった気持ちの変化やお客様の深層にあるインサイトはデータから絞る検索機能だけでは見えてこないものです。

これからの時代に重要な価値観軸で提案できる営業パーソンとは?

ただお客様の希望を聞いて、そのデータをパソコンに打ち込み、選択肢を絞って提案するだけでは本当にお客様の好みを把握しているとは言えない時代です。

これから求められるのは「お客様の価値観軸」をきちんと把握し、それに基づきデータにある条件を紐づけて提案できる営業パーソンです。

例えば、居心地のいいおうち時間を過ごすために近年人気のキーワード「開放感」。

この開放感という言葉1つをとっても、そこにはお客様の多種多様な価値観が含まれています。

・緑に囲まれた開放感
・吹き抜けがある開放感
・すぐ近くに公園がある開放感
・リビングの延長にバルコニーがある開放感
・目の前に建物がないタワーマンションという開放感

このように、1つのキーワードでもいろんな因数分解ができ、ここをお客様ごとに紐解くことができるかどうかがこれからの営業パーソンにとって非常に重要なスキルセットとなります。

しかし現状、不動産仲介業界にはこの因数分解が苦手な人がかなり多い印象を持ちます。

なぜなら、今までの営業方法がお客様からデータ化できる条件をヒアリングして、それを既存の物件条件に当てはめて提案するというのが当たり前になっているからです。

価値観軸で提案するために参考になる海外事例

そこでご紹介したいのがNetflixで配信している海外の2つの不動産ドキュメンタリー番組です。

1つ目は「SELLING SUNSET」

ロサンゼルスに実在する高級物件専門の不動産仲介会社「オッペンハイム・グループ」を中心に展開され、そこに在籍しているエージェントたちがロサンゼルスの豪邸を売り捌く様子やアメリカ不動産エージェントの裏話を見ることができる人気番組です。

途中からエージェント達が夜な夜な繰り出すロサンゼルスならではの豪華なパーティや、バチバチドロドロした私生活がメインになってくるので、全エピソードを見る必要は正直ないです。

ですが面白い点として、日本の場合は大手資本、スタッフ人員数、取り扱い件数、アフターサービスなど、大手中心の事業展開が主流ですが、アメリカの場合はエージェント制という形式をとっている点が挙げられます。

つまり、営業パーソン1人1人が個人事業主に近い形で不動産仲介会社で働いているためかなりプロフェッショナルで意識が高く、顧客の好みの把握の仕方や提案方法、顧客との信頼関係等、参考になる部分は多いです。

2つ目は「不動産ファミリー」

こちらは、フランスのパリで高級物件専門の不動産仲介会社を家族で営むクレッツ家をメインにしたリアリティテレビシリーズです。

父がCEOを勤め、母と3人の息子達で不動産仲介会社を経営しています。

上でご紹介した「Selling Sunset」とは異なり、「不動産ファミリー」には癖の強いキャラクターや強烈なドラマはなく、家族全員で協力して、裕福で条件の厳しい顧客に対して上品で繊細なサービスを提供している様子が伺えます。

ヨーロッパ型のサービスの特徴として、物件自体というよりもサービスに重きがあるように思いました。

中でも、「価値観軸」の面で非常に印象的だったのが母サンドリーヌが顧客との打ち合わせの際に顧客の今住んでいる家を訪問したシーンです。

彼女は、顧客が今探している家の条件だけでなく、今住んでいる家に対するこだわりや、これまでのことなど、かなり個人的で深い部分まで丁寧にヒアリングをしていました。

わざわざ家まで訪問し、丁寧なヒアリングをすることで「住まい」とはこのお客様にとって何が重要なのか、どんな価値観を大切にしているのかということを理解しようとしているのです。

このようにお客様の価値観と条件を紐づけるための行動や努力を惜しまない姿勢は、単なる家探し、家売りではなく、お客様の人生の思い出や家族計画などを含めて「人が住まう家」を売っていると言えるのではないでしょうか。

この2つの番組については別の記事でもう少し詳しく書きますので、そちらもよければ読んでいただけたら嬉しいです。

まとめ

今回の記事では、お客様の好みの把握の現状から今の時代に求められる価値観軸での提案方法についてまとめました。

・データで絞れる条件だけの把握や提案をしない
・キーワードの因数分解
・お客様の価値観と条件を紐づけるための行動や努力を惜しまない
→必要ならばお客様の今の家を訪問してヒアリングするなど

特にこの3つを意識した営業活動を取り入れてみてはいかがでしょうか。

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