不動産営業の重要キーワード「カスタマーサクセス」を徹底的に理解しよう!

不動産市場の変化とともに「カスタマーサクセス」という言葉が、重要キーワードとして注目を集めています。

不動産を求めている顧客を見つけ出し、物件情報を提供し、売買契約に至るというプロセスが、不動産営業の大まかな流れです。

これは数十年の間、ほとんどが変わっていません。

しかし、不動産を購入する顧客の変化によって、不動産営業は大きく変わろうとしています。

その象徴とも言えるのが、カスタマーサクセス型の不動産営業なのです。

執筆者紹介
新卒で投資顧問会社に勤務し、顧客向けの投資レポートの執筆や金融商品の開発などに従事したのち、フリーライターとして独立。
投資用不動産や個別株式など特定の金融商品にこだわらず、幅広い投資に関する記事を執筆。
外資系金融機関の日本進出をサポートするなど、金融業界のマーケティング戦略パートナーとしての業務も行う。

知っておきたい不動産市場と顧客の変化

カスタマーサクセス型の不動産営業が求められる背景となっているのは、不動産市場全体の長期的かつ大きなトレンドの変化です。

不動産金融支援機構(旧不動産金融公庫)が1989年からまとめている毎年の住宅ローンの貸出総額を見てみると、最新の2018年には総額21兆1194億円でした。

統計初年度の1989年が同28兆9221億円、バブル崩壊後の1995年が38兆488億円であることから、住宅ローンの総額が大きく減少していることが分かります。

つまり、マイホームを購入するという文化が、徐々に薄れてきているものだと推測できます。

しかし一方では、不動産流通推進センターが発表している不動産市場の状況を見てみると、売り物件の成約件数は着実に伸び続けています。

バブル期ほどの活況ではないものの、売買の成約件数は前年比を割り込むことなく推移しています。

マイホームとしての不動産は売れ行きが落ち込んでいるものの、不動産の売買そのものが落ち込んでいるわけではないのです。

日本も貧富の差が大きな社会に変化している

欧米諸国をはじめとした世界の国々では、貧富の差が大きな社会問題となってから随分と長い歴史があります。

これに対して日本は「総中流社会」と呼ばれ、富裕者層が少ない反面、極端に貧しい層もいないという貧富の差の小さな社会でした。

しかし、さまざまな経済的な要因によって、日本でも貧富の差が拡大傾向にあります。

財閥の子息などの超名門一家でなくても巨万の富を得た富豪たちの顔を、皆さんも何人かは思い浮かべることができるでしょう。

また逆に、月末の家賃の支払いどころか、明日の食費にさえ困窮しているという家庭についても、耳にされたことがあるのではないでしょうか。

さきほど挙げた住宅ローンと売買件数の数字も、この日本の貧富の差が広がっていることと無関係ではありません。

庶民であっても誰でも住宅ローンを借りてマイホームを買うことができた総中流社会の終焉を感じさせるものです。

また、お金を持っている層にとっては不動産は依然として魅力的であり、売買が活発に行われているということです。

不動産営業は”売り切りの営業”ではなくなった

ほとんどの庶民にとってマイホームとは、人生で最も高い買い物です。

家族が一生を過ごすことになるマイホームの購入が、不動産営業の中心だった時代がありました。

しかし、統計データや貧富の差の拡大などの変化を受けて、不動産営業は変化を求められています。

耐震偽装を含む欠陥住宅問題に代表されるように、以前の不動産営業では1人の顧客に対して1軒の不動産を売るという”売り切りの営業”でした。

マイホームを購入した顧客は、もう2軒目や3軒目の不動産を購入することはありませんので、このような悪しき習慣がはびこっていました。

今後の不動産営業では、マイホームのような人生に一度限りの買い物ではなく、ひとりの顧客に対して何軒もの不動産を継続して販売することとなります。

カスタマーサクセス型の不動産営業へ

カスタマーサクセスとは、主にIT業界を中心に広がってきたマーケティングに関する言葉です。

毎月の定期払いで料金を受け取るサブスクリプションで、いかに長期にわたって顧客との関係を継続するのかを重視したものです。

カスタマーは顧客、サクセスは成功ですから、直訳すると「顧客の成功」になります。

つまり、顧客を成功に導くことによって、顧客はずっと顧客であり続け、利益をもたらしてくれるということです。

ここまでで解説した通り、不動産市場においても1人の顧客が複数の不動産を購入するという流れになってきています。

このため、売ってしまえば終わりという”売り切りの営業”ではなく、売ったあとにも積極的なサポートを行うカスタマーサクセス型の営業が求められるようになってきているのです。

カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違い

これまでにも不動産業界では、購入した顧客に対してアフターケアを行うカスタマーサポートを取り入れてきました。

多くの会社には、購入した物件にトラブルがあった際のカスタマーサポート部署があります。

しかし、カスタマーサクセスとカスタマーサポートには大きな違いがあります。

カスタマーサポートが「困ったときには連絡してください」という消極的なスタンスであるのに対して、カスタマーサクセスは「こうすれば上手くいきます」という積極的な提案を行います。

売買契約が結ばれるまでの熱量と同じように、売買完了後にも顧客の成功のためにさまざまな提案を続けるのです。

このような関係作りをしながら顧客の不動産投資を成功に導けば、次の物件の購入においても、当然のことながら営業マンは不動産購入の相談を最初に受けることになります。

不動産営業の重要キーワード「カスタマーサクセス」まとめ

人々が生活を続ける限り、不動産購入の需要は無くなることはありません。

ただし、時代ごとに不動産購入を積極的に行う人々の層には変化があり、また購入のパターンも変化を続けています。

マイホームどころかマイカーさえも購入しない世代が既に20代に増えてきており、この流れは長期的に続くことが予想されます。

もちろん、貧富の差の拡大が、この流れに拍車をかけています。

このような時代の変化を背景として、不動産営業は”売り切り”から”カスタマーサクセス”へと変化することが求められています。

それぞれの顧客をしっかりとサポートし、不動産の購入が成功するように積極的にサポートし続けるのです。

既に不動産を販売した顧客がいる営業マンの方は、これまでの顧客との関係をさらに深めてみる努力をはじめてみましょう。

また、これから不動産営業をはじめる新人の方は、顧客との生涯にわたる付き合いをイメージして、顧客を成功に導くための営業をしていきましょう。

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