近隣への聞き込み調査が大切!物件の想定外な一面が見えることも

不動産の販売活動は、商品である物件についてよく知ることから始まります。

現地調査・役所調査という基本的な調査はみなさん行っていると思いますが、意外と大切なのが「近隣への聞き込み調査」です。

近隣への聞き込み調査を行うことで、現地調査や役所調査では見えなかった想定外な一面がわかることがあります。そこで今回は、近隣への聞き込み調査について解説しましょう。

近隣への聞き込み調査が大切な理由

不動産の売却を依頼してくる所有者の事情は様々です。特に相続した物件の売却を依頼する人の中には、「物件で暮らしたことがない」「物件の周辺環境を知らない」という人が多くいます。

近隣への聞き込み調査の目的は、周辺環境について知ること。所有しているだけで物件のことを詳しく知らない売主からの話だけでは、重要な情報を引き出せないかもしれないからです。近隣への聞き込みをすることで、近隣にゴミ屋敷があったり、過去に事件のあった土地であったり、住宅を建てる場合に町内会へ高額な入村料を支払う決まりがあったりすることがわかるのです。

正直なところ、近隣への聞き込みは時間や手間がかかります。しかし、買主とのトラブルを避けるためにも、近隣への聞き込みを行って周辺環境をについて把握しておくことをおすすめします。

近隣への聞き込みでチェックする項目とは

近隣,聞き込み調査

近隣への聞き込み調査の目的は、物件の周辺環境を知ることです。ここでは、近隣への聞き込みをするときにチェックする項目についてご紹介します。

・騒音・臭気

騒音・臭気は周辺にどのような施設があるかということが大きく関係します。

例えば、学校・工場・病院・田んぼ・牛舎など。その中でも、「風の向きによっては臭いが酷い」「夏は農業機械の騒音が酷い」など、特定の条件下でのみ影響を受けるケースがあります。

・事件・事故・火災

過去に近隣で殺人事件などの重大な事件があった、近くの用水路で老人が亡くなっている、数軒先の住宅で火災があったなど、周辺で起こった事件・事故・火災などを調査しましょう。

内容によっては、買主の購入判断に大きな影響を与えることがあるからです。

・周辺環境に影響を及ぼす人・建物

ゴミ屋敷、人の出入りが激しい宗教施設、近隣トラブルの原因となる人がいるなど、周辺環境に影響を及ぼす人・建物について調査しましょう。

周辺施設については、聞き込みだけでなく物件周辺を観察することが大切です。

・隣地との境界

境界と思われる地点より越境している、地積測量図などの図面と現況が異なるなどの場合、隣地所有者の認識を確認しておくと良いでしょう。

相続や売却などで周辺の所有者が変わっている場合、その過程で境界に対するお互いの認識が変化している可能性があるからです。

・町内会費用・行事・決まり事

特に地方では、町内会の権力が強い地域が存在します。

アパートの建築であっても、居住世帯分の町内会費用が徴収されることがあるのです。町内会によっては年間行事がたくさんあったり、町内の決まり事が細かく設定されていたりすることがあります。

買主と町内会でトラブルになりやすいことの1つが費用面です。実際に私が知る地域には、町内で住宅を建てる場合に入村料として30万円を支払わなければならないところがあります。入村料は、マイホームだけでなくアパート建築も対象だというので驚きです。この町内会では、入村料を知らずに購入した人とトラブルになったという話を複数回耳にしたことがあります。また、町内会費用を支払わないとゴミ置き場を利用できないなど、今後生活する上で不便を強いられることになることがあるのです。買主とのトラブルを避けるため、町内会長に詳細を確認しておくことをおすすめします。

・ゴミ捨て場

生活していく上で必ず考えるべきゴミの問題。

ゴミ捨て場の場所によっては不便であったり、近すぎると悪臭に悩まされたりすることがあります。また、ゴミ捨て場が町内会で維持管理しているものの場合、町内会に入会しないと使用できない可能性があります。念のため、確認しておくことをおすすめします。

聞き込みは誰に行えば良い?

近隣,聞き込み調査

物件の周辺環境を調査するために必要な近隣への聞き込み調査。ここでは、具体的に誰に聞き込みを行えば良いのかご紹介します。

・所有者

まずは所有者の話を聞くことから始めましょう。所有者が売却する物件で暮らしていたのであれば、住んでいた人の生の声を聞くことができるからです。また、物件について詳しく知らなくても、もともと所有していた親などからの話を聞いていることがあります。

・隣に住んでいる人

隣に住んでいる人にも話を聞いてみましょう。周辺で空き巣被害が多発していたり、過去に自然災害が起こったりしたことなどがわかることがあります。また、トラブルを起こしやすい人が近隣に住んでいることを知ることがあります。

・近隣住民

現地周辺で近隣住民に遭遇したら、挨拶してみましょう。話ができそうな人であれば、周辺環境について聞いてみてください。私は近隣住民との世間話から、木が植えられているだけの隣地が50年以上前に火葬場として利用されていたことを知ったことがあります。その土地に長く住んでいそうな年配の方、子どものいるご家族、購入希望者と近い年代の人など、できれば様々な方に話を聞くことで多方面から周辺環境を知ることができるでしょう。

・町内会長

地域によっては、町内会の権力が強いところがあります。

町内会によっては町内会費の他に、高額な入会金、ゴミ捨て場・公民館の維持費用などの費用がかかることがあるので、費用面は特に確認しておきましょう。その他、町内行事の多い地域では行事参加が必須であったり、草むしりなどの活動を欠席する場合はお金が徴収されたりすることも。町内会長が誰かということは、近隣住民だけでなく市役所や地区センター、公民館が教えてくれることがあります。念のため確認しておくと良いでしょう。

余談ですが、町内会長と仲良くなると町内に住む地主を紹介してくれることがあります。その地域で物件を探すときなども協力してくれる可能性がありますので、挨拶しておくと次の仕事に繋がるかもしれません。

「聞き方」が大切

近隣への聞き込みで注意していただきたいのが「聞き方」です。

突然知らない人から話しかけられたり、訪問を受けたりすると、高確率で相手から警戒されます。ですから、相手に挨拶をした後は必ず「〇〇不動産の△△と申します」と自分から名乗りましょう。

そして、相手が答えやすいように、まずは周辺施設など軽めの話題から入り、事件・事故などの比較的重い話題は後の方に聞くことをおすすめします。

物件の周辺を観察することも大切

物件の周辺環境を知るためには、周囲を観察することも大切です。

あらかじめ地図で周辺の建物を確認しておくとスムーズに観察できるでしょう。現地では周辺を歩いて街の雰囲気や建物の様子を観察してみたり、行きと帰りで別のルートを利用したりして、物件を別の角度から確認します。周辺を自分の目で確認することで、ゴミ屋敷など物件購入の意思決定に影響を与えそうな存在を把握することができるのです。

近隣への聞き込み調査を忘れずに行おう!

物件の調査はすべて「物件を多方面から知ること」が目的です。買主の購入判断に影響を与えるような重大な事実を隠したまま販売活動をしていると、後々トラブルに発展してしまう可能性があります。現地調査のときなど、ぜひ近隣への聞き込み調査を忘れずに行いましょう。

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