【工務店マーケティング】工務店でマーケティングが機能しづらい理由とは

今までの工務店の集客といえば、見学会やリストテレアポ、相談会などの手段がよく用いられていました。

ですが、従来の集客方法では上手くいかなくなってきているという実感をお持ちの工務店も多いのではないでしょうか?

確かに、今現在日本では少子高齢化に伴う人口減少、経済不振などの影響により賃貸需要の伸張という新築着工棟数の減少に働く諸問題があります。

そのため、工務店をはじめとした建築業界の市場ポテンシャルも少なくなってきているのは誰もが認める事実です。

そのため集客で悩んでいる工務店が多いのが今現在。

そこで、集客を改善するためにも各社は確かなマーケティング施策を講じる必要があります。

とはいえ、「マーケティング知識を持つ人材がそもそもいない」「工務店におけるマーケティングがなにかわからない」というような悩みも少なくないでしょう。

そこで本記事では、まずは工務店のマーケティング課題の真相を解き明かすためにも工務店領域でマーケティングが機能しづらい要因をいくつか紹介していきます。

工務店領域でマーケティングが機能しづらい3つの理由

大前提マーケティングが非常にうまくいっている工務店様も数多くいらっしゃいますし、素晴らしい事例も多数聞きますが、本記事では概ね集客・マーケティング課題を抱えている工務店様が世の中には多いという前提でその中身を見ていければと思っています。

さて、「工務店領域でマーケティングが機能しづらい理由」は主に以下の3つと考えます。

A:リードタイムが長く絶対購買数も少ない産業なのでPDCAが回りづらい
B:マーケティング的思考を持つ人材流入が少ない・重要視されにくい
C:マーケティング担当の人員配置が優先順位として最下層になりやすい

これだけ見ても少し分かりづらいと思うのでそれぞれ詳しく解説していきます。

リードタイムが長く絶対購買数も少ない産業なのでPDCAが回りづらい

工務店がつくる注文住宅は、注文から完成(納品)まで、多くは半年から1年かかるといわれています。

さらに、エンドユーザーである買い手は、ほとんどの場合一生に一度の買い物です。

なので、購入までの期間が長いこともさることながらそもそもの母数が少ないということもあり、PDCAがかなり回りづらい分野であるといえます。

例えば、年間20棟の会社であれば、多くとも1週間に1人~2人新規来場があるかないかの集客数です。

PDCAが非常に重要なマーケティングにおいて、観察対象となる絶対数が少ない上記のような環境は、マーケティングのチャレンジ機会を必然的に削り取り、改善活動の頻度を妨げます。

一般消費財と異なり、改善活動がどうしても遅延してしまうのです。

マーケティング的思考を持つ人材流入が少ない・重要視されにくい

業界の特性として、あまり若者がとっつきにくかったり、ITなど流行りものも遅れて流れてくることが多い領域なので、マーケティング知識に富んだ人材が少ないのが工務店における現状です。

また、工務店のトップや責任者は、現場あがりであることがほとんどで、マーケティングに関する知識があまり豊富でない場合が多いです。

業界の仕組み上、マーケティング知識が豊富ではないのがあたりまえのことではありますが、だからこそ競合優位性や強固な競争力としてマーケティングが重要なのです。

それは必ずしも、トップや責任者がマーケティングに詳しくなくてはならないということではなく、意思決定を支援する基幹や人材の別途準備が必要だということです。

それらの基幹や人材にマーケティングの能力が高い人を配置することで、会社全体のマーケティング力が高まるでしょう。

ただ、可能であればですが、トップや責任者がマーケティングに詳しいと、よりその効果は大きくなるといわれています。

なので、マーケティングの技能を会社に取り入れる試みが必要だといえるでしょう。

マーケティング担当の人員配置は優先順位として最下層になりやすい

工務店の性質上、マーケティング担当の人員配置は優先順位として最下層になりやすいというのが一般的な考えだと思います。

というのも、工務店のビジネスモデルでは、まず家を建てないといけないので、工事・工務・設計関連の人材配置は必ず必要になります。

それから、そもそもの契約がないと家を建てる段階に至らないので、営業も必要です。
※営業に関しては社長が行っているケースも少なくはありませんが。

工事・工務・設計関連、営業の人材が揃って初めて、集客に意識がいきます。

ただ、ここで問題なのが、集客に関しては工事・工務・設計関連、営業(社長)の部署の人が片手間でも成り立ってしまうケースが多いという点です。

従来はそれで成り立っていましたし、それが一般的でした。

なので、わざわざマーケティング専門・集客専門の人材を人件費を割いてまで雇う必要性が無かったわけです。

上記のことより、マーケティング担当の人員配置は優先順位として最下層になりやすいというのが現状多くの工務店が普通としている状況です。

そのため結果的にマーケティングを専門的に思考する人材がおらず、機能しなくなることが多いと感じています。

これからはマーケティング的思考が必要不可欠

前述した3点が、私が工務店マーケティングの進化・発展を阻害している課題であると考えている要因です。

今一度まとめると次のとおりです。

A:リードタイムが長く絶対購買数も少ない産業なのでPDCAが回りづらい
B:マーケティング的思考を持つ人材流入が少ない・重要視されにくい
C:マーケティング担当の人員配置が優先順位として最下層になりやすい

私は自社のマーケティング強化を検討する際に工務店領域のマーケティングが機能しづらい理由・原因をまず理解することから始めることがとても大切だと考えています。

そして、それらを理解した上で自社のリソースや判断の中で出来る解決方法でマーケティング改善をかけていくことが重要だと考えています。

これまでの自社の状況とも照らし合わせていきながら、今後のマーケティング強化の改善策に一歩踏み出して頂けることを祈っております。

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