サンセイランディックの成り立ち
株式会社サンセイランディックは1976年2月、不動産売買仲介およびマンション・アパート・ビル等の賃貸仲介を事業目的として、株式会社サンセイサービスを設立しました。
1991年6月より、現在の主要事業である「底地」の取扱いを開始します。
1993年8月には、後に吸収合併する子会社株式会社サンセイ住宅販売を設立し、千代田区にて不動産販売・仲介事業を開始します。
さらに1997年には本店を千代田区に移転し現商号に変更しました。
2002年4月、2年前より株式会社サンセイ住宅販売が営業していた大阪、札幌に支店を設置します。
2年後の2004年8月には福岡支店を開設します。
2005年には連結子会社となる株式会社One's Lifeホームを設立し、戸建分譲事業にも進出します。
なお、同社は2009年に完全子会社となりました。
2011年3月に横浜支店(後に本店へ統合)を設置し、12月には大阪証券取引所JASDAQ市場に上場を果たします。
2014年1月に東京証券取引所市場第二部、そして12月には一部へ市場変更、2016年5月には現在地千代田区丸の内に本店を移転しました。
2017年12月、新中期経営計画を発表し連結営業利益20億円超を目差しています。
株式会社サンセイランディックは日本で唯一ともいえる、底地や居抜き物件を買取り販売するユニークな事業を展開しています。
※参考文献
https://www.sansei-l.co.jp/company/profile/
https://career.mag2.com/interview/080403/
サンセイランディックの全体の売上と利益
直近3期の売上と営業利益は以下のとおりです。
売上高は2019期、計画をわずかに下回るも過去最高となり、営業利益も過去最高を記録しました。
四半期ごとの結果では中間期と決算期に売上および利益が伸びる傾向があります。
2Q、4Qに売上が偏る原因としては、給与体系に成果給が盛り込まれているためか、販売会社特有の特徴とも考えられます。
2020期は2Qと3Qにおいて新型コロナウィルス感染症拡大の影響があり、落ち込みがありました。
サンセイランディックのセグメントごとの売上
セグメントは大きく2つに区分されます。
・建築事業
建築事業は連結子会社株式会社One's Lifeホームの事業であり、赤字がつづいていますが、成長戦略事業と位置付けています。
2020期には黒字化を目差しており、今期に入り赤字幅の縮小が見られるようになりました。
不動産販売事業はさらに3つの事業に区分されます。
2. 居抜き
3. 所有権
2019期「居抜き」は前年比プラスですが「底地」を含めて、計画比ではマイナスになっています。
サンセイランディックの短期的な戦略
2Q20、3Q20とも前年比マイナスとなり、コロナ禍の影響から2020期の通期予想は修正せざる負えなくなりました。
さらに全国的な感染拡大、第3波の到来という状況で残る1ヶ月となり、来期以降の回復を待たなければならないでしょう。
サンセイランディックの不動産売上は仕入から1年以内に販売される傾向があり、3Q20での仕入実績をみておくことは、今後1年以内の業績を予想するうえで重要な材料になります。
仕入実績は底地、居抜き、所有権とも前年同期比を上回っており、来期上期までの販売実績が注目されるところです。
ただし営業利益においては、新型コロナウィルスによる状況変化と、新規事業への投資計画のため、キャッシュポイントを高くする方針を立てています。
そのため販売用不動産物件の積極的販売が計画されており、利益率の低下は免れないかもしれません。
※参考文献
https://www.sansei-l.co.jp/wpsansei-l/wp-content/uploads/2020/09/35cafa159ec7c700b8d53f1de3388724.pdf
https://www.sansei-l.co.jp/wpsansei-l/wp-content/uploads/2020/10/1ff6efb59111117b0b69d3b3bc5460e1.pdf
サンセイランディックの長期的な戦略
2020期は中期経営計画の最終期であり、来期からの「第3ステージ」へ向けての準備期間と位置づけていました。
新型コロナの影響により計画どおりとはならない点もありそうですが、来期以降も以下のポイントが課題となりそうです。
2. 株式会社One's Lifeホームの黒字化
2021期は次の中期経営計画のスタート期であり、2020年12月発表の中期計画が注目されます。
長期戦略としては、サンセイランディックの特性上、新規事業開発が必須となっています。
その特性としては次の点が指摘できます。
2. 居抜き物件の販売先に戸建業者が多く、戸建分譲市場環境により業績が左右される傾向があります。
成長分野を持たないビジネスモデルになっているため、新規事業の開発は急がれていました。
現在、新規事業として地方都市の活性化事業に取り組んでおり、とりわけ観光地における空き家活用ビジネスに着目しています。
具体的には以下3社との業務委託を進めています。
・株式会社Catalyst https://catalyst-tokyo.co.jp/
・株式会社百戦錬磨 https://www.hyakuren.org/
「食・農・宿」をコンセプトとした新規事業開発の行方が注目です。