GAテクノロジーズの全体の売上と利益
直近3期の売上高と営業利益は以下のとおりです。
2020期も前年比を大きく上回る結果となりました。
売上では前年比160.5%、営業利益は前年比158.3%となっています。
2020年3月に上方修正した予想からも次のように上回っています。
・営業利益修正予想18億円→18.88億円
3Qで受けた新型コロナの影響は4Qで解消され、各事業分野においてのすべての面で成長がみられた状況です。
四半期ごとの売上は前年同期比でいずれも増加し、とくに4Qの伸びは特筆です。
GAテクノロジーズのセグメントごとの売上
セグメント結果は公表していませんが、次のセグメントがあります。
・RENOSY Living事業(中古マンション・高級賃貸マンションのWeb取引とリノベーション事業)
・ITANDI事業(賃貸仲介と賃貸BtoB事業)
2020-3Qリポートと同様、メインの「RENOSY iBuyer事業」について、会員数の増加推移と売買件数の四半期ごとの実績も確認しておきます。
GAテクノロジーズの短期的な戦略
2020期にコロナ禍の影響もありながら前年比50%以上の成長に寄与した要素として、「ReTech」の基盤を形成するエンジニアの存在が欠かせません。
下図は全従業員とエンジニアの推移、そして売上高推移を示したものですが、エンジニアの増加が売上高の増加を後押ししたともみることができます。
人員の増員は欠かせない戦略です。
2021期は売上高35%アップの850億円、営業利益は30%アップの24.55億円を予想しており、そのためセールス人員の増員を計画しています。
GAテクノロジーズのプロダクトは不動産業界だけに留まらず、2020年12月、住宅ローン保証事業をおこなう株式会社ジャックスが、GA社の「MORTGAGE GATEWAY by RENOSY」を基盤としたシステムを導入すると発表しました。
2021期は、不動産に関連する他分野でのDX推進への貢献も期待できそうです。
*参考文献
https://www.ga-tech.co.jp/news/7841/
GAテクノロジーズの長期的な戦略
2020年9月に「神居秒算」を取得しました。
神居秒算は中華圏最大の日本不動産投資プラットフォームであり、投資物件を扱う日本の不動産会社と中華圏顧客を結びつけるツールとしての機能があります。
2021期は日本の不動産に対する投資時期と位置づけており、GAテクノロジーズの海外展開の足掛かりとも考えられます。
GA社創業以来のヴィジョンである「世界のトップ企業を創る」第一歩ともいえるでしょう。
神居秒算の運営はこれまで東京に本社をおくNeox株式会社と上海に本社のある上海信息技術有限公司が共同運営していたもので、中国の富裕層をターゲットとした日本の投資不動産情報を発信していました。
掲載物件数は約1万2千件あり月間反響数は1千件に及ぶプラットフォームです。
今後は国内の不動産事業者への営業強化により、さらに掲載物件数を豊富にし、商品力強化を図っていくことになります。
*参考文献
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000118.000021066.html
GAテクノロジーズの最近のトピックス
2020年は不動産大手においてDX導入が活発になり、GAテクノロジーズのプロダクト導入や業務提携が実施されました。
主な不動産および関連大手企業との導入実績などは以下のとおりです。
(日付はプレスリリース発表日)
・三菱地所レジデンス「2秒でブッカク!」導入 2020.12.18
・ジャックスがリノシーXと業務提携 2020.12.11
・ハウスコム「申込受付くん」「電子契約くん」導入 2020.12.10
・サカイ引越センターがイタンジと業務提携 2020.11.26
・センチュリー21がイタンジと業務提携 2020.10.1
・三井不動産レジデンシャルリース「申込受付くん」導入 2020.9.28
・AIG損害保険、e-Net 少額短期保険、Next少額短期保険、SBI日本少額短期保険、東京海上ミレア少額短期保険、東京海上ウエスト少額短期保険がイタンジと業務提携 2020.9.24
・ピタットハウスがイタンジと業務提携 2020.8.18
2020年は新型コロナが、不動産テックを普及させる原動力になったともいえる状況です。