スター・マイカ・ホールディングスの全体の売上と利益
2020期は売上高前期比123%と伸びましたが、営業利益は前期比90.5%の結果でした。
四半期ごとの売上は1Qにおいて前年同期比マイナスとなりましたが、2Q~4Qでは前年同期比プラスとなりました。
一方営業利益率は各四半期とも前年同期比減となっています。
とくに3月~8月は積極的な販売戦略の影響により、利益率の低下があったものと思われます。
スター・マイカ・ホールディングスのセグメントごとの売上
セグメントは次の3セグメントに分かれますが、2020期はインベストメント事業を休止しています。
2. インベストメント事業
3. アドバイザリー事業
アドバイザリー事業の伸びは見られず、リノベーションマンション事業に一本化されてきたことが確認できますが、2021期も同様の傾向になると思われます。
スター・マイカ・ホールディングスの短期的な戦略
2020期は札幌営業所の支店化により、首都圏(東京本社・さいたま支店・横浜支店)、関西圏(大阪支店)、地方都市(札幌支店、仙台支店、名古屋支店、福岡支店)、と全国営業網が確立されました。
地方都市での物件供給がすすみ前期と比較すると、次のごとく地方都市のシェアが増加しました。
2020期末における保有残高については次のような割合になっていますが、地方圏では2021期前半での仕入増が望まれます。
・関西圏:21.1%
・地方圏:13.9%
しかし年末~年始にかけての新型コロナ急拡大の影響を、見きわめる必要がありそうです。
とくに愛知・福岡での商談機会の減少が懸念されます。
スター・マイカ・ホールディングスの長期的な戦略
後述するように2022年11月期までの5ヶ年経営計画を、実質的に一旦白紙とした関係から2021期予想は抑え気味な計画となっています。
・売上総利益:61.5億円(前期比103.1%)
・営業利益:29.8億円(前期比90.9%)
さらにコロナ収束までは「踊り場戦略」へとシフトし、2020期におけるリノベマンションの売買・賃貸比率を2021期も堅持する計画となっています。
下図は売買賃貸比率を2012期と直近3期そして2021期予想をグラフに表したものです。
じょじょに売買の比率を高めてきた推移がみてとれますが、2021期は売買58%賃貸42%の比率を維持し、景気に左右されないストックビジネスを重視しようとの戦略です。
2021年は新型コロナワクチンの接種が開始され収束が期待できる一面もありますが、変異株の感染拡大など予測のできない面もまだ残っており、踊り場戦略は頷けるところです。
スター・マイカ・ホールディングスの最近のトピックス
2021年1月13日、スター・マイカ・ホールディングスは、2018年11月期~2022年11月期の5ヶ年経営計画「Challenge 2022」にて策定していた2022年11月期の計数計画を取り下げると発表しました。
理由は今般の新型コロナウィルス感染症による事業環境の変化に対し、積極的な物件購入および販売用不動産の残高積上げよりも、購入・販売戸数のバランスを重視することにより、自己資金比率および手元現預金残高の維持・向上を重視することとしたものです。
2020年11月期のB/Sにおいて確認すると以下の結果です。
・販売用不動産:665億円(前期比96.5%)
2020期中の販売用不動産の増減は次の結果でした。
・販 売:1,236戸、309億円
以上のように、5ヶ年経営計画の2022年11月期計数目標は先送りとしています。
*参考文献
https://www.starmica-holdings.co.jp/wp-content/uploads/2021/01/201130keikaku.pdf