SREホールディングスの全体の売上と利益
直近3期および3Q21の売上高と営業利益は以下のとおりです。
売上高は前年同期比35%増となりました。
営業利益は「AIFLAT」の売却がなく、前年同期比14%のマイナスとなりましたが、顧客獲得が計画以上となり堅調といえるようです。
四半期ごとの実績についての評価は、データ公開が2020期2Qからのため、2021年3月期の決算発表がある2021年5月まで保留しますが、3Q21までの結果は以下のとおりです。
SREホールディングスのセグメントごとの売上
セグメントは大きく2つに区分されます。
2. 不動産事業
AI C&C事業が着実に利益を増加させていますが、不動産事業の復調が反映される4Qに期待です。
不動産事業は不動産仲介サービスの営業利益が復調し、AIFLATは3Qでは反映されていませんが、4Qに売上計上が見込まれることになり、後述するように2021年3月期の業績予想を見直すことにつながりました。
3Qにおける不動産事業の内訳は下図のとおりです。
SREホールディングスの短期的な戦略
短期戦略ではまず2021年3月期の業績予想を見直したことがあげられます。
・営業利益は8億3,100万円を41%アップし10億5,000万円
2021年1月29日には、九州シー・アンド・シーシステム(QCCS)株式会社の株式取得について基本合意し、子会社となることが決定しました。
QCCSの取得には以下のような狙いがあります。
2. QCCSが持つエンジニアリング力をSREの開発設計能力強化
3. QCCS既存商品をSREの技術導入により改善
また同時期に社長直轄組織としてDX推進室を設置し、DXニーズへの対応力強化を目指すとしています。
DX推進室長には、大手プロバイダーやベンチャー企業にて、流通向け新規クラウドサービスの企画やAIコンサルティング事業の立ち上げなど、数々の実績を上げてきた人物の招聘が決定されています。
※参考文献
https://ssl4.eir-parts.net/doc/2980/tdnet/1923922/00.pdf
SREホールディングスの長期的な戦略
SREは以下のAIソリューションを他の産業に展開していこうとしていますが、課金型のクラウドビジネスは契約の継続が収益の源です。
・優良顧客特定エンジン
・マーケティングオートメーションエンジン
・不動産担保評価エンジン
直近12ヵ月の平均月次解約率は0.5%と低い水準を維持しており、顧客満足度の高いことがわかります。
自社でおこなう不動産仲介の実務でもAIソリューションの活用がされており、不動産事業メンバーとエンジニアとの連携によるオペレーション改善が寄与しているのでしょう。
さらに不動産業以外の産業への展開戦略として、パートナー企業とのデータおよびAIアルゴリズムの共有を図り、特定業界向けのサービス開発を共同でおこなうネットワーク構築も図っていくとしています。
※参考文献
https://ssl4.eir-parts.net/doc/2980/tdnet/1923922/00.pdf
SREホールディングスの最近のトピックス
2020年12月23日、東京証券取引所第1部へ変更しました。
2019年12月19日に東京証券取引所マザーズ市場へ上場し、1年にして昇格を果たしたわけですが、東証は2022年4月に現在の4市場を再編し、プライム・スタンダード・グロースと3市場にする予定です。
それに伴い2020年11月には1部市場への昇格基準を厳格化しました。
時価総額は40億円から250億円へと、純資産額は10億円から50億円へとハードルが高くなっています。
SREの2021年1月25日時点の時価総額は659億円、純資産は74億円(2020年12月31日時点)が現在の状況です。
ちなみにマザーズ上場時の時価総額は400億円(公開価格)でした。