サンセイランディックの全体の売上と利益
直近3期と2021期1Qの売上と営業利益は以下のとおりです。
売上高・営業利益とも前年同期比を上回り、緊急事態宣言下としては順調なすべり出しとなりましたが、セグメントでわかるように2020期の売上ずれこみがありました。
サンセイランディックのセグメントごとの売上
セグメントは以下の2つに区分されます。
2. 建築事業
前リポートで注目した建築事業の売上高は前年同期比44%の2億6百万円となりました。
反面不動産販売事業は順調であり、とくに底地販売が前年通期の50%を超えましたが、要因としては前期に販売を見込んでいた物件のずれ込みが大きかったようです。
不動産販売3部門の前年同期比は以下のとおりであり、Qごとに偏りのあることがわかります。
・居抜き:65.1%
・所有権:14.6%
過去3年間と比較すると3部門の構成比にはバラツキが見られますが、ビジネスモデルの特性と言えるでしょう。
サンセイランディックの短期的な戦略
緊急事態宣言が継続するなか、不動産販売事業の案件数・仕入契約件数は上昇傾向にあり、コロナワクチンの接種が広まっていくにしたがい景況は改善すると思われます。
建築事業の受注高は前年同期比を33.1%上回り、こちらも改善の期待がもてそうですが吸収合併の過渡期である2Qの受注状況が注目されます。
サンセイランディックの長期的な戦略
7月1日に吸収合併する「One's Lifeホーム」は、住宅建築家に設計を依頼し同社は施工専門というビジネスモデルで事業をおこなっています。
提携する建築家は10名を超えリフォームを得意とする建築家もおり、いわゆるデザイナーズ系の住宅事業を展開し、連結売上比率では約1割を占める17億円が2020期の実績でした。
2020期3Qのリポートで述べたように、新規事業の開発が急がれている同社にとっては「地方都市の活性化事業」が育つまでに時間を要すると考えられます。
そこで建築事業の成長も図りたいところと考えられ、現状のデザイナーズ系を継続させるのか、あるいはカラーを一新し黒字転換と業態を大きくするような戦略をとるのか、合併後の建築事業に注目したいところです。
サンセイランディックの最近のトピックス
2021年2月12日取締役会にて決議されていた自己株式取得は、株式数20万株、取得総額2億5千万円を予定していましたが以下のとおり取得が終了しました。
・4月1日~4月20日 66,300株、58,872,400円の取得が完了
2021期1Qでの自己株式は109,142,000円計上しており、2Qでは1億7千万円ほどになり自己株式割合は約2割になると予想されます。
※参考文献
https://www.sansei-l.co.jp/wpsansei-l/wp-content/uploads/2021/04/970eba78dcaf02b461f47b1793c1cd34.pdf
https://www.sansei-l.co.jp/wpsansei-l/wp-content/uploads/2021/04/64e5fe7e642824bd263012b6d664c37c.pdf