【媒介獲得】売主の声「成約者インタビュー」で競合と差異化を!【コンテンツマーケティング】

今回は、売主に選ばれる一社になるためのポイントについて、各社が実施した「不動産仲介者の決め手」に関する調査結果をご紹介します。

各調査によれば、売主が不動産会社を選ぶ決め手として、売主のニーズに合わせて素早い対応ができることを重視している一方、売主の生活リズムを乱すようなコミュニケーションは敬遠される傾向が窺えました。

迅速性だけを意識し過ぎると、売主からの信頼感を損ないかねないことが読み取れます。

この記事では、売主が期待する不動産会社とのコミュニケーションの背景について分析しつつ、新規売主獲得、既存売主の育成(ナーチャリング)に有効だと考えられるコミュニケーションとコンテンツマーケティングについて考えてみたいと思います。

【1】37%が「担当者の対応」で不動産仲介会社を決める

データ①は、日本トレンドリサーチとタクシエ(TAQSIE)による調査「仲介業者の決め方」で、「査定の相談をする不動産仲介会社を決めたきっかけや理由」について調査した結果です。

査定の相談をする不動産仲介会社を決めたきっかけや理由,日本トレンドリサーチ,タクシエ

データ①査定の相談をする不動産仲介会社を決めたきっかけや理由(引用元:日本トレンドリサーチ、タクシエ(TAQSIE)「仲介業者の決め方」調査)

査定を依頼する不動産仲介会社の決め手として、37%の方が「担当者の対応」と回答しており、最も多い結果となりました。その具体的な内容は以下の通りです。

<「担当者の対応」そのきっかけや理由で不動産仲介会社を決めた理由は?>

  • 信頼感があると感じたから。(20代・男性)
  • とてもやる気がある人のように見えたから、すぐに売ってくれそうだと思った(40代・女性)
  • 担当者の誠実さと熱意、早く動いてくれるから(50代・男性)
  • 査定価格を迅速に出してくれたこと(60代・男性)
  • いくつか大手の会社に問い合わせたとき、対応者の中に物件について詳しく、売買動向について話してくれるのはそこの会社だけだったから依頼してみようと1社に絞った。(70代・女性)
  • 対応力がスピーディで親身になって相談に応じてくれた(70代・男性)

※引用元:日本トレンドリサーチ、タクシエ(TAQSIE)「仲介業者の決め方」調査

「早く動いてくれる」「すぐに売ってくれそう」といったスピーディーな対応に関する回答が散見されました。

「物件の買い取り価格の実績」や「物件を売る速さの実績」はもとより、迅速な「担当者の対応」が重要視されていることが分かる調査結果と言えそうです。

【2】「迅速な返信」「客観的にデメリットも伝える誠実な提案」で満足度が向上

次に、不動産情報サイト「IESHIL(イエシル)」が実施した「選ばれる不動産会社の特徴」に関するインターネット調査から、不動産会社の営業担当者の対応で「嬉しかったこと」「感心したこと」をご紹介しつつ、選ばれる不動産会社の「担当者の対応」について考えてみたいと思います。

<営業担当者の対応で、嬉しかったこと・感心したこと>

①丁寧で親身な対応:約60%
「直接は関係のない物件近隣の情報にも親身になって細かく調べていただいた」
「状況の連絡をこまめにメールでいただいた」
「不安を取り除いてくれる、話をよく聞いてくれる」

②信頼できる情報提供とプロとしての専門知識:約18%
「内見した際、こちらの気が付かないようなことやデメリットも含めて正直に教えていただける方は信頼できると感じる」
「査定額の根拠や妥当性を詳細に解説してもらった」
「物件のみならず税制やローン関係に関する知識の豊富さ」
「地域の小さな情報や歴史を知っている」

※引用元:不動産情報サイトIESHIL(イエシル)「選ばれる不動産会社の特徴」調査)

「丁寧で親身な対応」が60%となっており、次点以降を大きく引き離す結果となりました。

具体的には「直接は関係のない物件近隣の情報」「こちらの気が付かないようなこと」など、売主の目線で情報共有してくれることを評価する傾向にあるようです。

売主のニーズに寄り添い、不動産売却の伴走者として寄り添ってくれる姿勢が評価を高めるポイントとなっているようです。

【3】不動産会社との 連絡手段は「メール」が最多。22.4%が「電話」の利用を避けたい

データ②と③は、不動産情報サイト「IESHIL(イエシル)」が実施した「選ばれる不動産会社の特徴」に関するインターネット調査から、不動産会社の営業担当者とのコミュニケーションツールで、「メインで使用したいツール」「できれば利用を避けたいツール」について調査した結果です。

不動産会社の営業担当者とのコミュニケーションツールで、メインで使用したいツール,不動産情報サイトIESHIL

データ②不動産会社の営業担当者とのコミュニケーションツールで、メインで使用したいツール(引用元:不動産情報サイトIESHIL(イエシル)「選ばれる不動産会社の特徴」調査)

不動産会社の営業担当者とのコミュニケーションツールで、できれば利用を避けたいツール,不動産情報サイトIESHIL

データ③不動産会社の営業担当者とのコミュニケーションツールで、できれば利用を避けたいツール(引用元:不動産情報サイトIESHIL(イエシル)「選ばれる不動産会社の特徴」調査)

使用したいコミュニケーションツールで最も多い回答は「メール」で43.1%となり、次点の「対面でやりとり」の18.1%とダブルスコア以上の差となりました。

できれば利用を避けたいツールでは、「特にない」と回答した方が39.9%で最多となり、「電話」が22.4%、次いで「ビデオ通話」が14.9%で続く結果となっています。

【1】で取り上げた調査ではスピーディーな対応が評価されていましたが、迅速に回答できる「電話」でのコミュニケーションはあまり好ましく思われていないようです。

「スピーディーさは欲しい」ものの「生活のペースは乱されたくない」という気持ちが表れているように読み取れます。

【4】まとめ

今回の調査結果からポイントを以下にまとめます。

①「早く動いてくれる」「すぐに売ってくれそう」といった営業担当者のスピーディーな対応に対する評価が高い

②「直接は関係のない物件近隣の情報」「こちらの気が付かないようなこと」など、売主の目線で情報共有してくれる「不動産売却の伴走者」としての対応を求めている

③比較的迅速・スピーディーに回答できる「電話」でのコミュニケーションはあまり望まれていない

不動産売却の伴走者として、売主に寄り添った対応ができることは、すでに自社の情報発信で消費者への訴求を行っていると思いますが、競合他社も同様の訴求を少なからず行っており、差異化が難しいのが現状です。

そのため、不動産/住宅系の成約者(買主/売主)様に自らの売却(購入)体験をお話いただくインタビューコンテンツの作成を通じて、差異化を図りたいとお考えになる不動産会社様やハウスメーカー様が増加する傾向にあります。

その理由として、不動産/住宅の購入・売却にあたっては、成約者様それぞれにオリジナルのストーリーがあること、その文脈の中で貴社の強みを第三者目線で客観的に訴求できることがなどが挙げられます。

競合との差異化はもとより、SEO視点で見ても強いコンテンツであることが評価されています。

また、当方が受注したお客様の中には、インタビュー内容を「お客様の声」として自社内の営業研修などに活用されているケースもあり、幅広い用途で利活用できることも利用が広がっている一因となっています。

インタビュー記事作成のポイント

インタビューはヒアリングと混同(もしくは同一視)されがちですが、ヒアリングは相手の要望や考え・狙いなどを引き出すことを目的に行うものです。

実施前の時点で双方のゴールイメージが一致していないことが一般的で、コミュニケーションを通じて、一致点を探っていく試みと言えます。

一方のインタビューは、その人でないと分からない独自の経験・体験といった「希少性のある特別な情報を入手すること」が目的となります。

初対面の人から話を引き出し、そのポイントを文章に落とし込んでいきながら、クライアントの訴求ポイントも押し出していかなければなりませんので、その作業は難しいものになりがちです。

インタビューシートを作成して記事の落としどころを考え、クライアントや取材対象と一定程度合意した上でインタビューを進めて行くことが成否を分けるポイントになります。

これらを踏まえ、当方が売主様や買主様にインタビューさせていただいた経験を通じて心がけているポイントを二つご紹介します。

① 質問のフォーカスポイントに注意する

話し手に質問する際、質問が具体的すぎるとその後の展開の幅を狭めてしまうことになり、インタビューが行き詰ってしまいがちです。

一方、抽象的すぎても話し手が答えづらくなり、話し手・聞き手の双方にとって次の展開が見通しづらくなってしまいます。

具体的すぎる質問例:〇〇社での不動産売却において、担当の××さんの接客は売主様のニーズに寄り添ったものでしたか?
抽象的すぎる質問例:〇〇社での不動産売却はいかがでしたか?

前者であれば「はい/いいえ」の回答しか引き出せず、そこで話が終わってしまいます。

後者は、〇〇社の不動産売却の何を話せばよいのか(インタビューアが何を聞きたいのか)が分かりづらく、「良かった/悪かった」といった抽象的な回答しか得られません。

場合によっては、あえて抽象的・具体的に質問するケースもありますが、原則は5W2Hに沿って時系列や商流に合わせて順序立てて質問していくと、話し手も整理しながら話すことができ、インタビューの主旨に沿った話を引き出しやすくなります。

②回答を想像して設問を用意する

質問を準備する際、相手に「どのように答えてもらえるか」までを想定して質問を検討することが重要です。

例えば、〇〇社への売却委任を決めた一番の決め手は何ですか?という質問であれば、「担当者との相性」「査定額」「過去に取引した経験がある」などの回答が想定されます。

想定される回答から次の展開を想定することを繰り返していくことで、インタビュー記事の着地点、例えば「迅速・スピーディーな対応」「不動産売却の伴走者としての対応」などに寄せていくことができるはずです。

最後に、「成約者インタビュー」を貴社の従業員(特にそのお客様を担当した営業担当)の方が実施した場合、話し手が本音を出しづらくなってしまうことが一般的です。

また、自社で記事を作成すると、自社訴求の色が濃い主観的なものになってしまいがちなことにも注意が必要です。

その一方、外部ライターに発注した場合、不動産流通や業界動向などについての知見が足らず、表面的な内容の記事になってしまうことも少なくありません。

専門性の高いライターや編集者への発注を通じて、第三者による客観的な目線での情報発信が、インタビューコンテンツによるマーケティングのポイントと言えるでしょう。

参照データ①:仲介業者の決め方に関するアンケート(引用元「日本トレンドリサーチとタクシエ(TAQSIE)による調査」)

・「日本トレンドリサーチ」の該当記事(https://trend-research.jp/21202/)
・タクシエ(TAQSIE)(https://www.mecyes.co.jp/taqsie/

参照データ②:不動産会社選びのカギは「対応の早さ」と「デメリットも伝える誠実さ」|売却・購入経験者に聞いた 2024年最新アンケート結果(情報サイト「IESHIL(イエシル)」調べ)

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