カチタスの全体の売上と利益
直近3期の売上高と営業利益は以下のとおりです。
売上高は前期比108.6%、営業利益は前期比112.1%と安定成長となりました。
四半期ごとの業績においても指摘するべき変化はありません。コロナ禍にあっても安定した経営状態と言えそうです。
カチタスのセグメントごとの売上
カチタスは買取再販事業を専業としており事業セグメントはありません。
マーケットの異なるカチタス本体とリプライスそれぞれの販売件数と、平均単価は以下のとおりです。
販売件数・平均単価とも安定した成長といえますが、新卒採用を中心とした採用活動の継続も功を奏しています。新卒採用の営業員は2年目には2倍近い生産性をあげるようになり、新人トレーニングの成果が表れていると言えそうです。
カチタスの短期的な戦略
前リポートで触れたように4Qは前年同期比115.3%と大きく伸び、新型コロナの影響がでてきた1Qの前年同期比82.6%から右肩上がりの回復をみせました。
しかしながら2022期首仕入状況としては不足気味であり、引きつづき仕入重視を営業戦略とするとしています。
一方売上高は2022期、6%ほどの成長を予想しており、協力工務店の強化は欠かせません。2021期末時点までの協力工務店数推移は以下のとおりです。
カチタスの長期的な戦略
長期的な視点からはこのリポートではカチタスの「社員力」について着目します。
株式会社マイナビと日本経済新聞社が共同で実施した「2022年卒版就職企業人気ランキング」で、東京を除く関東甲信越に本社のある企業の13位にランキングされました。
カチタスの上位には、オリエンタルランド、イオングループ、富士通、ミリアルリゾートホテル、日産自動車などがランキングされています。
2021年5月28日現在、リクナビ22のデータによるとカチタス2022年採用人数51~100名に対し、プレエントリー候補リストに登録した人数は2208名と、競争率は43~22倍と人気企業であることがわかります。
人気企業になっている要因としては「住宅を再生する」という仕事の魅力や、待遇面および福利厚生面が評価された結果と考えられます。
しかしながら成長する企業には「離職率が高い」という傾向があり、同社もけっして低い離職率ではないようです。
客観的なデータとして確認できるものはありませんが、ネット上の口コミ情報などからは、全国に100を超える店舗網の中には「やすらぎ」時代からの古い慣習が残る店舗もあるらしく、現場の末端まで経営理念や思想が浸透していない面が想像できます。
2013年に「やすらぎ」から現社名に変更した時点で、経営陣も一新されておりカチタスは生まれ変わりました。
しかしながら事業の最前線にはさまざまな現場なりの事情があると考えられ、時代の変化や働き方の変化などにより少しずつ改善されていくものと思います。
*参考文献
https://home.katitas.jp/contents/code/info/id/47
カチタスの最近のトピックス
2021年5月24日、販売戸数が累計で6万戸に達したと発表しました。
住宅再生事業を開始して1万戸達成までに8年、そのご5万戸達成までには12年かかっています。そして約28か月で1万戸の販売をおこない2021年4月で6万戸達成したのでした。
昨年度は9割が一戸建て住宅であり、三大都市圏以外の地域が8割を占めるという、地域活性に役立っているとも言えそうです。