ハウスコムの全体の売上と利益
直近3期および2022期1Qの営業収益と営業利益は以下のとおりです。
営業収益が1Qとしては過去最高となりました。
前期取得の(株)宅都の寄与も大きく、経営環境は持ち直しの傾向にあります。
今期より新しい収益認識会計基準の適用により、営業利益が従来の会計基準より約2,300万円少なく表示されていますが、前年同期比では大幅に改善されています。
ハウスコムのセグメントごとの売上
セグメントは2021期に変更しており、変更後のセグメントは以下のとおりです。
2. 施工関連事業
改めたセグメント別営業収益と営業利益を四半期ごとに表示します。
セグメント利益合計から全社費用を調整するため、営業利益合計とは一致していませんので注意して見る必要があります。
後述するように今後5年間でリフォーム事業の割合を15%に高める計画であり、施工関連事業セグメントの推移に注目しなければなりません。
ハウスコムの短期的な戦略
2022期1Qの実績は2022期予想の仮定を大きく上回りました。
2021期決算報告における2022期予想の策定では、1年間の仲介件数を前期比3.4%増としていましたが、4~6月の3か月間の仲介件数実績は3,244件増(22.9%増)となっています。
前年同期は新型コロナ感染症の拡大による第1回の緊急事態宣言下にありました。
今期は第3回の緊急事態宣言下でありましたが、社会経済活動が持ち直したことにより転居需要の回復が見られました。
しかしながら現下は首都圏をはじめ全国的に『これまでに経験したことのない感染拡大』状況にあり、今後の見とおしには不透明感があります。
2Qがどのように推移するか注目されます。
※参考文献
https://contents.xj-storage.jp/xcontents/32750/cd84385d/1555/43ba/8b1c/1f360caded18/20210729104325490s.pdf
ハウスコムの長期的な戦略
5月21日、中期経営計画の見直しと新成長戦略についての発表がありました。
中期計画は2019年4月26日付けで2020年3月期~2022年3月期の数値目標を発表していました。
しかしながら2022年3月期の店舗数はすでに目標を達成しており、営業収益は上振れすることが予想されます。
そこで今般2021年3月期を起点とした5年計画を策定したものです。
重点施策として4つのポイントを掲げました。
2. 既存事業分野の競争力強化
3. 店舗数増加と規模拡大
4. グループ経営を前進させる内部体制強化
営業収益が122億円であった2021期から5年後には、新規事業を拡大し売上に占める割合を15%とすること、例としてはリフォーム事業で15億円を目指しています。
さらにこれまで不動産テックに積極的に取り組んできた実績があり、5年後を目指した「アフターデジタル」における将来像を次のように捉え
2. 「体験」が軸になる
3. データを制する者が未来を制す
『エッセンシャルワーカーとしての立場からライフスタイルをまるごとデザインする企業』を目指すとしています。
※参考文献
https://contents.xj-storage.jp/xcontents/32750/cd84385d/1555/43ba/8b1c/1f360caded18/20210729104325490s.pdf
ハウスコムの最近のトピックス
2021年6月21日ハウスコムは2022年3月期の経営計画「Darwin05」を発表しました。
中期経営計画にて「ライフスタイルをまるごとデザインする企業」を目指しており、今年度の課題を「ダーウィンの海を生き抜く」としています。
不動産業界は現在DXの真っただ中にあり、大きな変化が起きています。
さらに新型コロナウィルス感染症拡大により、ライフスタイルの変化も生じています。
このような経営環境を「ダーウィンの海」と捉えることにより、次の5つのこだわりを発表しました。
2. 事業成長へのこだわり~ビジネスモデルの変革~
3. 店舗のこだわり~街のマイスターとして顧客を知り、地域を知り、信頼を得てDX化を進める
4. 顧客の成功~カスタマーサクセス~
5. ステークホルダーへのこだわり
この発表はオンライン配信でおこなわれ、全社員が共有したとリリースされています。
※参考文献
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000123.000029713.html