レオパレス21の売上・戦略は?2022-1Q

レオパレス21の全体の売上と利益

直近3期および2022期1Qの売上高と営業利益は以下のとおりです。

レオパレス21,売上

入居率の大幅改善は見られませんが、売上高は2022期予想に対する進捗率が24.86%であり順調と言えるでしょう。

レオパレス21,売上

レオパレス21,売上

営業利益はマイナスながら赤字幅は縮小しており、販管費削減などの効果が表れています。

レオパレス21のセグメントごとの売上

セグメントは「賃貸事業」「シルバー事業」「その他」となっていますが、コア事業の賃貸事業にシフトしている様子がはっきりと表れています。

レオパレス21,売上

レオパレス21の短期的な戦略

レオパレス21の契約者は法人契約が多く、新型コロナウイルス感染症による影響を強く受けると見られますが、2019期以降の四半期ごとの法人契約比率を確認してみます。

レオパレス21,売上

法人・個人・学生すべてにおいて減少傾向がみられ、1Q19から1Q22での減少率は 学生>法人>個人 となり、法人の減少率は全体の減少率とほぼ同様となっています。
法人契約について1Q19を100%とした四半期ごとの減少率を確認したのが下図です。

レオパレス21,売上

法人契約の減少率は3Q21を底にして上昇傾向がみられ、今後の企業活動に期待し入居率の向上に注目したいところです。

※参考文献
https://www.leopalace21.co.jp/ir/library/pdf/2022/1Q/daiichi_ppt.pdf

レオパレス21の長期的な戦略

債務超過は2021期末の約84億円からさらに進み約123億円となりました。
2023年3月期には債務超過解消が至上命題であり、経営重点項目は次の2つとしています。

1. 抜本的構造改革の継続
2. 入居率の向上

具体的にはすでに着手している不採算事業からの撤退や販管費の削減に加え、賃貸事業の原価抑制や収益構造の改革・改善を目指すとしています。
入居率の向上は法人客増加に向けて個社単位での営業戦略と、仲介業者との関係強化を図るとしています。
新型コロナ感染症第5波の猛威が全国的に広がるなか、強い行動制限を求める声もあり入居率の向上は不透明な状況がつづくとみられます。

※参考文献
https://www.leopalace21.co.jp/corporate/message.html

レオパレス21の最近のトピックス

施工不備問題についてはアパートオーナーからの訴訟が相次いでいるなか、これまでに改修完了したのは48,633戸であり、未調査を含む要改修戸数は165,383戸とカウントされ改修完了進捗率は22.7%となっています。
今後の改修スケジュールは当初予定の変更はなく、2024年末までに不備の解消をするとしています。
入居率の向上は施工不備の改修進捗率とも関係があり、債務超過の解消とともに課題を抱えた経営がつづきそうです。
施行不備問題については再発防止策を掲げていました。すでに実施した項目は44あり現在は以下の6項目について実施中となっています。

1. 顧客本位の企業風土醸成
2. 内部通報受付窓口担当者育成
3. 内部通報制度に関する認証制度導入
4. コンプライアンス委員会の運営方法見直し
5. コンプライアンス担当者制度見直し
6. クレーム対応マニュアル整備

経営を揺るがすほどの不祥事となった施工不備問題、再発防止策の効果は本当にあるのか注目しなければなりません。

※参考文献
https://www.leopalace21.co.jp/ir/library/pdf/2022/1Q/daiichi_ppt.pdf

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