こんにちは。
工務店マーケティング支援会社 株式会社SHO-SANの高谷です。
これまで「工務店のポータルサイトの使い方」として、「掲載前」「掲載中」のことをお伝えしてきましたが、今回は資料請求を活かす方法についてお話していきたいと思います。
ポータルサイトの活用によって得られる効果は、第二回でお話させていただいた通り、資料請求の数を増やすことだけではありません。
ただ資料請求の数は、やはり目に見える効果が期待しやすいもの。
連載ラストの今回は、ポータルサイト掲載によって増加した資料請求を活かすための3つの方法をお伝えいたします。
1.送付資料の工夫
資料請求があれば当然ながら顧客に資料を送付しますが、さて、この資料の工夫はされていますか?
第二回の連載でも、ポータルサイトのファーストインプレッションは他社との差別化が必要だとお話しましたが、送付資料についても同様のことが言えます。
私がこれまで見た送付資料の一例を挙げてみますと、香り付きの資料であったり無垢材の木くずを入れてみたり。
見やすい・伝わりやすい資料にすることはもちろん重要ですが、他社と変わったことをすることで目を引き、印象付けることで、資料請求からの来場や歩留まりの効果が期待できるはずです。
2.追客する
工務店領域の顧客の多くは、資料請求してすぐに工務店を1つに絞るわけではありません。
よって、顧客が決定段階に至るまで追客し、選択肢の内の1社であり続けることがなにより大切になるでしょう。
追客には、「スピード感」と「継続性」が求められます。追客は「営業職」の方が担っている工務店さんが多いと思いますが、1つの提案として「インサイドセールス」特化の人材を確保することを考えてみてはいかがでしょうか。
つまり、「商談をする営業職」と「来店させるまでに命をかけるインサイドセールス」の分業ということです。
インサイドセールスは、外注を視野に入れてみるのも良いと思います。
工務店ではなかなか行っているところが少ないですが、近年では営業活動効率の向上のためインサイドセールス特化の部門や人材を導入する企業は少なくありません。
仮に、月50万円の営業職5名が各々20%の労力をインサイドセールスに取られていたとしましょう。
50万円の20%×5名ですから、コストは50万円です。
その一方で、例えばインサイドセールスに特化した人を月25万円で外注した場合、コストは半分にまで低下します。
もちろん全体的なコストは「+25万円」となるわけですが、これまで営業職が割いていた20%の労力を商談に充て、1件でも2件でも成約が増えるとすれば費用対効果は高まったと言えるはずです。
また「5人で各20%の労力」で100%とする状況より、「1人が100%で注力」した方がPDCAは回りやすくなります。
PDCAとは、計画(Plan)・実行(Do)・検証(Check)・改善(Action)。
「追客して来場させる」、この部分だけの“濃い”PDCAを“好循環”させることで、結果的に来場や歩留まりが上がると考えられるということですね。
例えば、料理評論家が和洋折衷どんな料理でも評論するよりは、和食の匠・洋食の匠それぞれが自分の専門性を最も活かせる料理を評論した方がその質は上がるはずです。
営業の中でも「インサイドセールス」と「接客・商談」を分業することで、それぞれの業務の効率化が見込めるため、工務店の集客スタイルとしてはおすすめかもしれません。
3.「マーケティングオートメーション」も効果的
営業の「分業」と共に、「自動化」についても検討されてみると良いでしょう。
いわゆる「マーケティングオートメーション(=MA)」と言われるものですね。
工務店領域では、追客をある程度の期間、継続することが大切です。
その全てを、アナログの手法で行い続けることは難しいでしょう。
すでに取り入れられている工務店さんも多いでしょうが、メールマガジンを定期的に送付する(ステップメール)ことがMAの主流ともいえるやり方です。
そしてSNSもまた、効果的なMAになり得ます。
LINE、Instagram、Facebook、YouTubeなどの媒体は、友達登録・チャンネル登録をしてもらえれば、自動的かつ継続的に追客したい顧客の目に自社の情報を触れさせられます。
中長期的なアプローチをいかに工数かけずにできるかを考え、集客の「分業」及び「自動化」を考えてみてはいかがでしょうか。
ここまで全三回にわたり、工務店の効果的なポータルサイトの使い方をお伝えしてきました。
ポイントをまとめると、「ポータルサイトに掲載したからといって、必ずしも期待値を超える集客効果が得られるわけではない」ということを念頭に置くことが大切です。
掲載前の下準備をしっかり行い、掲載中には効果を測るために着目すべき点に着目する。
そして効果を最大化するために、ポータルサイト掲載以外の集客戦略の体制を整える。
これらの掛け算により、ポータルサイトを最大限活かした集客戦略が確立できるはずです。
それでは、工務店領域のマーケティング機能の発展を祈って。
株式会社SHO-SAN
代表取締役 高谷一起