リースバックは売却検討者の集客に有効か!?

今回はリースバックの提供が不動産売却を検討しているユーザーに対して効果的な集客になるのかについてご紹介します。

この記事では

・リースバックとは
・リバースモーゲージとは
・リースバックは集客に効果的か

についてまとめていきます。

リースバックとは

リースバックとは、家の持ち主が「今住んでいる自宅を一度不動産会社や不動産投資家に売却して、そのまま借りて住み続ける」ことです。
つまり、自宅を売却した後は買主(不動産会社や不動産投資家など)が大家となり、お客様は売却することによって資金ができるので、それを元出に大家に家賃を支払って住み続けることができるという仕組みです。

リースバック

従来は法人向けのサービスとして一部活用される場面もありましたが、最近になって一般個人のお客様を対象にサービスを提供する企業が出てきたためここ数年で知名度が上がり、注目され始めたサービスです。
不動産の「売却」と「賃貸」を組み合わせた一般的な不動産の取引が基本のシンプルな仕組みですが、住宅ローンの返済が困難になった場合でも、一度売却して資金を得ることでそのまま住み続けることができるという点が画期的です。

リバースモーゲージとは

リースバックに似たようなサービスにリバースモーゲージというものがあります。
リースバックの本質は「売却」ですが、リバースモーゲージの本質は「融資」というところが大きな違いです。
リバースモーゲージは自宅を担保として金融機関等に提供し、担保の資産価値に応じて設定される「融資上限額」まで定期的に、もしくは随時に金融機関等から融資を受けることができるサービスです。
そして一般的には、所有者の死後に土地建物を売却して一括返済に充てる形となります。

リバースモーゲージ

ただし、資金使途として認められるものは以下の6つに限定されています。

1. 自身の住宅の建て替えや住み替えの資金
2. 子世帯が建設や購入する住宅資金
3. 住宅のリフォーム
4. サービス付き高齢者向け住宅の入居一時金
5. 住宅ローンの借り換え
6. 「リ・バース60」※の相続債務を完済すための相続人の借入

※「リ・バース60」・・・満60歳以上が利用できる住宅金融支援機構と提携している民間金融機関が提供する住宅ローン

ここまでのことを踏まえ、リースバックとリバースモーゲージの違いをまとめると

リースバック リバースモーゲージ
仕組み 不動産売却後、資金を得てそのまま賃貸として住み続ける 不動産を担保にし、融資を受ける
担当者 不動産会社、不動産投資家 金融機関
借入の有無 なし あり
所有権移転 する しない
担保の設定 しない する
年齢制限 なし あり(55歳~80歳)
ポイント ・売却して賃借に切り替える

・適用条件に幅があり、活用しやすい

・最終的には売却が前提

・適用条件に制限があり、活用しにくい

リースバックは自宅を売却後そのまま賃貸借する不動産取引です。
担保の設定や借入は無く、所有権は移転します。
資金の使途に制約がなく活用しやすいという特徴があります。

リバースモーゲージは自宅を担保として提供し融資を受ける金融サービスです。
所有権は移転しませんが、自宅の担保としての提供し借入する仕組みです。
資金の使途に制限があります。

リースバックは集客に効果的か

リースバックとリバースモーゲージは混同されやすいですが、上のまとめからも分かるように不動産事業者が扱えるのは「リースバック」のみです。

リースバック需要の増加

比較的新しいサービスであることや、そもそもリースバックを利用できる人が限定されているため、利用者の割合はまだ小さいものの、2019年から2020年にかけては1.5倍の増加を見せており、年々人気が高まっていることが伺えます。
今後は高齢化の進行によって、老後の資金需要は増えると予測されることから、自宅を活用して資金調達できるリースバックのニーズはさらに高まっていくと考えられます。

引用元)株式会社セイビー 「不動産リースバック」利用者に関する総合調査2020年度の調査結果を発表
https://xn--pckta4a1c6gme.net/data/houseleaseback-research-2020/

リースバックのメリット

リースバックのメリットはサービスを利用できる不動産の幅が広いことです。
個人が所有している戸建やマンションの部屋(区分)での活用が可能なだけではなく、法人で所有している工場や事務所、駐車場や一棟ビルなど、幅広い不動産でサービスを活用できます。
また売却で得た資金の用途に制約がないため、住宅ローンの残債を返済、ご家族の学費、相続税の納税資金、リフォームの資金、事業の運転資金等、ご希望の用途に活用できることも大きなメリットです。
この辺りのメリットをきちんと分かりやすくお客様に伝えることができれば、集客に繋がる可能性が高いのではないかと思います。

リースバックがおすすめな人

上記のメリットも踏まえ、リースバック活用がおすすめな人は以下のような人たちです。

・自宅を手放したくない人
・子どもの学区を移したくない人
・住み慣れた自宅から引っ越しをしたくない人
・住宅ローンを早めに完済し、お金を気にせずに老後を送りたい人
・老後の生活費が年金だけでは足りない人
・子どもに財産をしっかりと残しておきたい人
・急な病気で医療費が増え、生活費が足りない人
・自宅を売却してお金はほしいが、近所の評判が気になる人
・金融機関からの借入債務・返済の負担を減らしたい人
・これまで滞納していた税金を一括で支払いたい人
・独身なので、早めに資産を整理したい人
・リバースモーゲージの利用条件が合わなかった人

また、下のグラフを見ると、利用者の目的として最も多いのは住宅ローンの早期返済だということが分かります。

リースバック,資金使途

引用元)株式会社セイビー 「不動産リースバック」利用者に関する総合調査2020年度の調査結果を発表
https://xn--pckta4a1c6gme.net/data/houseleaseback-research-2020/

リースバックサービスを始める前に注意しておくべきこと

ここまでリースバックはリバースモーゲージよりも制限も少なく、仕組みもシンプルだといい面をお伝えしてきましたが、それでも一般のお客様からすれば不明な点や理解し難い部分も多いのは事実です。
不動産業者とお客様の間の知識格差によって、理解が困難な不利益条項を原因として、その利用率の増加に比例しトラブルも増加しています。
リースバックに関してのトラブルは独立行政法人国民生活センターに寄せられるケースが多く、2021年6月24日に「高齢者の自宅売却トラブルに注意」というタイトルで注意喚起文章が報道発表されています。

リースバック,高齢者の自宅売却トラブル

参照:独立行政法人国民生活センター
https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20210624_1.html

リースバック契約の失敗事例とし挙げられるのは

・家賃を上げられた/家賃が払えない
・勝手に売却された
・家の買い戻しの金額が高い
・修繕費の負担で揉めた
・相続人と揉めた
・定期借家契約で契約して、再契約を断られた
・買取額が適正額を大きく下回った
・リースバック契約ができなかった
・自宅の買い戻しに応じてもらえなかった
・物件を売却した不動産会社が倒産してしまった
・高額な諸費用を請求された

このようなトラブルです。

失敗事例が不動産業者が悪意を持って行われたのか、単にお客様の思い込みや理解不足なのかは判断することは難しいのですが、リースバック契約自体は本来正しく活用すれば双方がWin-Winの関係になれる画期的なサービスなので、サービスを検討される場合はぜひ下記のポイントは、確実に抑えておくことをおすすめします。

・契約内容については、都度理解状況を確認し慎重におこなう
・賃貸借契約「普通貸家」「定期貸家」を正しく説明する。
・近隣相場の提示と、リースバックによる買取額の意味合いの違いを説明する。
・買戻条件等についても充分に理解させる。
・経年変化による設備の不具合などの取り決めを怠らない。
・高齢者などの場合には入念に理解度を確認すると同時に、予め判断能力の低下状況や単独での法律行為が可能か確認する。

せっかく良かれと思って提案して契約まで至ったのに、後から上記のようなトラブルに陥り、自分もお客様も心身ともに疲弊してしまうことを避けるためにも、この辺りは注意が必要です。

まとめ

最後の章でリースバックサービスの提供注意点を述べましたが、正しく活用すれば自社にもお客様にもメリットのある画期的なサービスです。
「老後資金を確保したい」「住宅ローンの返済負担を減らしたい」といったニーズは高齢化や年金問題が進む中で、このリースバックの需要は伸びていくと考えられます。
よって、今後の需要を見越した上でリースバックというサービスの展開は集客にも効果があると言えるでしょう。

トラブルになるような事例を事前に把握し、説明方法などに漏れ落ちがないかなどを常に確認することを念頭に置き、健全なビジネスの成長に役立てましょう。

※今回記事に記載ししてある「リースバック」や「リバースモーゲージ」の特徴は一般的なものであり、提供する各社によって条件が異なるため、サービスとして検討する際は詳細をご確認ください。

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