ハウスコムの全体の売上と利益
直近3期と2022期の営業収益と営業利益は以下のとおりです。
営業収益が142億600万円、営業利益は4億1,800万円と増収増益となりましたが、2022期計画には至っていません。
大阪におけるコロナ禍の影響により、株式会社宅都の業績が4Qにおいて伸びなかったのが原因です。
2022期計画に対しては営業収益で97.47%、営業利益で84.78%の結果となりました。
ハウスコムは粗利益率の高いビジネスモデルであり、営業収益の減少は営業利益の減少に直結します。
そのためわずかな営業収益のダウンが、営業利益を大きく落ち込ませる原因となっています。
四半期ごとの業績には2Qと3Qでの、デルタ株とオミクロン株蔓延による影響がでています。
ハウスコムのセグメントごとの売上
セグメントは以下のとおりです。
2. 施工関連事業
セグメントは不動産関連事業が主要事業であることに変わりありません。
ハウスコムの短期的な戦略
2022年3月24日にまん延防止等重点措置が全面解除され、コロナ禍は新たなフェーズに入りました。
医療体制の変化に対応しながらも経済を回すという流れに変わり外国人労働者の入国が再開、様子見だった部屋探し需要も回復が見込まれ、大学においても対面授業が再開され学生・単身者を中心とした1人暮らし需要の回復も期待できます。
2023期は営業収益が3.7%増の147億3,500万円、営業利益は6.9%増の4億4,700万円としています。
※参考文献
https://ssl4.eir-parts.net/doc/3275/tdnet/2113261/00.pdf
ハウスコムの長期的な戦略
長期的な成長戦略として2030年までの数値目標について前リポートで触れましたが、より具体的な戦略を2022期決算説明書にて公表しています。
既存事業の店舗数増加による規模の拡大に関しては、現在ハウスコム店舗のないエリアを中心に新規店舗を出店し、経営者が高齢化している仲介会社については廃業を防ぐ手段としてM&Aを実施していきます。
既存事業の競争力強化としては、部屋探しをする顧客の属性や検索履歴、成約事例、居住歴のある物件への評価にもとづき、より個別的な物件検索が可能なプラットフォームの構築を目指します。
※参考文献
https://ssl4.eir-parts.net/doc/3275/tdnet/2113261/00.pdf
ハウスコムの最近のトピックス
2022年3月25日の取締役会にて「持株会社体制」への移行について検討を開始することを決議しました。
移行方法としてはハウスコム株式会社を事業会社と持株会社に分離し、持株会社の傘下に分離した事業会社と、不動産関連事業の株式会社宅都、同じく不動産関連事業のハウスコムテクノロジーズ株式会社、そして施工関連事業のエスケイビル建材株式会社を配置することになります。
※参考文献
https://ssl4.eir-parts.net/doc/3275/tdnet/2099170/00.pdf