入社2年目のある優秀な中途入社社員とZOOM面談をしてみてわかったこと

関東地方に本社があるパワービルダーの営業マンとZOOM面談をしました。

S君とでもしておきましょう。

彼は入社して1年半程度しか経っていないのですが、成績は極めて優秀ですでに他営業マンが参考にする要素を多分に持っていたのです。

しかし、S君は新卒入社ではなく中途入社の28歳。

この話自体に何の違和感も驚きもないと思います。

しかし、S君はこの会社に入社する前に自宅をこの会社で建築したのです。

稀にあるパターンですが、自分が家を建てた会社に営業マンとして入社したのです。

この23年間でこれと同じケースの営業マンに3人で会いましたが、今回のコラムはこのS君を解剖していきます。

「自宅をこの会社で建てたのですが惚れたんですよ!」

まさにストレートなご意見ですが「この建物はいいな~」くらいでそこに転職までしようとは普通は考えません。

まずはSさんがほれ込んだポイントを書いていきましょう。

①冬の温かさに感激
②営業マンの真摯な態度
③奥さんの喜ぶ姿
④満足度が高い会社とのネット記事が出た

おおむねこの4点がほれ込んだ理由とのこと。

それまで勤めていた会社への不満があったのも原因ではありますが、住宅営業という仕事のすばらしさに気づき、自分がその幸福感を与える側に回りたいと強く感じるようになったそうです。

S君が成績好調な理由を顧客取材から探ってみる

S君が契約したお客さんを私がZOOM取材しました

S君本人とZOOMで話した直後ですが、実は彼が契約したお客さんをZOOMで取材しました。

そこでのやり取りからS君の好調な成績の理由がわかってきたのです。

①「Sさんは会社を心の底から好きであることが伝わってきました」

この言葉が極めて印象的でしたね。

取材にはご主人と奥さん二人で応じてくれたのですが、夫婦そろってこのことを指摘したのです。

なにかのタイミングでS君が切り出したらしいのですが、とにかく自分がこの会社へ転職した経緯と転職してますます会社が好きになったことを熱く語っていたとのこと。

自社に対する愛を述べることは意外なキラートークになる

筆者が新入社員の時のこと。

6月だったのですがいつもは厳しい上司から「たまには定時に上がって気分転換に車でも見に行こうか?」と返答に困ることをいきなり切り出されました。

展示場から20分ほど走って着いたところはユーノス(今な存在しませんがマツダ系の販売ブランド)の販売店。

到着するとすぐにユーノスの営業マンが私に挨拶をしてきました。

営業「森様ですね。お待ちしておりました」
私 「はい、どうも・・・」
営業「こちらがスリーローターのユーノスコスモです」
私 「あ、そうですか・・・」
上司「いい車だろ? これ買えよ」

おいおいとはこのこと(笑)

値段は聞いてびっくり400万円。

こんな高い車を新卒の営業マンが買うのはあまりにも無謀。

さすがにノラリクラリとごまかしていたのですが、埒があかないと踏んだ営業マンが上司を連れてきました。

地域の統括部長をしていた50代の部長は髭を蓄えた、雑居ビルの地下にあるバーのマスターのような雰囲気の人。

部長「今日はようこそお越しくださいました」
私 「はい、でもさすがにこの車は高いですね」
部長「おっしゃる通りです。たしかに高い車ですが・・・ただね、この車は本当にいい車なんですよ。そもそもはこのロータリーエンジンを開発したマツダという会社に私は惚れこみましてね・・・」

こんな感じで“マツダ愛”“ロータリーエンジン愛”を語り始めたのです。

細かいやり取りは覚えていませんが「いいこと言うな~」という感覚だけは今でもはっきり覚えています。

商品の説明ではなく、自分がどれだけその商品や会社を好きなのかを話しているのに、客としては悪い気はせずに感銘さえ覚えてしまうのです。

つまり、住宅営業でもこれは同じこと。

自分が所属する住宅会社をどれだけ好きかという気持ちを、押しつけはいけませんがそれをお客さんに伝えることが販売促進の一環となるということなのです。

余談ですがこの時この車を買ってしまいました(笑)

ネットで【ユーノスコスモ13b】と検索してください。

この時の車が出てきますが、結局その場で契約をして購入してしまいました。

でも、新卒が400万円もの車を買えるわけありませんね。

そのとき上司から「財布を見せろよ・・・1万円あるな。これ頭金でいけ」という今では社会問題になりそうな業務命令で契約するに至ったのでした。

これで尻に火が付いた私はどうなったか?

はい、売りましたよ。

家を売ったという意味です。

売れば歩合がしっかり入ってきますから、それでローンを返済していったのです。

毎月4万円、ボーナス25万円。

これを4年間です。

きつかったな・・・

②「Sさんは自分が出したプランに自信を持っていましたよ」

これも大事ですね。

皆さんもプラン提案をするときに、当然自信をもって出しているはずですが、果たしてみんながそうしているのかは怪しいと推測しています。

お客さんにちょっとダメ出しをされると「修正してきますね」と簡単に帰ってしまうということをしていませんか?

もちろんお客さんの要望ですから聞いて修正すればよいのですが、とりあえずその主張を受け止めたうえで、そのプランになった理由や根拠を、自信をもって主張してほしいと思います。

今回の取材だけではなく、このことを評価するお客さんにはこれまで何回となく私は会っています。

だからこそ、このコラムを読んでいる住宅営業マンには強くこのことを進言しているわけです。

また、社長や幹部の皆さんが読んでいるならば、部下である営業マンにこのことを教えて下さい。本当に大事なことです。

③「メモを取るポイントが私たちの思いと一致したのです」

この意味がわかりますか?

営業マンがメモを取るのは当然ですし、すべての営業マンがメモを取っているはずです。

しかし、このS君が評価されたのはただ単純にメモを取ったからではありません。

お客さんが「これは私たちの強い要望なのだよね」「これは嫌だな」「これだけはしっかり守ってほしいよ」という強い希望を持ったことを話たり、それっぽいことをにおわせると、そのタイミングでメモを必ず取るというのです。

つまり、お客さんからすれば「Sさんは私たちのことをわかってくれている」となるのです。

このことがとても大事なポイントであることがお判りいただけたでしょうか。

S君は私にこう話しました

お客さんの取材とは別に私は彼と直接話したわけですが、とにかく自分が決断した転職は最高の判断だったと言っていたのが印象的でした。

「仕事が楽しくて仕方がない」と繰り返すのですが、やはりこの部分は大事です。

「お客さんが一生に一度の買い物をするときのお手伝いができるのは最高だと思いませんか?」

べたな話ですが、こうして真正面から私にこう語りかけられるのは初めての経験。

私もあらためて勉強させられた一時でした。

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今年度はひとり親方の 大工さんから、上は年間2000棟以上こなしているパワービルダーの社員研修まで幅広く行っていますが、規模の大小に関係なく、ある事を徹底的に忠実に実行すれば 受注が伸びていくのです。

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