新築現場見学会。
新築をメインとする住宅会社にとっては、切っても切れないイベントの代表格です。
しかし、適当に物件を公開したからといって、お客さんはガンガン来ませんし、それどころかコロナの影響もあって現場を借りることすら難しくなっているのが実情ではないでしょうか。
今回のコラムは、皆さんが悩んでいるであろう現場見学会を23年間にわたってサポートしてきた筆者が、コラボという観点から切っていきます。
コラボとは、住宅以外の業種と一緒にイベントを行うこととお考え下さい。
コラボのド定番であったガス会社、電力会社
2000年から2002年あたりがすごかった
ちょうど2000年あたりからと記憶していますが、電力会社が電化住宅を強力に推進し始めた時期に、住宅会社と盛んにコラボして新築現場見学会を行っていました。
「懐かしいね」という方もいるでしょう。
若い方はピンとこないかもしれませんが、電力会社としては電化住宅を推進するためにも、新築現場見学会でお客さんにPRするのが絶好の機会だと考えていたのです。
2001年に私が企画した中部地方での現場見学会
中部地方にある従業員10人程度の住宅会社の話です。
規模としては小規模な工務店なのですが、ここで現場見学会を行うことになりました。
以前から社長と私は知り合いだったので、「新築現場見学会を行うんだけどもうちょっと手伝ってよ」という軽いノリで手を貸しました。
電力会社が積極的に動いていたのは知っていましたので、企画として真っ先に思いついたのが、中部電力に声をかけることでした。
すると、あの巨大な中部電力が、従業員10人の会社の企画提案に対して「是非やりましょう!」と二つ返事でOKしたのです。
現場の敷地が広かったこともあり、当日は2トントラックぐらいの大きなキッチンカーを現場に派遣してくれました。
IHクッキングヒーターを使って、様々な料理を作り、現場見学会にやってきたお客さんに振舞ったのです。
最近は簡単に協力してくれませんが
話の腰を折るようで申し訳ありませんが、このような形で積極的に電力会社がコラボを申し出てくれたのも今は昔。
IHは一定の普及をしてしまったので、経費をかけてまで我々工務店の手伝いはしてくれなくなってしまいました。
これはガス会社も同じです。
九州以外の方には馴染みはないはずですが、4大都市ガスの一角に西部ガスがあります。
東京ガス、東邦ガス、大阪ガス、そして西部ガス。
4社の中では最も規模は小さいですが、大きな会社であることは間違いありません。
2010年頃の話ですが、私は西部ガスと一緒に活動したことがあります。
福岡、熊本、長崎、この3県にある工務店が新築現場見学会を行うときに、西部ガスがキッチンカーを提供していました。
チラシには西部ガスのキッチンカーも当日はやってきます、と大きく告知し、当日は来場客にホットケーキやら何やらをガスで焼いて手渡していました。
もちろん主眼としていたのは、ガスコンロで調理をしたほうが美味しくできますよというアピールです。
しかし、これも最近では経費の問題などで簡単に協力してくれることはなくなったようです。
外車ディーラーとコラボ
全国の有名住宅フランチャイズのある加盟店での話ですが、外車のディーラーとコラボをしたことがありました。
これはなかなか好評だったのですが、現場見学会当日にはある有名会社のディーラーが2台の試乗車を敷地内に持ち込み、運転席に自由に座ってもらうという試みでした。
通常では絶対ない企画ですし、現場見学会の会場に外車が2台並んでいて人だかりがしているので、通りがかりの人もわらわらと集まってきたのです。
もちろん家とは全く関係ない人たちがたくさん来たのですが、 工務店側としては閑散とした寂しいイベントよりもとにかく人が集まってくれた方がありがたいのです。
ディーラーの営業さんも喜んでいましたので、一石二鳥とはまさにこのことでしょう。
しかも、車と家は繋がりがあります。
全然関係ないアイテムではなく、家を建てる人にとって車は欠かせない持ち物になりますし、その駐車スペースも絶対に考える内容なのです。
不動産業者とのコラボ
これも定番ですがやはり人が集まるコラボといえます。
住宅展示場などの来場者のうち、7割~8割が土地なしという現状を考えると、やはり不動産情報を見ることができるイベントというのは魅力的に映るのは当然でしょう。
ちょっとしたコツ
ただしこれにはちょっとしたコツがあります。
私のコンサルティング先やセミナーでも必ず言う話なのですが「土地情報あります」だけではなかなか人は集まりません。
例えば7月20日にイベントを行うと仮定しましょう。
こうした場合には「7月18日に全てを更新した土地情報を当日はご準備してお待ちしております」と、このように最新アップデート情報であるとの認識をさせるのです。
展示場もしくは会社の前に錆びついたような鉄の看板に「土地情報たくさんあります」と書かれてあっても、そのようなものに信憑性は何もありません。
だからこそ、このように日付を区切って、情報を見たお客さんが、この現場見学会に足を運ぶと他にはない掘り出し物の土地情報があるかもしれない、と考えてもらうのです。
アウトドア製品会社とのコラボ
ここ最近の傾向ですが、コロナの時代になってから人と距離を取れるキャンプやアウトドア活動に脚光が集まっています。
ソロキャンプなる言葉が流行したのもここ最近でしょう。
マーケティングの観点から見るとアウトドア志向の人が増えてるのは事実です。
このように考えると、テントを扱ってる会社やアウトドアグッズを扱っている会社とコラボしてイベントを行うのはありだと思います。
実際にも大手ハウスメーカーの中には、ヘーベルハウスのように、この視点でイベントを行ってるケースもあります。
該当するページのアドレスを貼っておきますので、是非ご覧になってください。
https://www.ah-hp.com/hebel/event/detail/view/?evid=27312
アウトドアの動きは要注目
物事には流行り廃りがありますが、現在注目してほしいのはアウトドアということになります。
実は三重県のある小規模工務店と今企画をしているのですが、アウトドアどころか展示場の敷地内でキャンプファイヤーをやって人を集めようと考えています。
皆さんが誰でも真似できるやり方ではありませんが、この工務店は人里離れたところに展示場を構えており、近隣にはキャンプ場すらあります。
このような環境に加えて、昨今のアウトドアブームを合わせて考えた結果「これは面白い!」となりました。
予定では8月の前半を考えているのですが、このイベントには私も参加する予定ですので、その結果はまた皆さんにご報告させていただければと考えています。
本記事執筆講師が動画にてわかりやすく解説
工務店営業社員の育て方 「24年にわたって現場で営業育成をしてきたノウハウの一部をご紹介」
積水ハウスと 零細工務店で営業を経験したのち独立した私は、以後24年間に渡って現場で営業指導を行ってきました。
コンサルティング現場ではさまざまなことを行ないますが、今回の50分のビデオではコンサル現場で実際に行っていることも交えながら、3点にポイントをまとめて解説しています。机上の空論ではなく、すべてが 現場で実践してきた内容ですので、是非とも最後までご視聴ください。
今年度はひとり親方の 大工さんから、上は年間2000棟以上こなしているパワービルダーの社員研修まで幅広く行っていますが、規模の大小に関係なく、ある事を徹底的に忠実に実行すれば 受注が伸びていくのです。