訪問査定時にぜひ活用頂きたいチェックリスト解説

皆様、売却検討をしているお客様のところへ訪問査定に行った際、ヒアリング内容が物件によって差がある、随時連絡して聞かなくては・・・など聞き漏れが多くありませんか?

まさかとは思いますが、手ぶらにて訪問はされてないですよね?

なぜお聞きしているかといいますと、私も不動産営業を行っているときに経験したことがある為です(笑)

業界に入ったばかりの時は、右も左も分からないのでもちろん手ぶらでした。

したがって手ぶらで伺っているので、ヒアリング内容もバラバラでメモも取ってないので記憶も曖昧です。

当時はひどかったと思います。

その際に、活用していたのが「訪問査定チェックリスト」になります。

このネーミングに関しては思い付きで作成したリスト名になるので不動産関係者にはあまり馴染みがない言葉になるかもしれません。

このチェックリストは当時の上司が、

「売主に何を聞くべきなのか、きちんとチェックリストを活用しなさい」

と指導をしてくれたのがきっかけです。

チェックリストを活用することにより、ヒアリング漏れを軽減することができ『訪問→媒介締結→販売活動→契約』と一連の流れにも活用できる項目が入っております。

今回は、「訪問査定チェックリスト」について

・項目の意味について
・どのように活用していくのか
・得られる効果とは

この上記3つについてご説明させていただきます。

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まずは、項目の意味について解説させて頂きます。

チェックリストには22の項目があります。

不動産業界については初心者の方もいらっしゃると思いますので細かく解説させて頂きます。

1.売却期間

お客様の売却理由によって活動期間も変わってくると思います。

・ローンの返済に困っていて出来るだけ早く売却をしたい方
・住み替えを検討していて、半年くらいで考えている方

売却期間によって、販売価格をまずは少し高めに設定するのか、相場か少し安く価格を設定して市場に出すのか、はたまた期日を決めて買取するのか、提案方法が変わってくるので期間を伺います。

2.売却方法

通常の【仲介】で販売を希望するのか、活動期間に期限を設けて早めに現金化する【買取】を希望するのか、確認をしておくことにより問い合わせ状況によってスムーズに売却活動を行う為に伺います。

3.売却理由

大きく分けて、買替・相続・離婚のどれかに当てはまるかと思います。

買替→転勤や家族構成の変更の可能性
相続→相続をして空家になっている、相続人同士で財産分与に揉めている可能性
離婚→夫婦間で揉めていてお金に困っている可能性

なぜ売りたいのか?ここを把握することは販売戦略にも繋がるので伺います。

4.売主との名義について

先ほどの3の内容と繋がってきます。

事前に謄本を取得するのはもちろんですが、遺産分割協議は済んでいるのか、登記簿謄本にまだ反映されていないケースもあるので確認必須です。

共有名義の場合は所有者全員が売却への承諾が必要になります。

誰がキーマンなのか・誰と話す必要性があるのか把握するべき内容です。

5.引渡時期の希望

残置物が残っている場合など、引渡しがすぐに出来ないケースもあります。

特に、住み替えのケースは要注意です。住宅ローンを抹消しないと買替ができないケースもあります。

事前に注意事項を説明しておかないとトラブルになることもあります。

売主・銀行・買主など根回しが重要になってきます。

事前に広告記載や買主に伝える必要性があるので、売主との確認は必須です。

6.残債について

登記簿謄本を確認すればある程度計算はできますが、詳細は売主も把握しておく必要があります。

ご自身の残債を存じてないかたもおり、自己資金がなければ抵当権が抹消できない場合などトラブルになりかねません。

販売価格にも影響してくるため把握が必要になります。

住宅ローンを利用していたら年末に残債金額のハガキが銀行から届きますので保管しているのか確認しましょう。

7.希望の売却価格について

もちろん物件は高く売れるに越したことはありません。

しかし、一旦は売主の希望をヒアリングしましょう。

お客様に寄り添うことも大切です。売却活動を一緒に行うのですから。

しかしながら夢ばかりは見てられませんので、現実的な売出価格と買取価格もきちんとお伝えしましょう。

8.価格の交渉について

買主としてはいい物件を安く買いたいのが心理です。

交渉が来た時にいくらまでなら可能な範囲なのか、売主とすり合わせしておきましょう。

ある程度の金額まで決定権の承諾を売主より頂いていれば、先方との交渉もスムーズになるかと思われます。

9.残置物について

契約が決まったときに、後出しで残置物を伝えるとトラブルになりかねません。

まず、基本のベースは残置物は全撤去がスタンダードです。

事前に売主とすり合わせを行いましょう。処分によっては費用がかかるケースもあります。

エアコン・電気など残置物と思ってない人もいますのでここも押さえておくポイントになります。

10.告知事項について

何もないのがもちろん一番ですが、売主が知っていることは話して頂かないといけません。

価格や販売活動にも影響してきますので、早い段階で確認をしましょう。

告知事項には種類があります。

【心理的瑕疵】→自殺・他殺・事故など
【物理的瑕疵】→土壌汚染・アスベストの使用・耐震強度の不足など
【法的瑕疵】→法律により建物に使用制限がかかっている状態(建蔽率・容積率オーバーなど)

内容によっては、修繕費を考えておく必要のあるケースもあります。

11.契約不適合について

契約不適合については知らない売主がほとんどです。まずは一旦説明しましょう。

売主責任は、法改正前の瑕疵担保責任よりも現在の契約不適合責任の方が重くなっていますので、制度を十分に理解し、いつまで責任を負うのか期間のすり合わせを行いましょう。

12.インスペクションについて

インスペクションによって、大きな問題がないことを明らかにして売却すれば、契約時に買主から値引きを要求されることを防ぐことができます。

しかしながら、調査には費用もかかりますので事前に確認を行いましょう。

13.シロアリ被害・雨漏りについて

まずは、売主が把握をしているのか。特に相続や空家で所有者が居住してない場合は注意が必要です。

口頭だけではなくきちんと目視でも確認を行いましょう。

もし、欠陥がある場合は

・修繕して売却をする
・建物を解体する
・物件価格の値引きをする
・買取業者に売却する

のどれかの選択肢になってくるかと思います。

14.案内時間・連絡時間について

お仕事によって勤務形態は異なります。

夜勤の方や・土日がお仕事の方もいます。

そして勤務中は連絡が取れない方。なかには売主が対応できない場合は同居人が対応できる場合もあります。

案内だけではなく後々、契約・決済の日程調整にも関係してきますので、事前にきちんと把握をしておきましょう。

特に決済は平日に行うことが多い為、休みが取得できるのか?

前もって必要な時間などをお伝えしておくと、とても親切です。

15.媒介種別について

まずは売主の希望を確認しましょう。

一般・専任・専属なのか媒介方法によって特徴があります。

例えば、

・契約の有効期限について
・レインズへの登録義務について
・活動報告の義務について
・依頼ができる不動産会社について

など様々あります。

それぞれメリット・デメリットがありますので、事前に説明を行いましょう。

16.販売方法について

売主の中には売却活動をしていることを周囲に知られたくない方もいます。

詳細の住所まではポータル・図面など基本的には乗りませんが、外観などの写真で周囲が気づくケースもあります。

そして、周囲にバレたくないよくあるケースに「住宅ローンの支払いが難しくて」「近所に噂など立てられたくない」などがあります。

この質問をすることによって周囲に知られたくない方からは、「とても親身に対応してくれる不動産会社だ」、特に気にしない方からは、「細かい部分まで気が利く不動産会社だ」という印象を与えることができます。

空き家や土地だけの売却の場合、現地に看板や旗を立てることも広告になります。

近隣が購入するケースもあるので、現地の広告は大きい効果もあるかと思います。

周囲に知られても問題がないのか確認しましょう。

17.仲介手数料について

仲介手数料に関しては、中には交渉をされる売主がいるので設けておりますが

基本的に自ら伺う必要はないと思っております。

しっかりと業務をこなすので正規の料金を頂くのが前提です。

仮に交渉された場合を想定して項目を設けております。

18.購入当時の書類について

当時の資料については事前にチェックをしておきましょう。

購入時に説明されたことを覚えている方はほとんどいません。

しかしながら書類は大事に保管されている方が多いです。

重厚なファイルに挟んであるケースが多いかと思います。

戸建ての場合など、間取り図があったほうが販売図面も作成しやすいです。

そして、当時の売契がある場合は物件をもっと知る要素になります。

また、証明書の原本などは買主に引継ぎますので契約時にバタバタするのではなく前もって把握をしておきましょう。

このタイミングで合わせて権利書も保管しているか確認しましょう。

原本を確認するのが一番ですが、見せるのには抵抗がある方もいらっしゃいますので口頭でも問題ありません。

権利書は再発行については原則できません。法務局に所有者本人であることを証明するか、あるいは司法書士などに依頼する必要性があります。

別途費用や書類準備などの期間も必要になってきます。

確認しておきたいチェックポイントになってきます。

19.近所について

近隣トラブルや気分を害する施設がないか、まずは売主にヒアリングです。

近所付き合いがない方や、あまり外出されない方もいると思います。

ご自身での調査は必須ですが、売主はどういう人なのかも詮索しながらのヒアリングです。

周りと近所付き合いがある方についてはどのような方がいるのか詳細に確認しましょう。

家族構成やいつから住んでいるのか、買主へのアピールポイントにも繋がってくる可能性もあります。

20.過去の修繕について

目視で分かるケースもありますが、配管など目視では分からないケースもあります。

買主へのアピールポイントになる場合もありますので、しっかり確認しましょう。

そこで抑えるポイントとしては、いつ・なにを行ったのかは最低限抑えましょう。

メーカーなどが分かればなお良しです!

21.セールスポイントについて

相続や住んでないケースを除いて、物件のことを一番知っているのはもちろん売主です。

「当時はここが良くて買ったんだ」などの売主とのコミュニケーションを取りましょう。

物件のことだけではなく近所の美味しいご飯屋さんやおすすめのスポットなど、

あなたには見えていない物件の良さが分かるかも知れません。

22.その他

最後に、販売業者と共有しておいた方が良い事項はありますか?と、これまでの21項目で網羅できていない部分やご質問などもあるかもしれないのでヒアリングしましょう。

以上、項目の意味について解説致しました。

ここからは、活用方法と得られる効果についてお話しさせて頂きます。

活用方法と得られる効果

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まず、活用方法について、大前提ですが、もちろん訪問査定時に持って行ってください!

皆様に手軽にお使い頂けるように片面A4にて印刷ができる仕様にしておりますのでバインダーに挟んで頂き、選択項目も設けているので記入しやすくなっております。

また、会社として項目をプラスしたいという方もいらっしゃると思いますのでご自由にアレンジして下さい。

あくまでも私が考える最低限のヒアリング項目になっております。

そして、得られる効果についてですが

①どの営業が訪問査定に行っても一定の内容が担保できます

営業の方によっては売主と話す内容に困る方もいますが、1から順にヒアリングしていくだけです。

訪問査定時だけではなく販売中・契約時にも活用できる内容となっております。

ヒアリング項目を定型化し、これを使えば、新人でもベテランでも同じことを行うことができます。

②買主へのアピールも充実

問い合わせがある度に、売主への確認などされていませんか?

・物件担当が不在だと分からない
・一旦売主へ確認します

上記の様なやり取りの手間をなくす為にも効果的です。

③最大のメリットは「売主への信頼度を高めること」

まず、売主から会う時間を頂いています。このチャンスをしっかりものにしないといけません。

【この会社に任せたらうまく行きそう】と思っていただくことが必要なのです。

売主への配慮はもちろんのこと、一緒に売却活動を行うので細かい気配りができる会社さんだと思って頂けるのではないでしょうか。

ぜひ、この訪問査定チェックリストを持って頂きひとつでも多くの媒介契約が取得できるようなお手伝いが出来れば幸いです。

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