任意売却案件の反響獲得方法。ユーザーニーズと企業真意のズレとは?

不動産業界では一般的な売却方法のひとつ「任意売却」ですが、ユーザーにとっては、そのキーワードすら知らないことがほとんどです。

では任意売却案件の反響獲得のためには、どうしたらよいのでしょうか?

この記事では

・ユーザーニーズとのズレ
・セミナーで反響獲得
・情報をユーザーに届けるには

についてまとめていきます。

ユーザーニーズとのズレ

ユーザーが「物件を売りたい」「ローン返済に困った」と考えた時に、1番最初にすることはインターネット検索だと思います。

では、売却を考えるユーザーはどのようなキーワードから検索するのでしょうか。

任意売却に繋げるべきユーザーというのは、ほとんどがローン返済に困っているという状況です。

しかし、一般的に「任意売却」という言葉は知られておらず、大体の人は「家 売りたい」「住宅ローン 返済できない」などで検索することが多いでしょう。

「家 売りたい」で検索した場合はポータルサイトの一括査定などが表示されますが、住宅ローンが残っている場合には一般的な売却を行うことはできません。

「住宅ローン 返済できない」で検索すると、金融機関に相談してローンの借り換えなどを薦めるまとめサイトなどが表示されます。

結局、一般ユーザーが「任意売却」というキーワードにたどり着くまでにはかなりの時間と手間がかかることになります。

また、ローン返済関連の方法として「リースバック」や「リバースモーゲージ」といったキーワードが話題にあがることで、そちらに流れ込むことも考えられます。

しかし、不動産業界では当たり前だと思っている「任意売却とリースバックは全く別物でどちらか選ぶようなものではない」といったような知識も、一般ユーザーからするとよく調べないと出てこないのです。

リースバック,リバースモーゲージ,任意売却,キーワード

参照:キーワード検索数チェックツール「aramakijake.jp」
https://aramakijake.jp/

キーワード検索ボリュームを見ても、「任意売却」というキーワードで検索する人が少ないのは明らかです。

したがって、不動産業界側は任意売却を必要とするユーザーを見つけることすら難しく、案件獲得は非常に難易度が高くなっています。

セミナーで反響獲得

「任意売却」という言葉は知らないが、ローン返済に困っているという潜在レベルのユーザーに情報を届けるための方法を考えたいと思います。

潜在レベルのユーザーに情報を届ける方法のひとつに、セミナーを開催するという手があります。

例えば大手ポータルサイトのSUUMOでは、初めて注文住宅を検討するユーザーに向けて、30分~90分程度の「はじめての注文住宅講座」を用意しています。

スーモ,はじめての注文住宅講座

参照:SUUMOスーモカウンター注文住宅「はじめての注文住宅講座」
https://www.suumocounter.jp/chumon/lp/beginner.html?vos=op7031yhsstw019000000zzz_01x0000000-xp_kwd-294876920096:cr-644609673027:sl-:adg-104198438354:dev-c:acc-795005:cam-10059726190&yjsv=10059726190&yclid=YSS.1000283406.EAIaIQobChMIuKjFtLjh_AIVlNGWCh3mggAXEAAYASAAEgLsS_D_BwE

SUUMOでは「注文住宅」に関するセミナーをユーザーのステップに合わせて3種類に分けて用意することで、より的確にユーザーのニーズに応えようとしています。

住宅を購入することは人生の中で1度きりという人が多いはずです。

誰もが知識ゼロから勉強することになるため不安も多い。

そんな中無料でセミナーを受けられるのはユーザー側からすると安心感に繋がります。

企業側からみても、対面でのセミナーを行うことでユーザーが何を不安に思っているのか、何を求めているのかを捉える事が可能になります。

そこに応えていくことで、ユーザーの安心感が高まり、反響獲得に繋げることができます。

今回のテーマである「任意売却」に関しても同じことが言えるでしょう。

ユーザーは「ローンが払えなくて困ったけど、どうすればよいのかわからない」「消費者金融を頼るしかないのか」など、最悪の場合、不動産業界では救いきれない状態になることもあり得ます。

その前に困っているユーザーに対してセミナーという形で窓口を作り、その困り感に応えていくことが望ましいと思います。

情報をユーザーに届けるには

セミナーを開催したとしても、周知できないと意味がありません。

それでは、自社の情報をユーザーに知ってもらうためにはどのようにすればよいのでしょうか。

デジタル広告

一つは、デジタル広告を出すということが挙げられます。

なかでもリスティング広告は、検索すると上部・下部に「広告」や「PR」と表示される検索結果のことですが、課金すると比較的容易に検索結果の上位に上げることができます。

リスティング広告

参照:ferretマーケターのよりどころ「「リスティング広告とは〜効果を上げるために知っておくべき7つの事実」
https://ferret-plus.com/1126

リスティング広告はクリックされる毎に費用が発生します。

その費用はオークション制で、オークションはキーワードごとに行われ、広告主は上位表示させたいキーワードにクリック単価を入札します。

検索される回数が多いキーワードほど最低入札価格が高額になる傾向があります。

「入札価格」×「広告の品質」で掲載順位が決定され、Googleの場合は「広告フォーマット」を利用しているかどうかによっても品質評価が変わります。

品質の高い広告を用意することで運用コストを抑えつつ上位表示が狙えるということです。

しかし、リスティング広告の場合、顕在レベルのユーザーつまり簡単に言うと「任意売却をしたい」と考えているユーザーには効果を発揮しやすいですが、「困っていてどうしたらいいか分からない」といった潜在レベルのユーザーには効果が出にくいと考えられます。

SEO

私がオススメするのはSEOで対策するということです。

SEOは「Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)」の略語で、とてもシンプルに言うと、検索エンジンにおいて、特定の検索ワードで自社のWebページの上位表示を目指すための施策を指します。

上位表示するには、検索ユーザーと検索エンジンどちらからも「検索ニーズに応えるページだ」と認識される必要があります。

そのため、SEOでは検索エンジンにページの内容を理解してもらいやすいよう、サイトやページの構造を整えたり、検索ユーザーが必要とする情報を掲載したりするのが基本です。

コンテンツマーケティングにより関連の記事を量産化し、時間軸はかかったとしても地道にSEOによる効果を狙っていくことがポイントです。

不動産のミカタ,コンテンツマーケティング

参照:不動産会社のミカタ「コンテンツマーケティングとは?SEO全盛時代にどう不動産会社が集客の強みを作るか⁉」

他記事でコンテンツマーケティングについて書きましたが、コンテンツを充実させることは自社の資産を増やすことです。

「企業が伝えたいこと」と「生活者が知りたいこと」のギャップを「適切なコンテンツ」で埋めるという支援型のコミュニケーションになるので、ユーザーとの信頼関係を構築し、案件獲得に繋げるということです。

例えば「任意売却」というカテゴリーだけでなく、「ローン返済」「住宅ローン」といった記事を充実させることで、困っているユーザーに情報が届きやすくなります。

自社コンテンツに「注文住宅」「賃貸」など様々なカテゴリーの記事が並ぶなか、「ローン返済の困りごとにも相談にも乗ってもらえそう」という安心感をユーザーに与えることができるのではないでしょうか。

まとめ

なかなか「任意売却」という言葉が浸透していない中で、潜在レベルのユーザーつまり見えないユーザーに情報を届けることは難易度が高いです。

しかしやり方次第では遠回りであったり時間はかかっても届くように対策を講じることは可能なはずです。

任意売却に関してだけでなく、あらゆるニーズに対応できるよう長期的目線をもって発信してみてはいかがでしょうか。

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