不動産売買仲介営業社員向けの実務教育では、どのような内容がお勧めですか?|不動産仲介営業お悩み相談室

不動産業界でご活躍のあなた、こんにちは。
株式会社レコの梶本幸治です。

今回は「不動産売買仲介営業社員向けの実務教育では、どのような内容がお勧めですか?」というお悩みを取り上げます。

営業社員さん向けの実務研修という事であれば、研修を受けた翌日から使える…いや、研修を受けた当日から使えるノウハウやスキルが身につく研修にしたいですね。

不動産売買仲介営業担当者は今でも、業績に応じて支払われる歩合給で稼いでおられる方が多くいらっしゃいます。

営業成績が生活に直結するリアルな世界に生きておられる不動産売買仲介営業担当者に対し、まるで学校のお勉強のような研修を用意したところで、参加する意欲すら湧かないでしょう。

そこで冒頭申し上げた研修を受けた当日から使えるノウハウやスキルが身につく研修に関し、具体的にその内容をお伝えして参ります。

営業の現場で即使えるノウハウやスキルを向上させるには、やはり営業ロープレをお勧めします。

「なんだよ、当日から使えるノウハウやスキルが身につく研修っていうから期待したのに営業ロープレかよ。そんなの随分前からウチの会社でも毎週やってるよ!」とややお怒りの方もいらっしゃるでしょうが、そんなややお怒りの方にお聞きしたいと思います。

貴社の営業ロープレはどんなルールで実施されていますか?

不動産会社で行われている営業ロープレの多くが、以下のような流れで実施されていると私は思っています。

  • 上司がお客様役、部下の営業担当が営業役と務める。
  • 上司が設定したシチュエーションで営業現場を再現し、営業役がお客様役に交渉・接客を行う。
  • 一連のロープレ終了後、お客様役の上司から講評をいただき、営業担当が反省や改善点を発表する。
  • 最後に上司が「お前の営業も良いところまで来ているがまだ甘いところがある。まぁ頑張れ」と偉そうな台詞を参加者に伝えて散会。

この形式では「ロープレの正解」や「研修のゴール」が上司の頭の中にのみ存在しがちで、部下としては営業を学ぶというよりは、上司の意図を当てるゲームになってしまいかねません。

敢えて踏み込んだ表現をさせていただきますと、このような形式のロープレは上司の自己満足、自己顕示、ストレス解消に終わる可能性が高いと言えるのではないでしょうか。

そこで私がお勧めする方法ですが、購入ロープレならお客様の購入理由などを聞き出す、売却ロープレならお客様の売却理由などを聞き出す方法をお試しいただきたいと思います。

具体的に購入理由や売却理由を事前に紙に書いておき、その紙を上司のジャケットの内ポケットに入れておきます。

そして営業役の部下はロープレの中で購入理由や売却理由を推測し、より多く、より具体的に推測できれば営業役は及第点…そんな流れです。

紙に書いておく内容で主なものは以下の通りです。

【購入ロープレの場合】
・購入理由(例:結婚するので同棲中の賃貸を解約し、新たにマイホームを購入したい。)
・購入のきっかけ(例:そのまま賃貸でも良いと思ったが会社の同期が家を買ったため負けたくない。)
・年収
・自己資金
※探している物件種別(マンション・戸建て)や探している地域、希望金額は重要なヒアリング事項ではないと考えます。大切な事は「なぜ買うのか。お金はあるのか」を聞き出す事であり、内覧に行く物件はこれらの条件を満たす物件を営業サイドが提案すべきだと思っています。

 

【売却ロープレの場合】
・売却理由(例:5年前に相続して実家を使わないので売りたい)
・売却のきっかけ(例:5年放置していたが先週、空家が放火されたニュースをテレビで見て怖くなった)
・いつまで売りたいか(例:遅くとも桜が咲く頃)
・いくらで売りたいか
※売却(媒介取得・買取)の営業に関しては【なぜ売るのか、なぜ今なのか、いくらで売りたいのか、いつまでに売りたいのか】の4つのヒアリングが非常に重要です。「相続した実家を売りたいのです」程度のヒアリングでは不十分であり、上記の例では5年間放置していた実家をなぜ今、売ろうと思ったかまで聞き取ってください。

このようにルールをしっかりと決め、営業現場で重要なヒアリング力を高める営業ロープレが、不動産売買仲介営業社員向けの実務教育として最適であると私は思っています。

即日使えるスキルとは、「お客様の本音を引き出す力」です。

売買仲介という仕事は物件をさばく仕事でなく、不動産取引を通じてお客様の希望を叶え、ネック事項を解消して差し上げる事が大切ですから。

結局、成果を分けるのは「どこまでお客様の理由に踏み込めたか」です。

理由が深く聞けた営業ほど、無駄な提案が減り、成約までのスピードも上がります。

お客様には“今日”相談して下さった理由があり、お客様の理由を把握できた営業は提案内容の精度が一気に高まります。

その結果、業績は自ずから長期的に安定してくるでしょう。

ぜひ御社のロープレにも取り入れてみてください。

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