売買仲介の登竜門、ポスティング。
まず入社してここから始められた方が多いんではないでしょうか?
当事者にとっては正直非効率に見えますが、ポスティングすることで、町の雰囲気を感じたり、道を覚えたりと、売買仲介で必要な「町を知る」という観点では非常に意味があります。
その為、売買仲介の新人の方にはめんどくさがらず、是非前向きに取り組んでいただきたいです。
只、折角やるなら成果も出したいところ。今回は「成果」を出す工夫をお伝えします。
Tips
まずポスティングの成果を理解する
ポスティングの成果は当たり前ですが「反響」です。
チラシを見てお客様から何かしらの反応をとることが目的となります。
更に反響には「売り反響」と「買い反響」に分けられます。
買い反響については、正直物件次第です。(これを言ってしまうと元も子もないですね笑)
安い物件等の売れ筋物件だと工夫しなくても、たくさん反響がきます。
売れない物件だとどんなに工夫しても反響がきません。只、その中でもやりようはありますが、今回は「売り反響」の話をメインにしていきます。
「売り反響」のチラシ
売り反響をとるチラシで代表的なのは、「売り求む」です。
チラシにでかでかと「売り求む」や「売却物件募集」と記載し、下の方に、
- 売却をご検討であれば創業40年の当社に是非お任せください。
- 買主様多数います。ご検討の際は是非ご相談を。
- お気軽にお電話を。
と書いて、FAX申込等の導線を付けます。
個人的にこれで反響がでるとは全く思いません…
実際こういったチラシを配布している企業様に成果をお伺いしたところ、10万枚配布して1件あるかどうかとのことでした。
1件の売り反響を取るコストを計算してみると・・
紙の費用、輪転機の費用、配布員の時給を考えると1枚当たり5円~10円かかっています。
1反響取るのに、50万円~100万円かけてる計算になります。
また、売り反響が全て媒介契約につながるわけでは無いため、媒介取得が1/2だとすると100万円~200万円が1媒介にかかる計算になります。(1/2はかなり優秀なので、実際1/3~1/4だと思います)
数億の物件や回転が見込める案件であれば回収できますが、そういった案件は稀です。
エリアに寄りますが、一般住宅だと2000万円~3000万円程度なので、ほとんどのケースでは赤字になってしまいます。
反響が取れる「売り求むチラシ」実際に効果があった施策まとめ
上記は極端な例ではありますが、では実際うまくやっている企業様はどのようにやっているのでしょうか?
とある不動産会社様を例に出してお話します。(本当は実名をお出ししたかったのですが、匿名希望でしたので…)
まず、何枚配布すれば反響があるのか。
上手な企業様は最低でも「4000枚」で1反響で考えています。
1枚単価が5円~10円だとすると、20000円~40000円で1反響です。
媒介取得率が1/2だとすると、40000円~80000円で媒介が取れてる計算になります。確かにこれであれば、事業として成り立ちますよね。
では、どんな売り求むチラシで反響をとっているのでしょうか?実際に効果があった施策をまとめてみました。
①マンション名や所有者の名前を記載
マンション名や号室、所有者名をチラシに記載します。
例)”ミカタマンション 306号室にお住いのミカタ太郎様へ”
というようなイメージです。
確かに「売り求む」だけだと印象に残りづらいですが、自分自身のことを言われると気になってしまいます。理にかなったやり方です。
準備は大変・・
只、1枚1枚作成する必要があるため、準備がとても大変です。
その為、ワードの機能「差し込み印刷」を使って作成すると効率的にできます。
http://www.fujitsu.com/jp/group/fjm/mikata/useful/learn/ms-workup/032.html
※リンク切れてたら、「ワード 差し込み印刷 方法」などで検索してください
これを使うことで効率的に印刷ができます。
また、所有者名まで記載する際は、謄本をとる必要があります。
その際は「登記簿図書館」がお勧めです。
http://xn--lcss68alvlysfomtekv.com/
マンション名から索引ができるので、地番の確認が不要になります。
また、土地戸建だとゼンリンさんが使いやすいですが、少々お値段が高めになっています…
②役所等の公的なお知らせに似せる
お客様は日々色んなチラシを受け取っています。
「売り求む」だけで数社からきますし、更に新築の広告もきます。
また、不動産だけでなく、スーパーの特売、飲食系、習い事系等大量のチラシが日々ポストに投函されてます。
1枚1枚目にするのは大変なため、さっと見て必要なのかゴミ箱い気なのかを判断していきます。
ここでお客様の目を引く必要があるのですが、ほぼすべての売り求むはゴミ箱にいってしまいます。
ではどのようにゴミ箱行きを防げばいいのでしょう?
この企業様は「役所からのお知らせや水道工事のお知らせ等、公的な書類と形式を合わている」とのことでした。
一見公的な大事な書類っぽく見せて、まず最初のごみ箱いきを回避するのです。
そこで初めて目を通していただき、言いたい内容が伝えられるのです。
その後捨てられてしまう可能性はもちろんありますが、ここで残るか残らないかで大きな差がございます。
この企業様は上記2つを掛け合わせて、一番成果が出た時で、500枚で1件の反響をとっていました。
日本の住まいはストックの1%が売りにでているので、そのエリアの売りたい方の25%をその企業様が獲得しているのです。
※1万世帯あるとすると100件が売りに出す。この企業様は1万世帯にポスティングして20件の反響を獲得した。
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不動産仕入れ施策の主役を一括査定サイトに奪われた感のある売り求むチラシ。
しかし、この動画には「売り求むチラシ」復活のヒントが凝縮されています。 |
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まとめ
一括査定と違いポスティングでの反響は競合する企業が少ないです。
その為、ポスティングでしっかり売り反響をとることは数字が安定する一つの要因になります。
他にもいろいろな方法をお伺いしましたが、それはまた別の機会に。