賃貸管理で収益性を高める方法論

今回は、賃貸管理業を営む中でその収益性をより高めるための方法論について記載していきたいと思います。

収益性を高めるポイントは、大きく以下3つにまとまると考えられます。

  1. スポット売上を増やす
  2. ランニング売上を増やす
  3. ランニング費用を下げる

この3つについて、以下より詳細に見ていきたいと思います。

1.スポット売上を増やす

スポットで売り上げを増やす方法はいくつかあるかと思いますが、ここでは代表的かつオーナーにもメリットのあるものをチョイスしていきます。

①大規模修繕提案

屋上防水や外壁塗装、インターネット設備の導入、エントランス改修等の大規模提案を実施します。

屋上防水や外壁塗装は、天井漏水や壁からの漏水のリスクもあることから、事故の前の対応が望ましいです。

また、インターネット設備やエントランスの改修等入居促進にもつながる施策は、募集提案と併せて行うと効果的です。

②家賃保証付きリフォーム提案

お部屋の原状回復に十分な費用をかけられなかったり、入居促進につながる改修をできず入居付けに苦戦しているお部屋での提案に有効です。

提案の工事を発注いただく代わりに、工事完了から3か月後から家賃保証をするなどの提案をします。

オーナーからすればリフォーム費用を負担することで今後の入居リスクをある程度担保でき、管理会社としてはリフォーム売上+家賃保証と成約賃料の差額を利益とできます。

提案内容によっては賃料の増額も見込めるため、今後の入居付けにプラスに働きランニングの収益確保につながります。

2.ランニング売上を増やす

ここからは、ランニングの売上になるものでオーナーにもメリットのある方法を提案していきます。

①インターネット設備のランニング負担

インターネット設備をマンション一括で導入し、費用をランニングで負担してもらいます。

賃料の増額幅によってはオーナーの負担も小さくすることができ、家賃下落や入居付けリスクを減らすことができます。

②家賃保証リフォームの月額負担プラン

スポット売上の②で紹介した家賃保証リフォームの負担を、ランニングに付加します。

リフォームの実施を管理会社で行う代わりに家賃保証の金額や管理料の金額を変更させていただきます。

オーナーとしては小さくはないリフォームの負担をランニングで分散させることができます。

③BMの受注

これまでBM(巡回清掃やエレベーター点検、消防点検等)を受注してこなかった場合は有効な手段です。

自社で実施できずとも、専門業者を見つけて依頼することでオーナーとしては物件に関わる支出を管理会社に一本化でき、窓口も統一されるため煩雑さが解消され、満足度向上につながります。

特にエレベーター点検や機械式駐車場の点検は金額も大きく、これまでメーカー系の業者に依頼していた場合、独立系業者に依頼することでオーナーの負担金額を大幅に改善できる可能性があります。

ランニング費用を下げる

貯金箱,電卓,小銭

ここからは管理会社側でのランニングコスト削減手段について記載していきます。

①各種専門業者の再選定

これまで決まった業者に依頼していた各種工事や点検について、価格と併せて業者選定を行います。

特にこれまで同一業務を同一業者にお願いをしていた場合、競争原理が働かず適正価格でない可能性があります。

ランニング売上の③で記載した共用設備、特にエレベーター点検については削減の余地が大きいです。

②業務改善・DXで販管費を下げる

販管費のうち、特に事務方の人件費は業務の改善によって削減の余地が大いにあります。

賃貸管理の業務ではシステム間での2重3重入力や各種帳票作成、何重ものチェック作業等煩雑な事務作業が膨大に発生しています。

これらはシステムの導入や利活用、各種DXによって相当数時間短縮及び品質向上が見込めます。

また、削減できた工数分の有用な人材を別の付加価値の高い業務を担当してもらうことで、組織全体の生産性向上が期待できます。

こちらの内容については今後活用の余地が大いにあり、削減ポイントも多岐にわたるため今後別記事にて詳細にご紹介していきたいと思いますが、今回はポイントだけ記載しておきます。

⑴基幹システムの導入
⑵帳票電子化
⑶営業補助ツールの活用(kintoneなど)
⑷システム間の連携
⑸RPAの活用
⑹AIOCRの活用

こちらの領域については、昨今DXを専門としたコンサルタントや企業も多数出てきているため、専門家の知見を活用されることをお勧めします。

注意点として、不動産業に知見のない業者ですと現場に即した提案にならず、納品されるも活用されない(できない)ケースが散見されるため、不動産業の現場にも知見のある専門家に相談されることをお勧めします。

まとめ

以上、賃貸管理で収益性を高める方法論について記載してまいりました。以下まとめです。

1.スポット売上を増やす
①大規模修繕提案
②家賃保証付きリフォームの提案

2.ランニング売上を増やす
①インターネット設備のランニング負担
②家賃保証付きリフォームの月額負担プラン
③BMの受注

3.ランニング費用を下げる
①各種専門業者の再選定
②販管費を下げる
⑴基幹システムの導入
⑵帳票電子化
⑶営業補助ツールの活用(kintoneなど)
⑷システム間の連携
⑸RPAの活用
⑹AIOCRの活用

以上となります。

この中でも売上向上は皆さん積極的に取り組まれていると思いますが、販管費削減は中々手が回っていない印象です。

特にエレベーター点検と業務のDXは実務的にもP/L的にもインパクトが大きいので、ご検討をおすすめいたします。

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