会社や看板に頼らない営業になる。
全ての不動産営業が目指す姿です。
それを達成するためには「源泉営業」を極める必要があります。
今回は「源泉営業」で数字を出すコツを伝えさせていただきます。
源泉営業とは
まず源泉営業とは何か。
一言でいうと、「自分自身でお客様を見つけ出すこと」です。
例えば、
- 営業リストに片っ端から電話して見込み顧客を発掘する電話営業
- 1軒1軒チャイムを押して見込み顧客を発掘する飛び込み営業
などが代表的なものです。
私も新卒で入った会社は、電話営業メインのTHE源泉営業の会社でした。
(所謂投資用ワンルームを取り扱ってる会社です)
当時は朝9時から夜22時までひたすら電話をしました。
一日300件~500件ほど、電話をしてまともに話せるのはそのうち数人。
そこから見込みになるのは十数分の1(ここは人により差がありますが)。
さらにそこから契約に至るのは〇分の1と、とんでもない低確率のギャンブルでした。
ただ、実際に契約には至りますので、何事もやってみるべきではあります。
反響営業との違い
源泉営業と対比によく上げられるのは「反響営業」です。
ではどんな違いがあるのでしょうか?
一般的に、
- 反響営業は「顕在層」が多い
- 源泉営業は「潜在層」が多い
という特徴があります。
反響営業はそもそも興味がある人が問い合わせてきてそれに対して営業をかけるので話がちゃんとできます。
源泉営業は最初の段階では興味を持っていないことが多く、全く話を聞いてもらえないのが大半です。
なのでまず興味を持ってもらう必要があります(俗にいう興味付けです)。
私の新卒の会社でいうと、いきなり「ワンルームマンション投資しませんか?」といっても誰も聞いてくれません。
そのため下記のようなトークでまず興味付けをしていきます。
※代表的なものなので、もう少し工夫してトークは組み立てます
「毎月支払ってる住民税が安くなったらよくないですか?」※今は刺さりづらいですが、、
「少子高齢化で年金が減るといわれていますが、将来不安じゃないですか?」
※最近だと「ふるさと納税」を切り口にしてるみたいです
基本的に上記の問いに対して「NO」の方はいらっしゃいません。
※電話よく来る方だと断りのために「NO」は言ってきます
ここで一度「YES」を取ることで、それの具体的な手段として「ワンルームマンション投資」の話に繋げていくことができるのです。
反面、反響営業は上記の「興味付けトーク」が一切不要です。
「お金がかからない保険が欲しい」「住民税安くなったらうれしい」「年金が不安だから対策したい」と考えている方がお客様になるので、最初から具体的な話ができます。
なので、何百件も電話をする必要がなくなるのです。
そのため一概には言えませんが、反響営業は簡単(=誰でもできる)、源泉営業は難しい(=できる人が限られる)と言い換えることもできます。
気分を害される方がいたら申し訳ございませんが、実際に私は両方経験して上記の感想を持ちました。
不動産源泉営業のメリット
ではそんな源泉営業のメリットは何でしょうか?
高収入
源泉営業は基本的に広告費がかかりません。
そのため、売上に対する人件費比率を高くすることができ、反響営業と比べて高収入になることが多いです。
私の以前いた会社では年収3000万以上がゴロゴロいました。
誰にも頼らない力が身につく
源泉営業は自分自身の腕一つで数字をあげることができます。
もちろん会社の看板が全くないということはありませんが、反響営業と比較すると微々たる影響力です。
反面、反響営業は会社の広告予算や広告戦略により反響数が大きく変わります。
営業自体楽な反面、会社への依存度が高くなってしまいます。
源泉営業を身に着けることで、自分の力だけで数字をあげることができるようになり、独立・開業をしても無敵な状態を作ることができます。
比較されないので一度グリップすると強い
源泉営業はニーズ自体無い方をお客様にしていきます。
なので、そもそも比較されることはほぼなく「●●さんに任せる」という心理になります。
反面、反響営業はお客様自身が能動的に問い合わせをしてくる分、他社へも聞いている可能性が高いです。
そのため「商品(サービス)」で比較されることが多く、ここが他社と比較して劣っていると成果に繋げづらいです。
また、「商品力(サービス力)」強化のために、お金がかかってしまいます。
不動産源泉営業のデメリット
こう書くと源泉営業はメリットばかりですが、そうは問屋は卸しません。
もちろんデメリットはあります。
ただ、一つだけです。
それはきついということ。
源泉営業は基本的に断られることを前提にしています。
ニーズの無いところに飛び込むのですから当たり前です。
ただ、頭でわかっていても、何百件・何千件と断られると精神的にきついです。
なので相当目的意識が強い(お金が欲しい!成り上がってやる!)か、頭のねじが外れていないとできない営業手法でもあります。
余談ですが私が電話営業をやっているときに奥様に電話がつながり、
「ご主人様いらっしゃいますか?」
と聞くと
「主人は死にました」
と言われたことがあります。
ただ、前日ご主人と話をしていたので、奥様のブロックかと思い問いただすと延々とお経を唱えられたことがあります。
最初は面白半分で聞いていましたが、10分経っても、20分経ってもずっと唱えています。
さすがに怖くなって最後は切りましたが、こんな案件ばかりにあたると真面目な方は精神を病んでしまいます。
(ちなみに後日お電話したらしっかりご主人様には出ていただきました)
不動産源泉営業の種類
さてここまで源泉営業の概略についてお伝えさせていただきました。
では不動産営業での源泉営業の種類はどんなものがあるでしょうか?
代表的な種類をまとめましたので、ひとつづつ解説していきます。
電話営業 | ・投資用マンション販売 ・ワンルーム物上げ ・新築マンション販売 |
飛び込み営業 | ・ワンルーム物上げ ・新築マンション販売(最近はだいぶ減りましたが) ・地上げ屋 |
キャッチ | ・新築戸建て営業 ・売買仲介(主に客付け) ・投資用ワンルーム |
電話営業
・電話営業をする業種:投資用マンション販売/ワンルーム物上げ/新築マンション販売
まず最初は電話営業です。
この間、私の経験談で大分伝わったかと思いますが、改めて流れを解説します。
- 公務員や薬剤師、医者などの名簿に片っ端から電話(1日数百件)
- そのうち数件が話を聞いてくれる(その場でアポが切れないことが大半なので追客リストになる)
- 何度か話し、人間関係を作ってAPOを切る
- クロージング(数時間かかることも。私は最長12時間です)
ざっとこんな流れです。
ずっと耳に受話器を当ててるので中耳炎になりやすいのが難点です。
飛び込み営業
・飛び込み営業をする業種:ワンルーム物上げ/新築マンション販売(最近はだいぶ減りましたが)/地上げ屋
飛び込み営業は字のごとく、1軒1軒チャイムを押してお客様を開拓する源泉営業手法です。
基本的な流れは電話営業と同じで、電話がピンポンに変わっただけです。
以前は不動産購入顧客を探すためによく使われていましたが、そこに間違いなく住んでることが分かるので最近は物上げでよく使われます。
特にワンルーム物上げ業界では最近トレンドみたいです。
キャッチ
キャッチする業種:新築戸建て営業/売買仲介(主に客付け)/投資用ワンルーム
キャッチは看板に身体を挟む通称「サンドイッチマン」(オー〇プンハウスのあれです)や、春の風物詩でもある駅前で名刺交換を求めるあれも含めます。
主に購入顧客を探すために使われることが多いです。
サンドイッチマンについては本当に決まるのか疑問で、一度某企業の営業の方に聞いたことがあるのですが、全体の3割はサンドイッチマンから決まるそうです。
侮れません。
不動産源泉営業のコツ
最後に不動産源泉営業のコツについてお伝えさせていただきます。
一言でいうと、メンタルを保って数をこなすこと。
源泉営業は基本的に断られるのが大前提です。
なので、一喜一憂しているようだと、メンタルをおかしくします。
いかに機械になって数をこなすかが成功するかどうかの分かれ道です。
一旦成功の道筋に乗ってしまえば、日本の職業の中でもトップクラスの給与を獲得することができます。
これを機にぜひ「源泉営業」にチャレンジいただければ幸いです。