【難しいからこそ知っておきたい】不動産取引にかかわる土壌汚染のはなし

土壌汚染とは

「土壌汚染」？？　あまり耳にしない言葉かもしれません。

日本の高度経済成長期、製品や材料の製造過程で発生した有害物質が不適切に処理された結果、水質汚染や大気汚染が発生し、公害として大きな社会問題となりました。

大気は霞んで視界が悪くなり、河川は異臭を発して悪化して、生き物が死滅しました。さらには、人への健康被害も各地で発生し、多くの人が生活に苦しみました。

今日では、環境配慮や技術革新が処理技術を向上させ、水質汚染や大気汚染を量的・質的に大きく改善し、環境は目に見えて良くなりました。

それでは、「土壌汚染」はというと、、、。

水質汚染と違って地中のことで目に見えず、普段の生活で気づくことはありません。土壌汚染が手付かずのまま放置されていることも、深刻な汚染に気づかないこともほとんどです。

しかし、何らかのタイミングで土壌汚染が発覚すると、それを改善するために多大な時間やコストがかかるケースも少なくありません。

土壌汚染のメカニズム：土壌汚染は、見えない地下で深刻化する。

土壌汚染調査を行うタイミング

土壌汚染調査を行う目的は、概ね以下があげられます。

「土壌汚染」はあまり知られていないので、不動産会社のベテランの人でも、「初めて」とご相談いただくこと多いです。

工場の廃止や土地を売買する直前で、土壌汚染調査の必要性に気づかれるケースが圧倒的に多く、そうなると工場廃止日や契約日のギリギリまで心配し、不安になります。

経験的には、土壌汚染が見つからず安心したケースが多いですが、中には土壌汚染が発覚し、土壌汚染対策の時間やコストが捻出できず、契約が白紙になる事例もありました。

土壌汚染調査の必要性に早く気づき、専門会社に相談し、最初の心配や不安を払拭することが大事です。

土壌汚染調査のメニュー

土壌汚染調査のメニューです。

どんな目的で、その土地にふさわしい調査を選択することが重要です。

例えば、土地の売買では、関係者の要望によっては、地歴調査だけで済まず、土壌汚染調査（フェイズ２）を求められる場合もあります。

元来より住宅や駐車場の土地売買で、土壌汚染調査を行うとしたら、地歴調査で充分かもしれません。

過去に工場等がないことがわかれば、安心できます。

過去に工場の存在がわかった場合は、土壌汚染調査（フェイズ２）を行い、判定基準に適合したら問題ありません。

土壌汚染調査の費用

調査の費用は、調査地の規模や状況で異なります。

※概算金額はあくまで目安で、諸条件があります

よく尋ねられる費用に関する質問に、「1ポイントいくら？」「1坪いくら？」があります。

調査方法は全国共通の決めごとがありますが、ご相談いただく土地の状況はさまざまで、上記の質問では費用は出てきません。

まとめ

これまでの土地取引の物件で、土壌汚染調査業務の専門家として携わった経験から、不動産会社の営業マンが感じる心理的なストレスは、以下だと思います。

一方で、「いろいろ不安を抱えたが、調査をしたら大事には至らなかった」というケース、あるいは、「そもそも土壌汚染を心配する土地ではなかった」ということも多いです。

土壌汚染の心配と課題は、専門会社に相談して解決した方が間違いありません。