今回は、リフォーム・リノベーション事業におけるコンテンツSEOについてご紹介します。
不動産事業と同様に、ここでもSEOが肝になります。
まずはおさらいとしてですが、SEOとは、Search Engine Optimizationの略。
「検索エンジン最適化」のことを意味します。
Webサイト運営者が行うサイト改善策の一つで、Web検索サイト(検索エンジン)の検索結果リストの上位に表示させるために様々な工夫を行うことを指し、SEO対策を適切に行うことによって、ユーザーが自社のサイトを見つけることを促し、情報をきちんと届けることができます。
この記事では、
・リフォーム・リノベーション事業におけるコンテンツSEOの具体的な考え方
・リフォーム・リノベーション事業のコンテンツSEOの事例
についてまとめていきます。
リフォーム・リノベーション事業で必要なSEO対策の視点
ここは大きく分けて
・ロングテールワードを具体的に深ぼるSEO対策
上記2つの視点があります。
順に説明していきます。
ニーズを満たすSEO対策とは
まずは【ニーズを満たすSEO対策】についてですが、不動産事業同様にリフォーム・リノベーション事業のSEO対策では
・リフォーム関連キーワード
上記のキーワードを強化していくことが重要です。
加えてリフォーム・リノベーション事業の場合は、検索キーワードとして現れている顕在ニーズと、検索キーワードには出てきていない潜在的なニーズの両方を考えていくことが必要になります。
例えば「子供部屋を作りたい」というニーズには、「学習環境を整えたい」という潜在ニーズが隠れています。
また「在宅時間が増えてリラックスできる空間にしたい」というニーズには、潜在ニーズとして「料理が趣味なので料理しやすいキッチン周りにしたい」が含まれているかもしれません。
ユーザーは、実際に検索しているキーワードとは別の、より深い目的があるので、悩みや課題、目的から逆算をしたコンテンツも作ることが必要であり、これらのコンテンツに対してもSEO対策を図っていくことが可能です。
つまり、リフォームのプロセスなどの基礎知識や事例などは顕在的ニーズに応えるためには大切なものの、潜在ニーズとして隠れている叶えたい要望や課題解決に訴求できる「課題解決型の記事」を作成することも重要視すべきだということです。
課題解決型の記事で検索されそうなキーワード市場でも戦っていかないと、インターネット上で自社を見つけてもらうのはなかなか難しい状況になっています。
どうしても、一括反響サイトやポータルサイトに頼りがちですが、エリアを絞ってSEO対策をしていくことで、顧客課題に深く答えを出せるSEO対策が強化できるようになります。
また、注文住宅領域と同様に、事例ベースで情報をネット空間に量産していくことは、ユーザーの理解促進だけでなく、キーワード対策効果も出すことができます。
ニーズを満たすSEO対策の具体的な考え方
ここまで、コンテンツ作成をする際は顕在ニーズと潜在ニーズに応えるキーワードを用いることが重要だと述べてきました。
ここからは実際に使えるツールや考え方をご紹介します。
まずは顕在ニーズについてから。
読者の顕在ニーズは、SEOキーワードを見れば大体予測がつきます。
最近では、対策したいキーワードに対するサジェストキーワードをだしてくれる無料ツールも充実しているのでぜひ活用してみてください。
たとえばKOUHO.JP
KOUHO.JPは、アイスタイル株式会社が運営するサジェストツールです。
Googleサジェスト(現在調整作業中のため、未対応)、Amazonサジェスト、楽天サジェスト、Bingサジェスト、Twitter共起語、と多彩なキーワードを分析することができます。
無料ユーザー登録をすると、30件まで検索履歴を残すことができるようになります。このほか「サジェストキーワード」と検索すると色々とでてくるので、ぜひ試してみてください。
では次に、潜在ニーズのキーワードをどのように見つけて、コンテンツを作っていくのかについてもご紹介していきます。
潜在ニーズは、ユーザーが自身で把握していないニーズであり、顕在ニーズの奥底にあるニーズのことです。
たとえ顕在ニーズが同じだったとしても、潜在ニーズはユーザーによって様々です。
よって、潜在ニーズを考えるためには読者設定(ペルソナ設定)が重要です。
ぜひどんな読者に届けたいのかを自社で整理してみましょう。
そして読者を設定できたら、次にその想定した読者は、なぜそのキーワード(顕在ニーズ)を検索したのか?具体的にどんな暮らしを実現したいと思っているのか?を考えていきます。
冒頭で紹介した「子供部屋を作りたい」と考えている読者を例に考えてみます。
「子供部屋を作りたい」という顕在ニーズの奥にはどんなニーズがあるのか。
例としては「学習環境を整えたい」という潜在ニーズをご紹介しましたが、もしかすると、「子供の自立として子ども部屋が必要だけど、家族との交流が減ってしまうような部屋のつくりは嫌だ」という課題感を持っているかもしれません。
つまり
・読者の言葉になっていない潜在的なニーズがどんなものか?
・どういったキーワードを含めると良いかを洗い出す
・含めるキーワードを決定し、コンテンツを作成する
という流れで、潜在ニーズを深堀りし、コンテンツを作っていきます。
最後に「キーワード」選定の軸として重要な検索ボリュームについてもご紹介します。
効果的なSEO対策を実現するには、どの検索ボリュームゾーンでコンテンツを作るのかを戦略的に選ぶ必要があります。
検索ボリュームの大小によって「ビッグキーワード」「ミドルキーワード」「ロングテールキーワード」に分けられます。
「ビッグキーワード」は、多くの人に検索されてるキーワードのこと。例えば不動産業界だと「賃貸」「新築マンション」などがそれに当たります。
多くの人が検索するキーワードはコンテンツとしてもたくさんの競合がいるので、検索上位表示の難易度が高くなります。
「ロングテールキーワード」は、検索ボリュームが比較的小さいキーワードのことを指します。
ロングテールキーワードは、競合が少ないため比較的、上位表示を狙いやすいキーワードです。
さらに、検索意図が明確であることが多いので、記事内でのコンバージョンなども高くなる傾向があります。
ここについては次の章で詳しく説明します。
「ミドルキーワード」は「ビッグキーワード」と「ロングテールキーワード」の間のキーワードです。
このように、キーワードによって上位表示の狙いやすさが変わります。
難易度が低いロングテールキーワードで着実に流入を積み上げていき、ゆくゆくその記事でミドルキーワード、ビッグキーワードのトピックへの動線をつくるという戦略も考えられます。
コンテンツ制作の際には、この検索ボリュームの視点も持って効果的なコンテンツSEOを狙っていきましょう。
ニーズを満たすSEO対策の事例
具体的にいくつか、コンテンツSEOの事例もご紹介します。
事例①子ども部屋のリフォーム
エリア名+リフォームキーワードの「顕在ニーズ」のキーワード対策だけでなく、この施工事例の紹介記事には「個室だけど孤独にならない子供部屋を作りたいと思い、セダー建設さんに相談しました。」という紹介も添えられています。
2人以上のお子さんがいる親御さんが潜在的に感じているニーズがきちんと組み込まれている事例です。
引用:cedar.jp/danran/2062/
事例②洗練された大人空間へのリフォーム
こちらの事例もエリア名+リフォームキーワードの「顕在ニーズ」のキーワード対策だけでなく、「大家族 集まれる」など読み手が潜在的に感じているであろうニーズも含めて記事化しています。
引用:http://www.reform-fukuoka.jp/works/kitchen/1207/
ロングテールワードを具体的に深ぼるSEO対策とは
次に【ロングテールワードを具体的に深ぼるSEO対策】についてです。
前の章で検索ボリュームの大小によって「ビッグキーワード」「ミドルキーワード」「ロングテールキーワード」に分けられると記載しました。
リフォーム・リノベーションというキーワードは、超がつくビッグワードです。
つまりこのワードを使っても大企業や超有名サイトでない限り悲しいですがSEO対策にはなりません。
よって、言わずもがなだとは思いますが、中小企業が特に注力すべきはロングテールワードです。
ロングテールワードとは、2つ以上の単語を掛け合わせて検索されるキーワードのことです。
これが具体的、且つ複数になることで検索結果が絞られ、競合となるサイトが少なくなることを利用し、検索上位を狙うというわけです。
例えば
キーワード | 検索結果数 |
リフォーム | 210,000,000件 |
リフォーム バスルーム | 12,600,000件 |
リフォーム バスルーム フローリング | 8,010,000件 |
このような感じで、関連するキーワードが増えるほど検索結果数=ライバルサイト数が減り、自社のサイトを見つけてもらいやすくなるというわけです。
ロングテールワードを具体的に深ぼるSEO対策の具体的な考え方
リフォーム・リノベーションから派生するロングテールワードの数はかなり多いので、選定する際には会社の特徴に合わせてそのロングテールワードをいかに細かく、具体的にするかということが非常に重要となります。
この考え方を元にロングテールワードを決めたら
・How toを記事化
・お悩み解決のプロセスを記事化
この3観点で記事を作っていくことがおすすめです。
ロングテールワードを具体的に深ぼるSEO対策の事例
事例①具体的に紹介する事例をBefore→Afterで記事化
「リフォーム ビフォーアフター バスルーム」と検索し、上位に表示されたのが神奈川県の生田エリアで不動産事業をしている会社の記事です。
「リフォーム ビフォーアフター」だけではかなりの検索数があり上位表示はされていませんが、そこに「バスルーム」と具体的な事例ワードが入ることで上位表示されています。
キーワード | 検索結果数 |
リフォーム ビフォーアフター | 2,370,000件 |
リフォーム ビフォーアフター バスルーム | 325,000件 |
参照:株式会社アゼリアホーム
https://www.azalea-home.co.jp/renovation/?id=1640407014-146265&ca=3
加えて、このような具体的な事例を元にコンテンツ化する際は、「エリア名」も必ず入れるようにしましょう。
リフォーム業界はエリアに根ざしたサービス提供がほとんどなので、エリア名を記事の中にに入れ、商圏内のお客さんにアプローチできるようにすることは重要です。
事例②How toを記事化
会社の特徴に合わせたキーワードに対してのHow to、おすすめ方法を記事にすることも検索上位を狙うのに効果的です。
・方法 わかりやすく
・方法 初心者
など、検索する人がどんな情報を求めているかを想像してロングテールを設定してみましょう。
キーワード | 検索結果数 |
リフォーム 壁紙 | 18,600,000件 |
リフォーム 壁紙 失敗しない方法 | 4,550,000件 |
参照:リフォームガイド
https://www.reform-guide.jp/topics/reform-kabegami-erabikata/
事例③お悩み解決のプロセスを記事化
お客様(読み手)がどんなお悩みを抱えてリフォーム・リノベーションをしたいと思っているかを想像してキーワードを設定する方法です。
参考事例で取り上げたのは、リフォーム中のペットに関するお悩みですが、「リフォーム 猫」の先に想定できる具体的な悩みとしては、例えば
・預かり先
・床
など、いくつも考えることができます。
自社の特徴や今までの実績からお客様の悩みを解決できるキーワードを拾って記事にしてみましょう。
キーワード | 検索結果数 |
リフォーム 猫 | 17,100,000件 |
リフォーム 猫 脱走防止 | 457,000件 |
参照:有限会社スズユウ工務店
https://www.suzuyu.net/work/1850/
まとめ
今回は、リフォーム業界におけるコンテンツSEOについてご紹介しました。
ニーズを満たすSEO対策、ロングテールワードを具体的に深ぼるSEO対策のどちらもコンテンツ作成には手間がかかりますが、記事を作成していくプロセスは自社がつながりたい顧客像の整理にもなるので、回り回って経営戦略などにもプラスの影響をもたらす副次的な価値もあります。
ぜひSEO対策をただ面倒な記事作成作業と思わず、強い事業基盤の築き上げに活かして頂けたらと思います。