中小の不動産事業者に必要なのはAI査定。24時間受付型の仕組み構築の重要性

中小の不動産事業者は資金的な問題や、人員不足、ITリテラシーが低いことなどがビジネスの弊害になることが往々にしてあります。
その1つの解決策として、最近「AI査定」に関するサービスがいろんな企業から出ていて、何かしら見たり、聞いたりしたことがある方も多いのではないでしょうか?
今日はその中でも特によく耳にするAI査定ツール「HowMa」を事例に取り上げて、AI査定の可能性についてまとめていきます。

AIを使いこなせば、接客の半自動化や受付時間の24時間化など、人を使わずに効率的に業務をさばける仕組みを作ることができるようになるばかりではなく、見込み顧客や売り上げの数字曲線の判断もできるようになるなど多くのメリットがあるので、何かしら事業戦略のお役に立つような内容となれば幸いです。

この記事では

・AI不動産査定ツール「HowMa」
・AI不動産査定ツールの活用法
・AI査定の可能性

についてまとめていきます。

AI不動産査定ツール「HowMa」

「HowMa」は株式会社コラビットが運営するAI不動産査定サービスです。
この株式会社コラビットは不動産業界に様々な“負”を感じ、「イノベーションで社会問題を解決し続ける」というミッションのもと、革新的な推定AIを開発・運用をしています。
「HowMa」を軸にtoC向け、toB向けの両方にサービスを展開していますが、まずがtoC向けの「HowMa」についてご紹介します。

概要

HowMa

参照:HowMa
https://www.how-ma.com/

「HowMa」は膨大な量の公開情報と人工知能技術を利用し、独自のアルゴリズムにて、全国のマンション・戸建の売買価格や賃料を推定するサービスです。
不動産の売却検討者はHowMaを使うことで家がいくらで売れるのかをオンライン上で無料で簡単に査定することができます。

HowMa,特徴

HowMaを使った不動産の査定と一般的なものとの違いは大きく4つの違いがあります。

①瞬時査定

使い方についてはこの後詳しく記載しますが、画面の案内にそって2~3分程度で終わる量の必要情報を入力すると瞬時に査定額が表示されます。
コラビット社によると査定価格は独自のロジックで導き出しているそうなので具体的な算出方法は公開されていませんが、まず不動産情報サイトと提携して膨大な量の不動産取引のデータやその他の公開されている情報を収集し、その情報を不動産鑑定理論や不動産会社が行う査定方法などで加工して推計しているそうです。
ちなみに1年間で集めるデータは120万件にも及ぶとのこと。

②匿名OK

メールアドレス入力は必要ですが、匿名で査定が出来るため個人情報が漏れる心配がなく個人情報保護の観点からも安心して査定することができます。
AI査定を利用しても顧客の個人情報が不動産業者に渡ることはないので、面倒な営業電話などがかかってくることもありません。

③営業電話なし

上記でも記載しましたが、このサービスはまず相場を把握してもらうためのものなので、不動産会社からの営業電話がかかってくる心配はありません。

代表取締役の浅海氏によると

・自分の自宅を売却しようとした際、不動産仲介会社からの電話が多くて困った
・複数の会社から営業電話がジャンジャンかかってくる
・査定のために自宅に訪問してくる不動産会社までいて、営業攻勢のすごさに嫌な思いをした

このような経験から、査定を依頼する側の負担を減らすことを念頭においてサービスを考えたそうです。

④データに基づいた客観的な査定

一般的な不動産会社の査定にはどうしても人の主観や会社の狙いが入り込んでしまうことが往々にして起こります。
HowMaはデータドリブンなサービスなので人の主観が入らない、客観的でフラットな査定を可能にします。
ざっと概要を並べてみましたが、HowMaは一般的な一括査定サービスでは登録した直後に、複数の不動産会社からいきなり営業電話がかかってきて不快だ、、という消費者インサイトをもとにした体験設計が徹底されているように感じますね。
AIによる査定を採用することで迷惑な営業電話は一切なく、査定された価格を確認した上でじっくりと不動産の売却活動を進めることができるのはユーザーにとって大きなベネフィットであると言えるでしょう。

サービスの使い方とユーザーの体験

次に実際にユーザーがHowMaを使うどうなるかを見ていきたいと思います。
サイトにアクセスすると「戸建」か「マンション」どちらの査定を希望しているかが表示されるので選択します。

HowMa,使い方

その後、自宅の住所の入力画面が表示されるので、項目にそって入力していきます。

項目は、

・郵便番号
・住所
・建築年
・延床面積
・土地面積
・住居の状態

などです。

これらを入力して「次へ」のボタンを押すと、瞬時にAI査定価格が表示されます。
(アカウント登録をしていないと、「次へ」を押したあとにメールアドレスの入力が促され、メールアドレス登録後にAI査定価格が表示されます。)

HowMa,使い方

結果として表示されるのは

・売却時の査定価格
・賃貸として貸したときの推定賃料
・同じエリアでの最近100件の取引価格
・同じエリアでの過去1年間の販売物件数の変化

などです。

売却したときの価格だけではなく、賃貸したときの家賃も同時に査定してくれるので自宅をどのように扱うべきかという選択肢が広がる部分もユーザーとしてポイントが高いと思います。
また、住宅ローンの情報を入力することで、売却時の手残り金額を計算できる機能を備わっているので、いつ売却しようといった計画も立てやすいですね。

HowMa,使い方
メールの設定をしておけば、最新のAI査定価格やオファー情報、近隣の販売物件や売出数、周辺エリアの相場情報などがメールで届くようになるので、すぐに売却する予定はなくとも、今住んでいる自宅がどのくらいで売れるかを把握しておくのにも活用できます。

HowMa,使い方

コラビット社によるとHowMaの利用者のうち、今すぐ家を売りたい人は15%ほどで、価格を見て考えたい人が50%、売りたくはないが価格を知りたいという人が30%ほどの割合とのことです。

AI不動産査定ツールの活用法

ここまではユーザー視点での「HowMa」をまとめてきましたが、ここからは不動産業者の視点でまとめます。
コラビット社はtoC向けサービスであるHowMaから得たデータや推定した不動産の価格情報などを、不動産相場マップや家の資産価値把握ツールとして、不動産オーナー向けに一般公開するとともに、不動産関連サービスや不動産事業を展開されている事業者などにも提供しています。

主なサービスとしては

①不動産データ連携
②自社サイトへのAI査定機能導入サービス
③不動産経済研究所が保有するデータによるマンション市場分析ツール
④不動産投資営業サポートツール

などデータとAI技術を活用したサービスを提供しています。

今回の記事ではタイトルにもあるように、中小の不動産事業者にとってAI活用はメリットあるものだということをお伝えしたいので、「②の自社サイトへのAI査定機能導入サービス」に絞ってまとめていきます。

AI査定機能の導入「AI査定プラス」

2021年7月にコラビット社からリリースされたのが中小不動産会社向けにAIを使った住宅価格の査定サービス「AI査定プラス」です。

AI査定プラス

参照:AI査定プラス
http://collab-it.net/service/ai/

簡単にサービスを説明すると「AI査定プラス」を導入すると、自社のウェブサイトで不動産のAI価格査定が実施できるというものです。
全国のマンション、土地、戸建に対応しており、大規模な開発は不要。すぐにAI価格査定機能が自社ウェブサイトに設置されます。

AI査定機能の導入メリット

①手間なく簡単に導入できる

導入に必要なものは

・ホームページ等へリンクボタンの設置
・受信用メールアドレスのご用意

この2つだけです。
AIの独自開発や大規模なシステム連携開発などは不要で、ホームページ等へのボタンの設置とメールアドレスの準備だけで、すぐにAI査定機能の導入が可能となります。

②売却の反響獲得の武器になる

AI査定を利用しての売却に興味のある潜在顧客に対して効率的にフォローの連絡をすることが可能となります。
また、AI査定はさまざまな実績数字を元に、各種条件による補正をして、見込みの売却価格を提示できるものです。ポータルサイトや一括査定サイトからの反響を、まずはスピーディーに査定価格を提示し、顧客に打ち返すことができるのは反響獲得の上で非常に有効です。

③査定業務の効率化

価格を知りたいだけの査定依頼にはAIが自動で対応するため、査定業務負荷が軽減され売却に興味のある見込みの高い顧客への対応に集中することができます。
スピード命、且つどこの業界でも人材が不足しているのこの時代において、いかに人の手に頼らずにデジタルやAIで対応できるようにするか、ということは事業を継続させていく上で重要な観点です。
そしてそれらの対応をユーザーが欲するときに瞬時に返せるという設計はUX(顧客体験)向上に大きく影響してくるものです。

AI査定の可能性

今回例に挙げたコラビット社のサービスは自社サイトに専用のリンクを設けるだけで、一般に1~2時間かかる査定額の算出が10秒程度でできるようになるものです。
AI査定ツールを利用することの不動産事業者側メリットとしては、シンプルですが人的スピードをあげて、顧客対応力をあげることができるという点です。

仮に売却用のポータルサイトを使って大きな反響を得ることができたとしても、大量の問合せ対応業務に追われ、限られた生身の人間のリソースだけでは対応しきれない問題も発生します。
せっかくポータルサイト掲載費や広告費を投じて得た反響でも、対応しきれなければ非常にもったいないです。
そのような機会損失を防ぐためにもこういったツールを使うのは有効な手段の1つです。

また、上記でも記載しましたが、人材不足という状況にありながら人々は瞬時(=自分が欲しいときに得られる)情報を求めています。
テレビ番組の時代からNetflixやYouTubeの時代へと遷移しているのは、自分が見たい時に見れるという需要の現れだと思っており、人々の意識は「自分の時間」というものにフォーカスしているように感じます。

・営業業電話が来ないこと
・オンライン上ですぐに査定価格がわかること
・欲しい情報がAIチャットなどですぐに返ってくること

などは今消費者が求めているベネフィットであり、これらに対応できる事業者というのは今後さらに需要が高まると考えられます。

まとめ

AI査定システムの導入により24時間受付型の仕組みが構築され、ユーザーが好きなときに自社サイトでサービスを利用できることはユーザーにとっても不動産事業者にとってもメリットのあるwin-winの関係が築けるものです。
一方HowMaの公式サイトには、「できないこと・苦手なこと」として

“現地に訪問せず、AI(人工知能)が自動的に査定するため、建物のグレードや物件ごとの特徴などを加味する事ができません。そのため、周辺に比べて特徴が大きく異る物件の価格査定が苦手です。査定額に違和感を感じたら、ご連絡をいただけますと幸いです。”

という一文があります。
非常に便利でユーザーベネフィットに溢れるAI査定ですが、このようにまだまだ正確に査定ができないことや、実際の売却価格とギャップがあることも現状ではあります。

しかし、VRやARといった技術しかりさまざまな技術が発達している昨今において、そこには目まぐるしい進歩があることでしょう。
発達しきっていない足下の部分だけを見るのではなく今後を見据え、DX推進のきっかけとして期待が高まるAI査定について一度検討してみてはいかがでしょうか。

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