今回は、不動産業界におけるランディングページの活用方法についてご紹介します。
まず、ランディングページという言葉を聞いたことはありますか?
一般的には購入やお問い合わせといったコンバージョンの達成に特化したWebページのことで、縦長の1枚完結のペライチのページです。
デジタル広告と組み合わせて運用し、他にクリックして飛べないように、言いたいことだけをまとめあることが特徴です。
ちなみにランディングページはアルファベットの頭文字をとって「LP(エルピー)」と呼ばれることが多いです。
この記事では、
・ランディングページを不動産業界で活用するべき理由
・不動産業界で効果的なランディングページを作成するときのポイント
についてまとめていきます。
ランディングページの概要
そもそも、ランディングページとホームページは何が違うのでしょうか?
「LP、LP」と何度も耳にしたことがある方も多いかもしれませんが、ホームページとの違いってちょっと曖昧になりがちですよね。
ランディングページの概要の前に、このホームページとの違いを少し簡単に説明させていただきます。
数あるWebサイトには、コーポレートサイト、ECサイトなどの分類がありますがそれらはどれもホームページの一種です。
ホームページは、複数のページが存在し、複数のページの中に様々な情報が盛り込まれています。
ホームページの一番大事な目的は「情報を伝える」ことです。
一方でランディングページというのは、購入やお問い合わせといったコンバージョンの達成に特化したWebページで、ページは1枚のみです。
対象の商品やサービスに関する情報を載せて、商品の強みやメリットを記載し、お客様にアクションを促す内容が一般的で、一番大事な目的は「お客様に特定のアクションを起こさせる」ことです。
ざっくりとですが、ホームページとランディングページの特徴を比較してみるとこのようになります。
ランディングページは1枚のページで伝えたいことを伝えたい人に届け、アクションに繋げることを目的としているのでページの構成も非常に重要です。
一般的なランディングページの王道で言うと、大きく分けて「ファーストビュー」「ボディ」「クロージング」の3つのパートから成り立っています。
そして、それぞれのパートには次のような要素を組み込みます。
①ファーストビュー
キャッチコピー&アイキャッチ画像
クリックボタン
② ボディ
導入文
商品やサービスの情報
メディア掲載実績・体験談など
③ クロージング
よくある質問・導入の流れ
入力フォーム
①ファーストビュー:求めている情報があることを伝える部分
「ファーストビュー」はお客様がランディングページで最初に目にする部分であり、続きを読むかどうかは約3秒で判断され、直帰率(ページから離脱する割合)は70%以上とも言われています。
そのため、大事な情報、つまりお客様がもっとも知りたいと思っている情報をファーストビューに盛り込まなければなりません。
②ボディ:なぜお客様にとって役立つのかを伝える部分
ランディングページの「ボディ」にあたるエリアでは、このオファーがなぜお客様にとって役立つのかを説明します。
そのため、ファーストビューで訴求した魅力的なオファーを裏付けし、信頼を得るための要素を盛り込むことが必要です。
③クロージング:疑問を解消しアクションを促す部分
ランディングページの「クロージング」は、お客様の疑問や不安を解消し、申し込みや購買といったアクションを促すためのパートです。
商品やサービスの簡便性・希少性・特典・保証などを伝え、「今買うべき」「行動しないと損するかも」と思わせた上で、お客様の疑問や不安に先回りして答えます。
これがランディングページの基本構成です。
ホームページとの違いやランディングページの役割などは整理できましたか?
ランディングページを不動産業界で活用するべき理由
ランディングページの概要をおさらいできたところで、気になることは
「果たして本当にランディングページを活用して広告やサイトを展開することは効果的なのか?」
ということだと思います。
こう聞かれたときの答えは【YES】です。
なぜならば、まず大前提、ランディングページを作ることに意義があるからです。
大抵の不動産仲介会社の自分たちの強みを明確化できていない場合が多いです。
不動産仲介会社の他社との差別化は企業規模や保証規模の大小でほぼ決まってくるため、具体的なビジネス計画が経営戦略やブランド戦略、CS(カスタマーサービス)戦略に落とせていない限り皆無というくらい、不動産仲介会社は差別化が難しく、できていない会社がほとんどです。
そういうときにランディングページを作ることで、自分たちの強みやサービスの具体化を考えるきっかけになります。
1つ前の章で基本的な構成について言及しましたが、最低限そこを守れば上手いか下手かはひとまず置いておいていいので、まずは自社の強みやサービスをきちんと整理することが大切です。
根を詰めて経営計画書としてまとめるのは大変ですが、そういうときに気軽に取り組めるランディングページをフックに整理してみることは非常に良いきっかけとなります。
不動産業界で効果的なランディングページを作成するときのポイント
最後に実際にランディングページを作成する際に重要なポイントを3つご紹介します。
①お客様にどんなアクションを起こして欲しいのかを明確にする
ランディングページとホームページの違いの部分でも説明しましたが、ホームページがお客様に伝えたい情報をまとめて記載しているのに対し、ランディングページは「問い合わせにつなげたい」「内覧予約をしてほしい」「物件を購入/契約してほしい」など、あらかじめ設定したゴールにお客様を誘導するために有用な情報だけに絞って記載しています。
不動産仲介会社におけるランディングページのコンバージョンとしては
・内覧のお問い合わせ
・会員登録
・資料請求
・ホームページを閲覧した上での来店
などが不動産仲介会社のランディングページのコンバージョンであると考えられます。
コンバージョンが明確でなければ効果のあるランディングページを制作することは難しいので、まずはサイトを訪問したお客様にどのようなアクションを促したいのか、コンバージョンを具体的に設定してください。
②ファーストビューでしっかり伝えたい価値を訴求する
ファーストビューについては前の章でも記載しましたが、この部分はページにやってきたすべてのお客様に見てもらえる部分ですから、ここで会社として何を訴えるかがかなり重要です。
お客様がLPを訪問しこのページを読み進めるか否か判断するまでの3秒で、いかにお客様にとって有益なページであることを伝える必要があります。
・商品の強みやユーザーメリットがよく分かる
・ファーストビュー内にクリックボタンを付ける
・ターゲットに適したデザイン・トンマナにする
特にこの辺りは最低限意識して作るだけでコンバージョン率に大きな差が生まれます。
③アクションをするとどんな「メリット」があるかを分かりやすく伝える
ランディングページにお客様をコンバージョンへと誘導する役割があることはくどい程述べていますが、コンバージョンを達成するためには、いかにしてお客様に自分ごとだと思ってもらい、アクションすることでメリットがあると思ってもらえるかが重要となります。
不動産仲介会社であれば
・一人一人に合わせたご提案
・地元密着で大手サイトでは扱っていないレアな物件
・仲介だけじゃなく土地活用のご提案も可能
などなど、自社にアクションを起こす具体的なメリットを分かりやすく、そして一貫して伝えることです。
上記のようなメリットを伝える上で使えるテクニックとしては、心理学の「快楽と痛みの原則」を用いて、「快楽を得られる」または「痛みを回避できる」といった2つのアプローチ方法が効果的です。
まず「快楽を得られる」アプローチ方法とはお客様の問題を払拭し、快適な状態にしてあげることを提案する手法です。
まずは、お客様が抱えているであろう悩みを指摘・共感し、「私のことを分かってくれている」という信頼感を醸成します。
その上で解決策を提案することで、途中で離脱せずに読み進めてもらうモチベーションを生みます。
この部分を作り込む際は、自社の思い込みで考えるのではなく、できれば実際のお客様に直接、悩みや課題をヒアリングすることができるとベストです。
そして「痛みを回避できる」アプローチ方法はお客様が意識していない問題点を指摘したり、思い込みを覆したりすることで興味喚起を図る手法です。
人間は得をしたいという欲よりも、損をしたくないという不安のほうが心理的に強く働くので過剰に不安を煽りすぎるのは良くないですが、興味をもってもらえる程度にこの手法を使うのは効果的です。
④素早くPDCAを回すために具体的な目標を設定する
ランディングページを作って満足してしまわないよう、目的に沿った数値的な目標設定も需要です。
目標を設定しないと、ランディングページの導入の効果が分からず、導入して効果があったのかどうかの判断がしづらくなってしまいます。
目標設定の例としては下記のようなものがあげられます。
・月間売り上げの〇〇%をランディングページから獲得する
・月間〇〇件のアクセスを獲得する
事前に想定した目標に対して、どれくらいの成果を出せたのかを公開後に収集したデータを検証・改善し、ランディングページを育てていく必要があります。
ランディングページのメリットの1つに、1ページだけなのでホームページなどに比べて分析が比較的容易で、改善点が把握しやすいという点が挙げられます。
最初に明確な目標を設定することで、コンバージョン結果にズレがあった際の軌道修正が細やかに、迅速に実施することができます。
まとめ
不動産業界でもランディングページを活用することで、より反響を大きくして、コンバージョンにつなげることが出来るようになるでしょう。
まずは、ランディングページを作成することをフックに自社の強みやサービスを今一度整理してみることから始めてみることをお勧めします。