みなさん、営業活動の一貫として何かとお客様にメールマガジンを送っていませんか?
今回は、不動産業界におけるメールマガジンの最新トレンドについてご紹介します。
この記事では、
・不動産業界のメールマガジンの最新トレンド
についてまとめていきます。
不動産業界のメールマガジンの現状
メールマガジンのブームは2000年代頭から始まりいまだに続いており、業界にかかわらず、さまざまな営業活動に取り入れられています。
不動産営業においては、顧客への情報発信や関係構築の面で効果が期待できるアプローチ方法の一つとされ、特に物件情報や売却訴求などのメールをCRMと称してバンバン送っている会社や営業マンの方は大勢いるのではないでしょうか?
一方、こと自分がお客様の立場に立った時、メールボックスに貯まる山のような未読のメール。
そのまま開封されずに溜まっていくか、アーカイブされゴミ箱に入れられてしまうことがほとんどです。
お客様もはや伝統芸能ばりなメールばかりにうんざり...。
事業者側は上がらない開封率のデータを見ては「どうすればもっと見てもらえるのだろう?どうすればもっと興味を持ってもらえるのだろう?」と考えれば考えるほど、言い回しやキャンペーンを考えたりして、その結果さらに大量のメールを送り続けてしまっています。
ですがそれでは、お察しの通りどんどんわるいサイクルに入る一方です。
ここで少し考えてみてください。
今私たちが生きているのは、スマートニュースといった情報アプリやTwitter、Instagram、FacebookといったSNSで瞬時に情報を取得することが当たり前の時代です。
ザッピングの時代との言えるでしょう。
自分にとって有益な情報かどうかは、受け身で得るのではなく自分で選択し判断する時代です。
加えて今では日常のコミュニケーションツールはLINEが主流で「メルマガなんてオワコンだ」なんて声もちらほら聞こえてきます。
ここまで聞くと、もうメールマガジンは辞めた方がいいんじゃないか?と思われた方もいるかもしれません。
しかし、実はそうとも言えないんです。
総務省による「令和2年通信利用動向調査」によれば、インターネットの利用目的・用途(個人)で依然として最も高い数値を記録しているのが「電子メールの送受信」であり、その割合は約78%にもなるんです。
若い世代でも比較的高い水準を維持しているのは驚きですが、メールはいまだに生活動線に入っているコミュニケーションツールと言えます。
もちろん、友人間などのコミュニケーションにおいては、LINEにその座が奪われている面は大きくあります。
メールへの依存度、メールの位置づけが変わってきているのは間違いないですが、情報ザッピング時代におけるメルマガをはじめとしたメールマーケティングの知識や方法次第で、効果的にお客様に伝えたい情報を届けることも可能です。
次の章から詳しく見ていきましょう。
不動産業界のメールマガジンの最新トレンド
SNSのマーケティング活用が声高に叫ばれている昨今においても、実はメールを活用したマーケティングはいまだ進化しているんです。
最も定番の使い方は、これがいわゆるメルマガと呼ばれるメールマガジンです。
企業やウェブサイトの運営者などから、複数の購読希望者に一斉配信するメールのことで、企業側が主体となって情報を伝達したり、誘客したり、購買を促したりする手法としてよく知られており、相互のコミュニケーションというよりどちらかというと、情報を届けることが主な目的として使われています。
メールマガジンを含むメールマーケティングは今どんどん細分化してきており、webサイトへの来訪といった消費者のアクションを収集・分析し、メールで案内を送るといったリターゲティングや、休眠ユーザーにアクションを促すメール、ユーザーが資料請求や購入した日を起点として複数のメールを順々に送るステップメールなど、様々な種類があります。
マーケティングオートメーションツールの高度化によって、メールマーケティングも急速に進化し、メールマーケティング関連の市場規模はいまだ成長を続けているんです。
身近なツールほど意義を忘れてしまいがちですが、せっかくメールマガジンを作っているのに活用しきれていないのは非常にもったいないといえます。
では実際にどのようなことに注意してメールマガジンを配信すればいいのかを最新のトレンドを踏まえてご紹介します。
①件名を工夫する
かなり基本的なことですが、案外疎かになっているケースが多いです。
読み手の興味を引くためには、ターゲット層のうちの誰にどのような内容を向けた情報であるか、件名できちんと示せていますか?
空白や強すぎる表現を避けることで、迷惑メールと間違われることを防ぐことも重要です。
また、件名の文字数については、スマートフォンで見やすい15文字程度を意識するのがポイントです。
件名を工夫することにより、開封率の向上が期待できます。
②読みやすさ、デザイン性を意識する
メールマガジンのデザインは、優れたものであればあるほど効果的です。
ここで言うデザインとは、単に綺麗でおしゃれなバナーを入れるということではなく、読みやすいフォント、文字の大きさ、重要なところには目を引く配色、全体の雰囲気が統一されたトーン&マナーなど、とにかく読み手を意識した読みやすく伝わりやすい設計がされているか、ということです。
配信の内容が重要なのはもちろんのこと、これまで以上にデザイン面を重要視していく必要があります。
③営業要素の強いメールばかりを送らない
気軽に読める文章でアプローチをすることも重要です。
情報で溢れかえっている時代に、具体的な営業要素の強いメールばかり送るのは得策ではありません。
ガチガチに営業要素の強いメールばかりを送るのではなく、メールの受け取り手が自然と読みたくなるような、やわらない読み物系のコンテンツにも注力して送るといいでしょう。
これはつまり送り手側の文化的な素養が試される場面でもあり、会社としての余裕が見られます。
また、読み物系コンテンツの他にも関心度の高い時事ネタやトレンドを盛り込むことで、顧客の興味を引くことができるので、こちらもおすすめです。
「いつも似たような内容」と思われることを防ぎ、メルマガの配信停止防止にもつながります。
一言でいえば、顧客を飽きさせない工夫が必要で、そのためにもっとコンテンツを考えて発信すべきということです。
④動画を活用してみる
メールに動画を入れるというのは今に始まったことではありません。
しかしメールのクリック率が飛躍的に上がるなど、動画の活用効果への認識が年々広がってきています。
メールマーケティングで動画を活用するためのポイントは、動画を短くして要点を押さえておくことです。
動画は楽しませるだけのものでなく、有益なものでなければならないので、読者にとって本当に価値のあるものを盛り込むようにしましょう。
「動画作成」というとハードルが高く感じられる方も多いかと思いますが、難しく考える必要はありません。
興味を持っていない人も対象のテレビコマーシャルと違って、ユーザーとの関係性ができているメールに使う動画は高品質である必要はないのです。
不動産会社の動画と言えば、王道はやはり物件紹介になるでしょう。
1~3分程度で伝えたいポイントを凝縮した動画がおすすめです。
参考としては未来テラス株式会社の物件紹介動画など分かりやすいと思います。
人物を登場させない映像になっており、平面の間取り図と実際の物件を併用した動画で、紹介している間取りが一目でわかるように工夫がしてあります。
また、アップと引きの映像を組み合わせて、物件の全体と注目ポイントを表現しています。
収納の開閉などは、別途静止画を使って編集でつなぎ合わせることで、ユーザーがイメージできるようにしているのと、無駄な時間を省いて店舗よく見れるようになっています。
⑤お客様の声、口コミを活用してみる
顧客体験の共有は、最高のマーケティングツールの1つです。
お客様のお住まいレビューやサービスを利用した感想、お客様が撮った写真など、生の声が共感度や企業への信頼につながります。
体験の共有は宣伝以上の効果があり、お客様の購買意欲に強い影響を与えます。
そのため、肯定的なレビューやSNSへの投稿など、お客様が作成したコンテンツをメルマガで紹介すると効果的です。
⑥双方向のコミュニケーションとわくわくを促す取り組み
読者のコンテンツへの関わり方は、一方向から双方向のコミュニケーションに変化させていくことが重要です。
メールをただ読んでもらって終わりとするのではなく、メールマガジン内ににクイズやパズルを組み込んだり、プレゼントが当たるキャンペーンやコンテストなどを開催してメールマガジンでお知らせをする、など受け取り手がわくわくする企画を取り入れてみるといでしょう。
まとめ
メールマガジンは定期的かつ継続して配信を続けることで、お客様との長期的な接点を持ち、信頼関係の構築につなげられます。
タイムリーな情報を提供できるため、物件情報やキャンペーン情報などの配信にも有効です。
今後は上記のトレンドに加え、AIの活用もさらに進んでいくと思われます。
データ収集や分析、パーソナライズされたデータの提供など、時間と労力のかかる仕事はAIが行い、価値のあるコンテンツやイベントの企画など、人の手でしかできない仕事のみに力を注げる時代が来ています。
これらツールを上手く活用しながら、不動産営業における顧客育成やブランディングに有効な手段として今回ご紹介したポイントを意識したメールマガジン配信を検討してみてはいかがでしょうか。