不動産業界の広告と聞くと、雑誌広告や街頭広告をイメージしがちですが、最近はWEB広告を利用する不動産会社が増えてきています。
WEB広告を利用することで、場所にとらわれず広く物件を宣伝することが可能です。
時代の流れからもWEB広告を利用したいと思ったとき、
「不動産広告を依頼するときはどんな代理店に頼むのがいい?」
このようなお悩みはありませんか?
今回は、不動産業界における広告代理店の選び方について、解説したいと思います。
本記事では
・WEB広告の基本
・知っておきたい不動産広告のルール
・不動産業の広告代理店、選び方のポイントは?
についてまとめていきたいと思います。
WEB広告の基本
WEB広告とは、その名の通りWEB上に表示される広告のことです。
サイトを見ていると、画面上部や左右に企業の広告が掲載されることがありますが、それはほぼすべてWEB広告と考えてもらって相違ありません。
スマホ・インターネットの普及によって、誰でも簡単にネットにアクセスできるようになりました。
若年世代の中には、テレビを全く見ずにスマホを使って情報を集めている人も多くいます。
WEB広告を掲載して集客することは、もはや珍しいことではありません。
WEB広告を使って効率良く集客できる不動産業者と、オフライン広告での宣伝に留まっている業者の間で、売上に差が付いてくるといっても良いでしょう。
WEB広告にもいくつか種類があります。
大きく分けると「リスティング広告」「バナー広告(ディスプレイ広告)」「SNS広告」の3種類。
詳細は後ほど解説しますが、リスティング広告は「検索結果の上部・下部に表示される広告」、バナー広告は「WEBサイト内で表示される広告」、SNS広告は「SNS上で表示される広告」のことを指します。
種類 | 広告媒体 | 掲載される場所の例 |
リスティング広告 | Googleリスティング広告Yahoo!リスティング広告 | 検索結果一覧の上部・下部 |
バナー広告(ディスプレイ広告) | GDN
YDN |
WEBサイトの上部・下部・サイドバー部分 |
SNS広告 | Twitter広告 Facebook広告Instagram広告LINE広告 |
SNSのフィード画面、ストーリー画面等 |
リスティング広告
リスティング広告は、GoogleやYahoo!の検索結果一覧ページに表示されるテキスト広告になります。
検索キーワードに応じて広告を表示させることができるので、不動産物件を探しているユーザーに直接広告を配信することが可能です。
ユーザー数はGoogleの方が圧倒的に多いので、最初はGoogleリスティング広告から利用した方が広告運用の成果を出しやすいです。
バナー広告・ディスプレイ広告(GDN、YDN)
バナー広告・ディスプレイ広告は、WEBサイト内に表示される画像・動画広告になります。
Googleが提供しているバナー・ディスプレイ広告をGDN(Googleディスプレイネットワーク)、Yahoo!が提供しているバナー・ディスプレイ広告をYDN(Yahoo!ディスプレイアドネットワーク)と呼びます。
サイトによって、GDN・YDNを採用しているか異なるので、配信先に合わせて選択することが肝要です。
有名メディアの広告枠を買い取ってバナー広告・ディスプレイ広告を掲載する場合は、期間にもよりますが数十万円~数百万円以上の費用が発生することもあるので注意が必要です。
Facebook広告
Facebook広告は、Facebookのフィード画面等に表示されるWEB広告になります。
また、他のWEB広告と比べて広告の配信設定が簡単な点が特徴です。
広告配信に慣れていない不動産業者の方でも無理なく始めることが可能になっています。
Facebook広告の費用は、広告主が自由に設定することが可能になっています。
月あたり数千円~数万円程度で広告運用することも可能です。
ただし、広告予算が低すぎると広告の表示回数が少なくなってしまうので注意が必要です。
知っておきたい不動産広告のルール
不動産公正取引協議会とは不動産広告の適正化を目的として、全国9ブロックで設立されている不動産会社の団体のことです。
不動産公正取引協議会には、そのブロックのほとんどすべての不動産会社が加盟しており、加盟する不動産会社が広告規約に違反した広告を行なった等の場合には、不動産公正取引協議会が警告を行ない、さらには最大で500万円以下の違約金を徴収することができるとされています。
不動産広告は、宅地建物取引業法(宅建業法)と、不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)の2つのルールに沿って行う必要があります。
では、具体的にはどのような点に注意すべきなのでしょうか?
まずは、不動産の広告で守るべきルールにどんなものがあるか解説したいと思います。
①広告表示の開始時期の制限
広告表示の開始時期の制限というのは一般に「物件を顧客が購入できる状態になるまでの期間」を想定した上で、必要な工事の施工・竣工を踏まえて、買主から金銭を受け取ってから(購買契約後)3か月以内に着実に住むことが可能な状態にある期間を指します。
②必要な表示事項
ポスティングなどで一般に配布される広告を見てもわかりますが、不動産広告の場合でもある程度作成上の文体・記述における制約が設けられています。
たとえばフォントは7ポイント以上、色彩をあまり多く使用しない、B4・B5版の大きさのものを使うなどです。
これは不動産広告そのものを作成する場合の最低限の決まり事となりますが、この上で広告の作成年月日の記載や、物件情報をはじめ、文責者の明記なども見られます。
③表示基準
不動産広告を作成する際には顧客が見やすいよう配慮されていることが肝心です。
その上で、物件に関する最低限の情報開示をしておき、提携企業や、広告作成年月日の記載なども必要です。
そして物件資産に関する基本情報では、建築年数に関する条件・状態についての情報開示、物件のリフォームプランニングに関する情報なども表示基準としてあげられます。
④特定事項の明示義務
この場合の「特定事項」というのは、その物件が個別で持つ環境条件・物件そのものの状態などを指しており、宅地に関する造成や建物の建築方法・リフォーム手順、また売却する際の一般価格の相場なども大まかに明示する義務なども付加されることがあります。
一般顧客から見れば、物件の購入に際しては物件に関する情報基準がどのようなものかわからないことが多いため、その辺りの特殊情報の開示も義務付けられます。
⑤特定用語の使用基準
「すべての顧客にわかりやすく」がモットーとなるため、あまりに特異な専門用語を羅列することはありません。
宅地・不動産に関する一般によく知られた用語を率先して使用することが義務付けられており、明瞭を心がけることが第一です。
⑥不当表示の禁止
「完璧」や「万全」、「絶対安心」などといった、不動産にとっては有意義でも顧客にとっては不安・懸念が残るような表現はあるていどの規制を受ける場合があります。
また価格についてもあいまいな表現は避け、はっきり明示する義務があります。
参照:KINPLE「不動産広告6つのしくみと7つのルール|広告トラブル4つ注意点」
https://nocre.jp/article/1093100/
不動産広告におけるルールは、これ以外にもまだまだあります。
例え法律としての制約が無い場合でも、トラブルを引き起こす可能性のある表記や避けるべき表現なども多くあります。
コスト削減のために自社で広告をつくることも一つの手ですが、かなり慎重に作成する必要があることも押さえておくべきでしょう。
不動産業の広告代理店、選び方のポイントは?
広告戦略・集客がうまくいかない、自社でやると時間がかかる…そのような場合には、ぜひプロである広告代理店を活用しましょう。
その際に、まず考えることといえばコストパフォーマンス。
しかし、もちろんいくらでも安いに越したことはありませんが、「安かろう悪かろう」では困ったものです。
実は不動産業界における広告の場合には、法的な事柄に関するノウハウも非常に重要なポイントになります。
例えば、「不動産の公正競争規約」「宅地建物取引業法」といった法規があり、それらに精通しているか・不動産広告の実績がどれほどあるかといった点はとても重要です。
広告代理店の知識不足で発生する問題例として、下記のようなものがあります。
・売地だったのに新築イメージを掲載した広告にした
・過去にリノベーションしていたものの詳細が未記入
・値下げしたように記載するも値下げ時期不明
・契約済みだがポータルサイトに数か月掲載したままだった
・保証会社必須で保証料がかかれていなかった
・別物件の間取りが掲載されていた
・ペット可だが敷金増額の条件が未記載
不動産関連の掲載に慣れていない広告代理店に任せている場合、このような問題は発生しうる可能性があります。
そのほかにもWebに強い代理店など、代理店ごとに特色があるため、自社で扱う物件に合う広告媒体に精通した代理店を選ぶ必要があります。
すなわち、不動産業で広告代理店に依頼する場合、考えるべきポイントとしては
・コストパフォーマンス
・不動産広告についてのノウハウがあるか
・どのような広告を得意とする代理店か
ということが挙げられます。
まとめ
不動産関連の広告といっても、オフライン広告からWeb広告まで、多岐に渡ります。
少しでも効果的に広告を打つために、戦略を立てることも非常に重要です。
ユーザーに認知してもらうためには広告を打つことが必要不可欠です。
自社の商品がどのような広告ならより効果的に集客につながるのか、広告制作と運用のためにはどのような業務があるのか、総合的に判断して制作する必要があります。
不動産広告には様々な規約があるので、ちきんと基準を遵守しながら運用することが大切です。この辺りは難しいことも多いのが現実。
ということで、餅は餅屋に。自社の強みを引き出してくれる広告代理店に依頼して、集客UPを試みてはいかがでしょうか。