不動産業界におけるコンテンツSEO

今回は、不動産業界におけるコンテンツSEOについてご紹介します。
SEOとは、Search Engine Optimization の略。
「検索エンジン最適化」のことを意味します。

Webサイト運営者が行うサイト改善策の一つで、Web検索サイト(検索エンジン)の検索結果リストの上位に表示させるために様々な工夫を行うことを指します。
SEO対策を適切に行うことによって、ユーザーが自社のサイトを見つけることを促し、情報をきちんと届けることができます。

この記事では、

・SEO対策の概要と不動産業界が注力すべきポイント
・不動産業界で重要なコンテンツSEOとは
・不動産業界のコンテンツSEOの事例

についてまとめていきます。

SEO対策の概要と不動産業界が注力すべきポイント

SEOの施策は、大きく分けて、内部施策、外部施策、コンテンツSEOの3種類あります。

内部施策について

内部施策とは、サイト内部の問題点を改善し、サイトの土台となる部分を整えていくことを指します。
つまり、検索エンジンのアルゴリズムに基づいて、サイト内の様々な要素を最適化することです。
例えば、わかりやすいURL(パーマリンク)を設定する、タイトルにはキーワードを必ず入れるなども含まれます。
「内部施策 SEO」と検索すると、さまざまな手法が出てくるので、ぜひ参考にしてみてください。

そして不動産業界では、このような内部施策はさることながら「Page Speed Insigt」の活用も大変重要なポイントとなります。
「Page Speed Insigt」は、Googleが提供しているWEBサイトの表示速度を測定する無料ツール。
WEBサイトをクリックして開くまでに3秒以上かかってしまうと、半数以上のユーザーが離脱してしまうと言われています。
WEBサイトの呼び込み速度は、ユーザビリティに大きく影響し、SEOの検索順位にも関わってきます。

不動産業界の場合、画像情報を多く取り扱うため、ページ表示のスピードが遅くなりやすい傾向があります。
「Page Speed Insigt」では、速度評価だけでなく改善できる点も表示されます。
これらを参考に、サイト構造の改善や画像圧縮、コーディング調整などで表示スピードを上げていきましょう。

外部施策について

次に外部施策ですが、検索者などのユーザーや外部のサイトから自サイトに影響を与えるSEO施策のことで、主に「被リンク」獲得の事を指します。
被リンクとは、外部サイトのあるページから自サイトのページに向けられたリンクのことです。
ただ外部施策は、自分でがコントロールできない部分が多いため、まずは内部施策やコンテンツSEOに注力することが大切になります。

これから必要なのはコンテンツSEO

コンテンツSEOとは、ユーザーの検索意図に沿った良質なコンテンツを継続的に発信し、自然検索から集客の増加を目指すことです。
言い換えれば検索ユーザーの知りたいこと、興味のあることに対して正確に応えるコンテンツを配信し、検索上位ページを狙う施策です。
SEOは内部対策で対応できる限界が来ているため、コンテンツSEOの重要性が高まっています。

不動産業界で言えば、「不動産売却」「リフォーム」など、軸となるキーワードの選定ならびにそのキーワードに関連するキーワードの検索ボリュームや相関性、競合サイトのコンテンツ対策、内部対策状況を踏まえて、SEO対策キーワードを加味したコンテンツの量産を行い、コンテンツ観点からSEO対策を行っていくということになります。

相続や節税対策についてのコンテンツを作る場合を例に考えてみます。
まず、ユーザーが何を求めているのかを考え、必要な内容やキーワードを精査していきます。
「相続や節税対策」を考えているユーザーは、資金流出を防ぐことがゴールでその手段を色々探している状態です。
自分が解決したい課題に対する1つの手段として不動産を購入したり売却することを考えていて、不動産売買がゴールではない。
こういったことを加味して、コンテンツを制作していきます。

コンテンツSEO

マーケットイン領域においては、コンテンツでユーザーの悩みや課題に対して指針を示せる(=答えを出せる)記事コンテンツを用意することで、ネット空間にキーワード対策領域を広げて、SEO対策し、検索上位を狙っていきます。

不動産業界のコンテンツSEOの事例

不動産にまつわる記事コンテンツは以下の3つの観点から作ることをおすすめします。

①エリア名・駅名
②物件名・物件情報
③お悩み解決

では、それぞれ事例をもとに解説していきます。

①エリア名・駅名:ノムコム

ノムコム ,街から

参照:https://www.nomu.com/machikara/

ノムコムは野村不動産ソリューションズが首都圏・関西圏の不動産・住宅情報(マンション・一戸建て)を提供するwebサイトです。
その中のコンテンツに、住みたい街が見つかるエリアガイド「街(まち)から」というものがあります。

朝霞駅,埼玉

住みたい!と読み手に思わせるような丁寧な記事コンテンツが特徴です。
近隣エリア名やアクセスのいい周辺の駅名はもちろん、そのエリアに関心がある人が検索しそうなキーワードが、所々に散りばめられています。
例えば、埼玉県の南部に位置する朝霞市についてはスーパーマーケットなど商業施設が充実していることを訴求するための見出しを設置し、その中に検索ニーズとして予想される商業施設の名称を10個以記載していたり、自然の豊さを訴求するための見出しの中には、公園や広場などの名称を多く並べています。

朝霞駅,埼玉,アクセス朝霞駅,埼玉,街

②物件名・物件情報:三井のリハウス

①がエリア名や駅名という周りの環境基準で検索する人に届けるためのSEO施策だとすると、物件名・物件情報はもう少し具体的に建物基準で検索する人に届けるための施策です。

三井不動産リアルティ株式会社が提供する、不動産探し、住宅の購入・売却・賃貸用ポータルサイトの三井のリハウスは見やすいマンションライブラリーで物件名、物件情報を網羅しています。

三井のリハウス,ザ・タワー横浜北仲

三井のリハウス,ザ・タワー横浜北仲

参照:https://www.rehouse.co.jp/mansionlibrary/ABM0104258/

またマンションライブラリーでは物件名や物件情報だけではなく、駅名検索、エリア名検索からユーザーが辿り着いてくれることも目論んでいます。
また、中古・リノベーション住宅の売買に特化した「カウカモ(cowcamo)」というプラットフォームも自社ブランドのメディア化に成功している点でとても参考になるのでご紹介します。
カウカモは記事コンテンツを作成するのが非常に上手です。

例えば「広尾ガーデンヒルズ」と検索すると1ページ目の上位にカウカモの記事コンテンツが表示されています。
リリースは2016年と不動産プラットフォームとしては後発にも関わらず、物件名検索というビッグワードでこの順位に表示されるのは、やはりコンテンツの充実度が起因していると思われます。

広尾ガーデンヒルズ,検索

実際の記事コンテンツはというと、上位表示されている他社サイトはマンションギャラリーや基本的な物件情報の掲載であるのに対し、カウカモのコンテンツはオーナーインタビューと写真付きカウカモ営業担当者の細かなレビューがメインです。

カウカモ,コンテンツカウカモ,コンテンツ

参照:https://cowcamo.jp/magazine/library/%E8%A8%80%E3%82%8F%E3%81%9A%E3%81%A8%E7%9F%A5%E3%82%8C%E3%81%9F%E6%9C%80%E9%AB%98%E5%B3%B0

GoogleがSEO観点でコンテンツを評価する際、ユーザーの満足度を上げられるコンテンツかどうか?ということは非常に重視している部分なので、カウカモの記事コンテンツはかなり参考になります。

③お悩み解決:Lnote (東急リバブル)

そしてもう1つ重要な観点に「お悩み解決」というものもあります。
効果的なSEO対策を実現するには、どの検索ボリュームゾーンでコンテンツを作るのかを戦略的に選ぶ必要があります。
検索ボリュームの大小によって「ビッグキーワード」「ミドルキーワード」「ロングテールキーワード」に分けられ、検索ボリュームが大きいほどその単語で上位表示される難易度は高くなります。

例えば、事例②で取り上げた三井のリハウスは大手ポータルサイトという強みがあるので「エリア」で絞ったビッグキーワードを使っての上位表示が可能です。
例えば、

「横浜 タワマン」
「馬車道 不動産」
「みなとみらい マンション」

といった検索で上位に表示されます。

この様なキーワードは不動産事業者としては最もSEOで獲得したいかと思いますが、三井のリハウスをはじめ、SUUMO、ホームズなどのポータルサイトや大手不動産会社が上位を独占しており、SEO対策で上位獲得をすることは正直難しいのが現実です。
大手企業が展開するコンテンツは、大手はどういったキーワードで対策をとっているかという検証にとても役に立つので、そこは自社の展開するビジネスエリアと照らし合わせて自社コンテンツづくりに活かすことはぜひ試してもらいたいのですが、大手が使っているキーワードをただ取り入れるだけではあまり効果がないので注意してください。

そこで、不動産中小企業が記事を制作する際におすすめしたいのは「お悩み解決系」のコンテンツです。
キーワードの例を挙げると

「マンション ペット 防音」
「賃貸 子育てしやすい町」
「二人暮らし 物件 選び方」

など、なるべくニッチなお悩みやシチュエーションを想定してキーワードを組み合わせ、それらを解決できるような良質なコンテンツを制作するとSEOで上位を狙える可能性が高いのです。
上記の様なキーワードはGoogleで検索してみると「コラム型」「記事型」になっている場合が多く、このようなコンテンツづくりはおすすめです。

東急リバブル,Lnote

Lnote

Lnote(エルノート)は東急リバブルが運営する住まいの売買に関するお得な情報や生活にまつわる「Why?」や「How?」を解決する有益情報、街・家にまつわる身近なストーリーなどを発信しているライフサポートメディアです。
webサイトのファーストビューに「不動産の疑問解決」というメニューがあることからも分かるように、多くの人が抱える悩みに対する記事コンテンツが豊富にあります。

相続や節税に関することや、物件探しで気をつけたい重要なポイントなど、様々なお悩みに対してプロの視点で解決してくれるコンテンツが豊富です。

まとめ

中小の不動産事業者、町に根ざした不動産屋は、エリアコンテンツに対して取り組みを集中的にできるので、この領域にチャンスはあります。
大手企業でない限り、コンテンツ作り用のマーケティング予算が潤沢ではない場合も多いので、そんな時は地域に根ざした強みを活かし、町の取材記事や紹介記事などを作成するのも効果的です。
動画撮影が可能であれば、その内容で記事も作ることで1つのコンテンツで2つの成果物を作ることもできます。

現在、不動産に関連したキーワードはレッドオーシャンになってきており、リスティング広告などの広告対策では大手企業には勝てません。
独自性を作り、コンテンツSEOなど、良質なコンテンツでユーザーとの接点を作っていくほか方法はありません。

コンテンツ作りにはお金と労力がかかり、地道ではありますが、広告と違ってコンテンツもサイトへの評価も自社の財産としてじわじわ積み重なっていくので、結果、強い基盤を構築することが可能です。
週に1本でもいいのでまずは記事にして発信してみてください。
ぜひ自社での取り組みの強化に、今回の記事の内容を参考にしていただけたら嬉しい限りです。

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