ポータルサイト依存から脱却するには? 自前集客ノウハウとソーシャルメディアの活用方法

今回は不動産ポータルサイトに頼らなくても自社の力で集客を可能にするためのポイントについてご紹介します。

この記事では

・不動産ポータルサイト依存の注意点
・自前集客ノウハウ事例
・ソーシャルメディア活用事例

についてまとめていきます。

不動産ポータルサイト依存の注意点

念のためのおさらいですが不動産ポータルサイトとは複数の不動産会社が所有・仲介する物件情報を広告として多数まとめて、Web上に公開するサイトです。
大手有名どころだと、SUUMOやHOME’Sなどがそれに該当します。

上記のような大手のポータルサイトから不動産の購入検討顧客や売却検討顧客を集客することは国内の不動産業界には広く浸透しており一般的です。
メリットとしては一般人の認知度がかなり高いためアクセスが多く、より多くの顧客の目に留まる機会があることです。
大企業故の資金力からテレビCMなども数多く打っていますからね。
また、不動産ポータルサイトに登録すると日本全国からのアクセスが期待できるため、実際に不動産会社まで足を運べない人にも自社の管理物件を見つけてもらうことができます。

しかし、こうしたポータルサイトに物件情報を掲載している不動産会社はとても多いため、結果的に競合の不動産会社と同じところに、同じように掲載され、顧客は様々な物件に目移りしてしまったり、比較疲れをしてしまったりとで、集客という点では費用対効果が少ない場合も往々にしてあります。
不動産ポータルサイトは便利な反面、物件の掲載費用が利益を圧迫してしまうなどのデメリットがあるため、自社の力で集客できる仕組みやコンテンツの強化は非常に重要です。

自前集客ノウハウ事例:カウカモ

カウカモ(cowcamo)は会員の獲得モデルが上手く機能し、自社アセットとなっている分かりやすい事例です。

カウカモ

カウカモのサービスは中古・リノベーション住宅の売買に特化したプラットフォームです。
ブランドのメディア化に成功している点がカウカモの大きな強みであり、リノベーションに興味を持っている“濃いユーザー”が集まって会員となっています。

従来の不動産仲介会社がするような物件の紹介や掲載の仕方では、顧客それぞれの様々な判断基準がある中でその物件単体に対して興味を持つか、持たないかという選択になりますよね。
それに対して、カウカモが行っているカテゴリーに特化したサービス展開は、「リノベーション物件に興味がある」というベースの判断基準が揃っている段階から選択がスタートするので、それだけ濃いユーザーを囲い込むことが可能になっています。

そしてこの囲い込み=会員になってもらう入り口はアプリなんですが、そこのUIUX設計が巧みです。
アプリを開いて感じるのは、物件紹介というよりはファッションやライフスタイル系のマガジンを見ているような感覚です。
一般的な間取りやエリアなどの条件を入力して物件検索もできますが、雰囲気やライフスタイルの好みで“直感的に出会う”設計がかなりリッチにされています。

例えばアプリ内にある「MIX」というコンテンツは、Spotifyのおすすめリストに似ていると言えばイメージしやすいかもしれません。
アプリでは「暮らし方・デザインなど、さまざまなテーマの物件まとめ。検索では探せない物件との出会いを。」と書かれている通り、ユニークで様々な切り口からリノベーション物件を探すことができます。

カウカモ,MIX

MIXについているタイトルやサムネイルもユニークで、見ていて飽きません。

カウカモ,MIX,サムネ

どのビジネスモデルにも言えることですが、会員を集めるというのはハードルが高いことです。
その中でカウカモは買取再販業者とのネットワークからリノベ済物件を仕入れて自社メディアに掲載し、物件で集客を図りつつも、単にその物件の条件的価値(ハード面)だけを訴求するのではなく、コンテンツを充実させることで情緒的価値(ソフト面)の訴求を上手く行っています。

カウカモ,マーケティング

参照:PRtimes
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000047.000043247.html

実際にここまでのコンテンツを作ることはハードルが高いですが、ただ物件情報をポータルサイトに載せるのではなく、自社サイトにコンテンツとして地域の特徴を活かした記事や、周辺住民が欲しているでろう情報をまとめるなど、ただのホームページではなく1つのメディアへとバージョンアップすることでより高い集客性が実現できます。

ソーシャルメディア活用事例:goodroom

ソーシャルメディアの活用に関しては賃貸領域に話をクローズアップし、goodroomのソーシャルメディア施策が分かりやすい事例です。
goodroomはソーシャルメディアからかなりの反響を得ていることは不動産業界では有名な話です。
goodroomのSNS総フォロワー数は40万人以上で、純粋な物件紹介アカウントとしては国内最大級です。フォロワー数だけでなく集客が強みとなっており、ソーシャルメディア経由からウェブサイトへの流入が他社企業に比べて10倍ほどの数値を獲得しています。
また、実店舗への来店のきっかけは30%がソーシャルメディア経由となっており、その中で最も来店のきっかけとなっているのがInstagramだそうです。

goodroomのInstagram

goodroomのInstagram

アカウントURL左:https://www.instagram.com/goodroom_jp/
アカウントURL右:https://www.instagram.com/goodroomjournal/

特徴としては、「リアルで正直な情報発信」をテーマに、ありのままを見せる写真にこだわって掲載していることであり、よって気になるポイントも正直に伝え、マイナス点だけでなくお部屋のプロだからこそできるフォローなども加えて紹介していることだそうです。

例えば、【駅から少し離れている】という気になるポイントがあったとします。
そんな時
「駅からは少し離れます。」
とそのままの情報だけにするのではなく
「駐車場は借りられるので、合わせてご検討を。車では駅前や近隣の大型公園へもすぐですよ。」

というフォローも加えるという具合です。

これらの事例からも分かるように、goodroomのInstagram運用方針は共感や親近感といった観点を重要視していることが伺えます。

goodroom,Instagram運用方針

・この形は工夫のしがいがあってワクワクしますよね。
・2面採光で明るく、風通しも良いのが嬉しいです!

など、主観として運用者が思ったこと、または自分が顧客の立場だったら?と想像した感想を投稿文にて記載しています。
不動産事業者のInstagram投稿でよくありがちな「新しい物件です!」といった宣伝感、広告感は出さないような工夫が見られます。

またgoodroomでは、どの媒体で発信するかによって、内容を最適化して運用を行なっています。
具体的にはwebサイトとソーシャルメディアとでは発信する内容が違っています。

webサイトを見ている人に対しては

・駐車場があるか
・広さ
・家賃
・周辺環境
・初期費用

ソーシャルメディアを見ている人に対しては

・センス
・空間
・綺麗な写真
・家具
・住まないけどいい部屋

全ての媒体で同じ発信をするのではなく、それぞれでユーザーがみたいと思う情報を発信するということを大事にしているとのことです。
参照:FinT
https://fint.co.jp/blog/archive/4605/

Instagramの場合、ハッシュタグのつけかたによっていいね!や反響数が変わってくるので、最初の頃はハッシュタグのボリューム数を意識して設定してみることをおすすめします。
ハッシュタグはMAXで30個まで付けれるので、まだフォロワーも少ない初期は特にフル活用しましょう。

そしてタグをつける際はボリュームごとに複数のタグをつけるようするのがおすすめです。
これはSEOの考え方と似ています。
ビッグタグ、ミドルタグ、スモールタグというように、ハッシュタグのボリューム数によってリーチできる人の数は変わってくるので、上手くミックスして設定するのがいいです。

目安としては

・スモールタグ:5000~1万以下
・ミドルタグ:1万〜10万以下
・ビッグタグ:10万~100万以下
・超ビッグタグ:100万以上

こんな感じでそれぞれスモール、ミドル、ビッグを1/3くらいずつ入れて様子を見てみるといいです。
100万以上の超ビッグタグは、ライバルが多すぎるため、よっぽど影響力のあるアカウントでない限り、意味はないですが投稿によっては1つか2つくらい入れてみるのはいいと思います。

また、短めの動画を活用するのも有効な手段です。
短い尺の動画配信と言えば、15秒から1分程度のTikTokや15秒のYouTubeの投稿機能がありますが、それと似たサービスである「リール」が約1年半ほど前にInstagramからリリースされました。
リールの再生数は上手くハマれば数千から数万回と一気にいくこともあるので、物件の内覧動画などは定期的にアップする価値があります。
Instagramでは部屋のイメージをざっと見れるので、感覚的な情報収集が可能となり、多くの物件をイメージから比較したい賃貸検討層には最適なメディアなので、惰性で運用するのではなく、しっかりターゲットや方向性を決めてコンスタントに取り組みましょう。

まとめ

不動産ポータルサイトは広く物件情報を発信できる便利なツールですが、コンテンツSEOをはじめとして、自社に単独で向かってきてくれるユーザーを作り出していくためにはそれらだけに頼らない集客方法を確立していく必要があります。
すぐには結果に繋がらないですが、共感が生まれてファンになってもらうことができれば、着実に大きな自社アセットとなり長期的には非常に大きなメリットになります。

今回取り上げたカウカモやgoodroomは、不動産業界のプラットフォームでは後発であり最初は認知度も高いものではありませんでしたが、届けたいユーザーに満足してもらうコンテンツをコツコツと作り続けたことで着実に結果に現れています。
goodroomのインタビュー内では、「SNSで成果がで始めるのに3年かかったが本当に日々の小さな積み重ねを送ることが大切です」との言葉があります。

続けるのは難しいことですが、おうち時間に関することやリノベーション等は時流とも合わせてSNSとの相性がいい分野なので、目的・目標を定め、ユーザー目線で根気よく自社の強みを活かしたコンテンツ作り・発信を意識して取り組んでみてください!

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