カチタスの全体の売上と利益
直近3期と2022期1Qの売上高と営業利益は以下のとおりです。
売上高は前年同期比8.2%増の243億3,700万円となりました。営業利益は同じく31.6%増の31億8,100万円の結果となりました。
長期在庫が減少したため売上総利益率が向上したことが、13.1%の高い営業利益率になったようです。
2022年3月期計画に対する進捗率は売上高が23.5%、営業利益が25.4%と順調なすべり出しでした。
カチタスのセグメントごとの売上
カチタスはセグメントがなく、営業エリアの違いが「カチタス」と「リプライス」とでありますが、決算期の発表になるので本リポートでは割愛します。
カチタスの短期的な戦略
業績は順調であり懸念すべき要因はないと思われますが、2021期決算報告と今期2022期1Q報告においても指摘している「仕入減少」が唯一、懸念される材料です。
新型コロナウイルス感染症の影響により、売主側が内覧による外部からの訪問者を避けるため、仕入につながらない傾向が継続しているようです。
仕入の減少はカチタスよりもリプライスで大きく、2021期は2020期の約8%減となっています。
カチタスの長期的な戦略
カチタスが安定経営を継続するには財務基盤の安定性が大切です。
同社は約192.5億円の長期借入金があり、うち約7.3億円は年間返済分、残り185.2億円が返済期限2024年3月の一括返済となります。
2022期1Qにおける現預金は約169億円あり、仕入資金として常時対応可能な状態と言えます。
さらにシンジケートローンによるコミットライン枠が40億円あり、仕入機動性が非常に高いと言えます。
このような強い財務基盤により、買取再販業界のトップを走ることができるのでしょう。
また本四半期報告書には「価値創造プロセス」が掲載され、同社が目指す企業像と創出価値を明確にしました。
目指す創出価値は次の3つを掲げています。
2. 手頃な価格の住宅が不足するなか、家賃以下で取得できる良質な住宅の提供
3. スクラップビルドからストック活用へのシフトにより地球温暖化に貢献
*参考文献
https://ssl4.eir-parts.net/doc/8919/ir_material_for_fiscal_ym2/104426/00.pdf
カチタスの最近のトピックス
カチタスが「JPX日経インデックス400」の構成銘柄に選定されました
「JPX日経インデックス400」の選定のしくみは次のようになっています。
・過去3年間で債務超過や営業赤字および最終赤字がない
・直近3年間の売買代金と選定基準日における時価総額が上位1000銘柄に入る
以上の条件に合致する1000銘柄に対して定量的・定性的な評価を行います。
・3年累積営業利益
・時価総額
・独立社外取締役の人数
・国際財務報告基準(IFRS)を採用しているか採用予定
・決算情報およびコーポレート・ガバナンスに関する報告書を英文資料配信サービス(
・TDnet)を通じて、英文資料で開示している
以上の評価により400銘柄が選ばれています。