不動産営業マンの「駄目なアポ取り電話」の事例【添削あり】

今回取り上げるお悩みは「週末の案内を含め、とにかくお客様とのアポイントが取れない」です。

不動産仲介業も遅ればせながらIT化が徐々に進み、集客手法のメインはインターネットが占めるようになってきました。

しかし、不動産仲介業は最終的には「face to face」のお仕事ですから、アポイントが取れない事には話が前に進みませんよね。

これはなかなか深刻な問題です。

ではここで、「駄目なアポ取り電話」の例をお示ししましょう。

不動産営業マンの「駄目なアポ取り電話」の事例

「いつもお世話になっています。〇〇不動産の梶本と申します。本日はA様にご覧頂きたい物件がありまして、お電話させて頂きました。メールでも資料をお送りしているのですが、ご覧頂けましたか?もしも興味を持って頂けたなら、一度現地へご案内させて頂きたいのですが如何でしょうか?いつごろご都合が宜しいでしょうか?」

う~ん・・・最悪ですね。

この、「駄目なアポ取り電話」例を見て、「えっ?どこが悪いの?普通じゃん」と思われた方は、ご自身が気づかぬうちにアポイントのチャンスを逃しているかもしれませんね。

「比較的アポイントが取りやすい電話例」に添削

それでは、上記アポ取り電話例を「比較的アポイントが取りやすい電話例」に添削してみることにします。

ポイントに「※印」を付けましたので、そちらもあわせてご覧ください。

「お世話になります、〇〇不動産の梶本です(※1)。こんにちは!A様のご希望条件に合う(※2)物件が出てきましたので(※3)現地へご案内させて頂こうと思いますが、今週土曜日の10時からと13時からでは、どちらがご都合宜しいですか?(※4)

※添削①

既存のお客様にお電話するのに、まるで初対面のような「梶本と申します」ではなく「梶本です」がよいと思います。

「なんだそんな事か」と思われたかもしれませんが、私が出会ったアポイントが取れない営業マンの多くが、この「申します病」に罹っていました。

おそらくご本人はより丁寧に話しているつもりなのでしょうが、お客様との間に見えない壁を築いているだけかも知れませんよ。

※添削②

駄目な例では「ご覧頂きたい」とだけ伝えていた部分ですが、添削後は「ご希望条件に合う」と直しました。

当然実務の場では「希望条件」などという表現ではなく、具体的な事柄を入れていくのですが、ここで覚えていた頂きたいことは「お客様のメリット」をしっかりと打ち出す大切さです。

人間を動かすには「利益を与える」か「脅す」しかない等と言いますが、まさかお客様を脅すわけにはいきませんので、ここは利益(メリット)をお伝えしてください。

※添削③

「出てきました」という表現を用いることにより、情報の新鮮さをアピールしましょう。

又、資料を事前に送付することは出来るだけ避けたいと思います。

買い付け営業とは「資料を送る配達人」になるの事が仕事ではありません。

お客様の購入理由を把握したうえで、お客様のご希望に合う物件を市場から探してくることが仕事だと認識してください。

※添削④

「いつごろご都合が宜しいでしょうか?」と聞かれたお客様には「都合が悪いから会わない」と答える選択肢が残されています。

しかし、「今週土曜日の10時からと13時からでは、どちらがご都合宜しいですか?」と聞かれた場合は、10時が良いか、13時が良いかの二択しか残っていません。

営業はお客様の選択肢を奪っていく仕事とも言われますので、営業担当がお客様の行動を誘導するようなアポイントの取り方を心がけましょう。

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