
不動産業界でご活躍のあなた、こんにちは。
株式会社レコの梶本幸治です。
今回は「営業実務研修を実施したいのですがやり方がわかりません。どうすれば良いですか?」というお悩みを取り上げます。
営業実務研修に関するご質問ですので、宅建試験的な法律や税務の研修、名刺交換の方法といったビジネスマナー研修は含まない事にします。
では、営業実務研修といえばどのようなものがあるか、少し並べてみます。
・新入社員研修(新卒)
・新入社員研修(中途)
・中堅社員研修
・管理職研修
・低迷社員研修
・営業スキル向上研修
まぁ、こんな感じでしょうか。
ちなみに私は「低迷社員研修」の講師が大の得意です!
自慢じゃありませんが現役営業当時、数多くの低迷社員研修に低迷社員として出席させて頂いた(出席させられた?)経験がございますので、低迷社員の方が何を考え、何故低迷してしまうのかは理解しています。
従いまして、低迷社員研修の講師をお探しの方はお気軽にご用命ください笑。
つまらない冗談はこれくらいにして、本題に戻りましょう。
今回のコラムはこの中の営業スキル向上研修の実施方法について取り上げてみたいと思います。
営業スキル向上研修のポピュラーなものとして「営業ロールプレイング」がありますね。
不動産会社で実施される営業ロープレの方法として一般的なものは、次のようなかたちでしょう。
先ず営業担当者役ですが、これは研修を受講する営業担当者が務めます。
次にお客様役(売主様・買主様。BtoBの仕入れ営業などでは仕入れ先仲介会社など)ですが、これは研修で指導者の役割を担う上司・上席が務める場合や、研修受講者同士が相互に入れ替わりお客様役を務める事もあります。
そして、予め設定されたシチュエーションに従いロープレを進める訳ですが、その「ゴール」、つまりはロープレが上手くいったのか、上手くいかなかったのかのルールは非常に曖昧で、不動産営業ロープレの多くが次のような結末を迎えていると思います。
ロープレが終了した後、上司がおもむろにこう切り出します。
「はい、お疲れ様でした。〇〇君はロープレを行ってみて如何でしたか?自分自身で点数を付けるとすると何点になるかな?私が点数を付けるとすると、そうだなぁ60点ってところかな?えっ?ちょっと厳しいって?いやいやこれでもお情けで高得点にしているくらいだよ。今回ロープレの中で商談の流れが変わったポイントが3箇所あったけど分かるかな?〇〇君のレベルじゃまだまだ分からないかな?」
この上司の方はまるで「不動産営業の神」にでもなったかのように、随分と偉そうに上からモノを言っておられますね。
しかし、このように「正解が上司の頭の中」にしかないようなロープレをやったところで何の効果も無いと私は考えています。
おっと、何の効果も無いっての事はないですね。部下をネチネチといたぶる事により、上司の方のストレスが発散される効果は絶大です!笑
これは半分冗談ですが、半分本気です。
ルールやゴールが設定されておらず、単に上司の気まぐれで実施されるロープレは上司のストレス解消でしかありません。部下としはたまったもんじゃないですよね。
では、どのようなロープレをすれば良いでしょうか?
ここで私、梶本から一つご提案があります。
私は不動産にとって一番大切な事はヒアリングであると思っています。
例えば、売主様に対しては「何故、売るのですか?(売却理由)」、「何故、今なのですか?(トリガー・きっかけ)」、「いくらで売りたいのですか?(希望金額)」、「いつまでに売りたいのですか?(希望時期)」の4つを聞き出す事が出来れば、もうその商談は成功したようなものだと思っています。
ですから、営業ロープレも「ヒアリング力向上」を目的にされる事をお勧めします。
具体的に申し上げますと、上記のような「売却理由など」を予め設定し紙に書き出します。
そして、ロープレの営業担当者役は、この紙に書かれた売却理由を当てる事をゴールとしてロープレに臨みます。
設定した売却理由を当てられればそのロープレは成功!というルールにすれば、参加される部下の方も真面目に取り組む気持ちになってくれるのではないでしょうか。
営業実務研修を実施したいのですがやり方がわかりません。
どうすれば良いですか?というご相談に対しては営業ロープレの実施をお勧めします、但し、ちゃんとしたルールとゴールに従って実施して下さいね。