
不動産業界でご活躍のあなた、こんにちは。
株式会社レコの梶本幸治です。
今回は「不動産の営業管理職には営業担当としての実績を残した方しか登用してはいけないのでしょうか?」というお悩みを取り上げます。
不動産会社の多くが営業管理職(マネージャー、営業課長、所長、店長、リーダーなどなど)の昇格、登用基準として営業担当者としての個人業績を重視しています。
重視どころか、一定以上の個人業績が必須条件になっている会社がほとんどではないでしょうか。
一年間で手数料〇千万円以上、または3年連続年間手数料〇千万円達成、それから管理職に相応しい人格と知識・経験…といった感じですね。
おっ、これって何かに似ているなぁと思ったら、そうです【大相撲の横綱の昇進基準】に似ていますね。
横綱になるためには大関での連続優勝、またはそれに準ずる成績(優勝+準優勝または13勝以上を2場所連続など)、そして横綱としての「品格」を持ち合わせていることが必要です。
この「品格」って部分がたまに物議を醸しますが、大関での連続優勝、またはそれに準ずる成績は納得ですね。
なんといっても横綱になるためには相撲が強いことが絶対的な条件なのですから。
では、話を戻します。
相撲が強い人が横綱になるように、不動産営業が上手い人が不動産営業職になるべきなのでしょうか。
たしかに営業が下手であるよりも上手い方が良いでしょうが、絶対的な条件とまでいえるでしょうか。
不動産営業管理職の多くがプレイングマネージャーであることを考えると、営業で抜群の実績を残した方が管理職に就任されることが順当でしょう。
また、店舗や営業課の運営面で、部下から不平不満が出たとしても、自分自身の圧倒的な営業実績で反論を許さない空気を作ることも可能ですから、店舗や営業課のリーダーとして適任であると考える不動産会社もあるでしょう。
しかし、本当にそれで良いのでしょうか?
こうした意味では、自分自身の営業成績が優秀な管理職は確かに「強い」のです。
しかし、その強さが、そのまま組織の強さに転化しているのかと問われれば、私はどうにも首を縦に振ることができません。
営業成績トップの人が、必ずしも良い上司になるとは限りません。
むしろ現場を壊してしまうケースも少なくありません。
個人としての営業力を重視するあまり、管理職として最も大切なマネジメント力を軽視していませんか。
確かに我々不動産の営業はマンパワーに頼って業務を進めることが多く、【業績=人格】のような雰囲気になることもございます。
また、部下も、個人としての営業成績が平凡だった上司に対しては「大した営業成績も残していないくせに、いちいち指示しやがって」と反発する向きもあります。
このように奇妙な価値観が醸成されてしまうことで、売れている者が正しく、売れていない者は口を慎むべきだという空気が生まれてしまうのです。
しかし、営業成績トップの人が、必ずしも良い上司になるとは思いませんし、むしろ現場を壊してしまうケースも少なくないと感じています。
ここで、不動産の営業管理職には営業担当としての実績を残した方しか登用してはいけないのでしょうかというご質問に対し、私の考えを述べさせていただきます。
不動産営業管理職は個人の成績が優秀であるにこしたことはないが、それよりも店舗・営業課のマネジメント力や、不動産マーケティング知識の有無を優先すべきだと思います。
勘と経験、そして自らの背中だけで語るのではなく、自身の思考を言語化し部下に伝え、再現可能な形で共有できる方。
そうした人物こそが本来、管理職に相応しいのではないかと私は考えます。
そのためには、会社としても【業績=人格】のような雰囲気を打破し、「大した営業成績も残していないくせに、いちいち指示しやがって」といった観点から部下が上司に反発することのない企業風土を育てる必要があります。
また、将来の幹部候補に対する教育や、営業管理職に対する研修なども必要でしょう。
大相撲において横綱は、相撲に一番強い必要がありますが、不動産営業管理職は不動産営業が一番上手いことが必須条件ではありません。
この点をもう一度、あなたの会社でも考えてみてください。
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株式会社レコ
不動産業専門コンサルタント
梶本幸治
本稿は、株式会社レコ 梶本幸治が不動産売買仲介の仕入れ営業・販売戦略などについて独自の思想と実務経験に基づき執筆した著作です。
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