内見方法別のメリット・デメリット(立会,鍵借り,現地対応)

賃貸管理の重要業務のひとつが入居率を高めることです。最低でも90%、平均95%以上を常に維持したい、そのためにも入居希望者の内見は大切なイベントです。

内見は自社で集客しておこなうこともあれば、仲介会社の活動によりおこなわれることもあります。

仲介会社がお客様を案内し物件に入室するさい、施錠されているドアの鍵開けが必要ですが、現在おこなわれている方法には3通りあります。

それぞれのメリットとデメリットを解説し、さらに効率的でセキュリティを重視した方法についてもご紹介します。

3通りある内見方法

現在おこなわれている内見は次のとおり3つの方法があります。
それぞれの方法について概要をおさらいしておきましょう。

1.立会いで鍵を開ける方法

仲介会社からの連絡により内見の日時を打合せ、管理物件担当者が物件に赴きます。

仲介会社はお客様と同行か、あるいは待ち合わせて指定した時間に到着するので、鍵を開け内覧が終了したら戸締りして帰社します。

2.鍵借りによる鍵開け

管理会社が保管している鍵を仲介会社に貸し出す方法です。鍵が持ち出し中の場合もあるので、この方法も仲介会社からは事前に連絡がきます。

案内する物件の鍵を渡しますがそのとき、必ず名刺をもらうか鍵貸し出し管理表などに連絡先などを記載してもらいます。仲介会社の他の物件の案内予定にもよりますが、案内が終了するとできるだけ速やかに返却してもらうようにします。

物件の所在地にもよりますが、仲介会社のなかには物件の近くに店舗があり、信頼のおける付き合いの長い仲介会社に鍵を預けておく方法もあります。この場合も鍵を預けた仲介会社には、同様の鍵貸し出し管理を依頼することが大切です。

3.現地対応

現地に物件の鍵を保管しておき、仲介会社の担当者が自ら鍵開けをする方法です。
管理会社としては内覧予定の連絡を受けるだけなので、これまで説明した方法と比べると業務効率は非常に高くなります。

具体的な鍵の保管は次のような方法が用いられています。

1)物件のメールボックスやドアハンドル・ドア枠などにダイヤル式キーボックスを固定し、鍵を収納する
2)メーターボックスやポストに鍵を隠しておく

キーボックスを利用する場合は、内見予定が決まった時点で仲介会社から連絡がきます。名刺などをFAXして内見希望がくるので、折り返しキーボックスの設置場所・ロック解除番号を教えます。

キーボックスを用いない場合は、上記のように鍵をポストなどに隠す安易な方法になってしまいますが、必ず内見予定の連絡をもらい内見が終了したら再度連絡をもらい、入退室管理をおこないます。

内見方法それぞれのメリット・デメリット

つづいて内見方法3通りのメリットとデメリットを解説します。

管理物件の件数や内見の頻度、協力してくれる仲介会社との関係など、自社にとってもっとも都合がよく入居率アップにつながる方法になっているか、検証することが大切です。

立会いのメリットとデメリット

立会いでおこなう理由としてオーナーの意向による場合があります。仲介会社と入居希望者だけが入室する状態を避けたいため、必ず管理会社の立会いを求めることや、時にはオーナーが鍵を管理しており、オーナー自ら立会うケースもあります。

メリット・デメリットをわかりやすく表にすると次のようになります。

メリット デメリット
入居希望者の性格や人間性が把握でき、入居審査の参考になる 物件への移動時間がかかり業務効率が悪い
管理会社から物件の魅力や使用方法など説明し、物件の理解を深めることができる 希望の日時に予約ができないことがある

メリットとして内見客に管理会社でなければ知らない、物件の良さをアピールできるという点はありますが、逆に内見客からは “うっとうしく” 感じられることも多く、現在のコロナ騒動からいっても望ましい方法ではありません。

立会いを望むのは一部の物件になるでしょうし、やがてこのスタイルはなくなっていくのではと考えられます。

鍵借りのメリットとデメリット

現地に置くキーボックスが一般的になるまでは、鍵借りがもっとも多い方法でした。
管理物件が多い会社では週末になると、ひっきりなしに仲介会社の車が駐車するようになります。管理以外にも仲介業務もおこなっている不動産会社はたいへん忙しいものです。

下記のようなメリット・デメリットがあり、 “鍵の管理” が業務効率に響きます。

メリット デメリット
鍵返却時に内見者の反応を聞くことができ、入居の見通しが立てやすい 鍵貸し出し管理がずさんになると、鍵の紛失や取り違いがおこる
仲介会社の担当者との面識ができ、仲介会社に対する入居促進の働きかけができる 仲介会社にとっては、複数物件案内の時に移動時間が無駄になることもある

必ず仲介会社の担当者が顔を見せるので、メリットにあるように人間関係の形成には役立ちますが、やはり一時代前の方法という面はいなめません。

現地対応のメリットとデメリット

現在ではもっとも効率のよい方法です。鍵借りから現地対応に切り替えて、入居率があがった事例は多くあります。

メリット デメリット
仲介会社ペースで内見ができるので効率がよい 不正入室等、セキュリティ面の懸念(ロック解除番号を定期的に変更するなどの対策要)
内見件数が上がることから、入居率が高まる期待が持てる キーボックス導入の場合、費用的負担がある。非導入の場合、鍵の盗難などのリスク増。
突然の内見希望にも対応できる 仲介会社の予約タイミングにより、現地において内見者がバッティングすることもある

メリットとデメリットは以上のようなことがいえますが、3つの方法ではもっとも推奨したい方法です。ただしキーボックスを用いない方法は、セキュリティの面で難があり勧められません。

キーボックスを利用する場合でも見直したい点があります。

空室が多い物件では戸数分のキーボックスが必要で、ボックスの固定方法によっては建物に傷をつけることもあります。また可能性は低いですが、キーの無断複製防止のためロック解除番号を定期的に変更する必要など、完璧な物件管理の面では穴があるといえるでしょう。

そのような面で取りあげたいのがスマートロックです。

鍵を使わずスマートフォン等で開錠でき、ドアを閉めるとオートロックされる機能などもあり、管理効率とセキュリティの向上に大きな期待が持てます。

十全に活用するには「ネットワーク環境を要する」など、物件側の状況次第なところはありますが、利用可能な条件が揃っていれば、ぜひ導入を検討すべきでしょう。

詳しくは前回の記事「賃貸物件の管理効率化にスマートロックを活用すべき理由」で解説しています。

まとめ

仲介会社が内見のさいにおこなう内見(鍵開け)方法について解説しました。

現在おこなわれているのは3つの方法です。

立会い、鍵借り、現地対応とあり、立会いは業務効率の面でも今後は廃れていくと考えられ、もっとも効率の高い現地対応にも改善したい点があるのです。

最後に触れた「スマートロック」が、これから主流になっていくのではと考えられます。賃貸管理の柱ともいうべき入居率アップは、効率的な方法により増加する内見件数がカギとなるでしょう。

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