カチタスの売上・戦略は? 2021-2Q

カチタスの全体の売上と利益

直近3期および2021上半期の売上高と営業利益は以下のとおりです。
カチタス,戦略,2021

コロナ禍の影響は限定的であり、通期および四半期ごとの実績も前年同期比でプラスと順調な業績となっています。

カチタス,戦略,2021
カチタス,戦略,2021

2021期2Qは売上高および営業利益とも前年通期の50%を超えており、また2021期事業計画における上半期計画もクリアし、2021期の通期目標はいまのところ変更がなさそうに思えます。

カチタス,戦略,2021

*参考文献
https://ssl4.eir-parts.net/doc/8919/ir_material_for_fiscal_ym2/89255/00.pdf

カチタスのセグメントごとの売上

カチタスは買取再販事業を専業としており事業セグメントはありません。

またマーケットの異なるカチタスとリプライスとの販売比率は、決算期まで公表されませんので、2020期の販売比率を再掲します。
*2021-1Qリポート掲載のグラフです

カチタス,戦略,2021

カチタス,戦略,2021

カチタスの短期的な戦略

すでに2021期4Qに入りましたが、新型コロナウィルス感染拡大のため、1月7日には首都圏での緊急事態宣言が発出され影響が懸念されます。

不動産業への影響は低いものと思われますが、リプライスのマーケットである首都圏の主要都市においては、これまで培った感染予防対策の徹底は必要となるでしょう。

テレワークの実施と商談数の減少が2021期決算にどのように響くか注目です。

仕入れにおいては、相続や介護施設入居による空き家が中心となっている傾向があり、施設での本人面談がむずかしくなる可能性が高く来期への懸念材料となりそうです。

2021期4Qにおける棚卸資産の増減に注目しなければなりません。

カチタスの長期的な戦略

カチタスとリプライスを合わせた年間販売目標は、長期計画で1万件としていますが、2020年3月期は5,801件でした。

うち地方都市がマーケットであるカチタスは4,305件の結果となっています。

1万件達成に向けては地方における「第4の選択肢の提供」が鍵となりますが、2Q21決算説明書にてカチタスの潜在力を次のように分析しています。

1. 地方在住の年収200万円~500万円で持家志向のある借家世帯がメイン顧客となる
2. 上記の推定世帯数は138万世帯存在する
3. 上記世帯の住宅購入検討期間を10年と仮定すると年間13.8万件が対象顧客となる
4. カチタスの2020期販売件数は4,305件であり市場規模の3%程度ある
5. 目標の1万件は7%に相当し成長余地が大きい

シェア拡大に欠かせないのが商品力の向上です。

そのため必要とされる地元工務店との協力体制強化は、決算説明書においても触れています。

下図は2016期から2020期までの協力工務店数の推移ですが、年間1万件販売目標に向けては、2020期で904件の工務店数を倍増させる勢いが必要と考えられます。

カチタス,戦略,2021

カチタスの最近のトピックス

2020年7月27日発行のリフォーム産業新聞の調査にて、買取再販事業企業ランキング2019年度販売実績が第1位となり、2014年以降7年連続のナンバーワンとなりました。

1 カチタス 4,305
2 フジ住宅 1,707
3 大京穴吹不動産 1,511
4 リプライス 1,496
5 ベストランド 1,463

カチタスとリプライスを合わせると5,801戸となり、買取再販業界ではゆるぎない地位を確保しています。

2020年はコロナ禍による思わぬ影響により、新しい販売手法が成果をだしています。

2017年4月からおこなってきた株式会社ニトリホールディングスとの資本・業務提携により、家具インテリア付き住宅の販売をおこなってきましたが、「VHS(ヴァーチャルホームステージング)」という新しい手法を導入しました。

これまでは中古住宅内にニトリの家具をレイアウトする「ホームステージング」が好評を得ていましたが、VRシステムの採用によりニトリの家具をヴァーチャルで設置が可能となり、コスト低減に併せ体験者の成約率が向上するという成果をだしています。

*参考文献
https://home.katitas.jp/contents/code/info/id/37

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