【応用編】居住用不動産にもカスタマーサクセスを取り入れてみる!

これからの不動産営業には「カスタマーサクセス」が重要なキーワードであると解説をしてきました。

>>>前回の記事「不動産営業の重要キーワード「カスタマーサクセス」を徹底的に理解しよう!」

今後の日本の不動産市場ではマイホームの需要が減るため、1人の顧客が複数の物件を購入することが期待される投資用不動産でカスタマーサクセス型の営業を行うことが重要であるとの内容でした。

しかし、カスタマーサクセス型の不動産営業は、もちろん居住用不動産においても十分な効果を発揮するものです。

居住用不動産における顧客のカスタマーサクセスとは何かについて考えるところから、実際にマイホームを購入された顧客に対するカスタマーサクセス型の営業アプローチについて解説します。

 

執筆者紹介
新卒で投資顧問会社に勤務し、顧客向けの投資レポートの執筆や金融商品の開発などに従事したのち、フリーライターとして独立。
投資用不動産や個別株式など特定の金融商品にこだわらず、幅広い投資に関する記事を執筆。
外資系金融機関の日本進出をサポートするなど、金融業界のマーケティング戦略パートナーとしての業務も行う。

顧客のライフサイクルに沿ったカスタマーサクセスを描く

居住用不動産を購入された顧客にとってのカスタマーサクセスとは何でしょうか。

快適で住みやすいマイホームがあれば、それだけで満足されるようにも思えます。

投資用不動産のように安定した投資収益を目指すような「サクセス(成功)」にあたるものが見えにくいのが居住用不動産でしょう。

しかし、居住用不動産を購入された顧客の多くは、長期的には所有物件を十分に活用することができていません。

居住用不動産は顧客の人生そのものに深く関わるものであるため、ライフサイクルに沿ったカスタマーサクセスを念頭に、不動産の販売後の付き合いをする必要があります。

物件の購入者には素晴らしい人生を送っていただきたいと願う。

そのような長期的な視点からカスタマーサクセス型の営業を描いていきましょう。

顧客だけでなく顧客の家族の成功を目指す

マイホームの購入の意思決定者は多くの場合、旦那さんの方です。

居住用不動産の営業では、奥さんの意見にも耳を傾ける必要があるものの、どうしても旦那さんと話をする機会の方が多いことでしょう。

しかし、実際に生活が始まってみると、自宅に滞在する時間が長いのは奥さんの方です。

夫婦共働きの家庭でも、旦那さんより奥さんの方が滞在時間が長い傾向にあります。

さらに子供を出産されると、子育てのために奥さんが家にいることが多くなります。

このため、自宅に対する不満を感じることも自ずと奥さんの方が多くなるでしょう。

不動産売買の営業マンが家庭のトラブルに深く関わることは難しいですが、修理やリフォームなどについての相談を受けて、業者に連絡する程度であれば日常の業務に支障がでるほどの労力ではないでしょう。

家に関する問題や相談があったときには、いつでも連絡が貰える状態を作り出しておくことが、居住用不動産におけるカスタマーサクセスの第一歩です。

子供の独立や、老後の備えなどのライフサイクル別の買い替え需要

家に関するトラブルに対応していても、不動産を売る機会が生まれないのではないかと不思議に感じられる方もいるでしょう。

しかし、マイホームを購入した夫婦には、ライフサイクルと共に新たな不動産を購入を検討するタイミングが訪れます。

まず最初のタイミングは、お子さんが学校に進学されて子供部屋が必要になるときです。当初の家族計画よりも多くのお子さんが生まれた場合には、自宅に十分な数の子供部屋を用意できないため、別の不動産の購入を検討されることになります。

また、お子さんが大学へと進学されて家を出られたり、就職や結婚などにより独立されたときには、夫婦ふたりには広すぎるマイホームを手放すことを検討されることが多いです。

ただし、一般家庭のご夫婦にとっては不動産の売買は人生の大イベントです。現在の自宅がどれくらいの金額で売ることができ、ひと回り小さな物件がどれくらいの金額なのかについて調べることは大変なものです。

不動産の売却金額を原資として購入可能な物件の提案を行ったり、老後に向けた機能性の高い物件を紹介するなど、顧客のライフサイクルに合わせたアドバイスをすることが、カスタマーサクセス型の居住用不動産の営業マンの腕の見せどころでしょう。

顧客の満足体験が「紹介」の連鎖を生む

子供の成長や独立を待っていては、10年や20年のサイクルでしか不動産を販売する機会がないと感じた方は、本当の意味での不動産営業を理解していないのかもしれません。

マイホームを購入した顧客自身が次に物件を購入するまでには、たしかに数十年の歳月がかかる可能性があります。

多くの場合、マイホームは何軒も購入するものではありません。

しかし、マイホームの購入は人生でも大きなイベントであるが故に、購入者は必ず友人や親戚、職場の同僚などに対してマイホームについて自慢げに話をすることでしょう。

顧客の満足度が高ければ高いほど、マイホームについて話をする機会は増えます。

もしかしたら、顧客の周りの人たちからマイホームの購入について相談を受けることがあるかもしれません。

ひとりの顧客の長期のライフサイクルに付き合い続けることで、居住用不動産にカスタマーサクセス型の営業を取り入れる理由は、まさに顧客から友人などの紹介を受けることです。

子供の成長を待つだけではなく、毎年のように新たな顧客を紹介され、新規顧客を獲得する機会が生まれる可能性もあるのです。

居住用不動産でのカスタマーサクセス活用まとめ

投資目的の不動産購入をした顧客と比べると、カスタマーサクセスという言葉がイメージしにくい居住用不動産について、カスタマーサクセス型の営業スタイルを解説jしました。

投資用不動産と同じように”類は友を呼ぶ”のことわざが正しければ、マイホームを購入した顧客の周りには、マイホームの購入を検討している友人や知人が必ずいます。

目の前にいる顧客に対して精一杯のアドバイスやサポートを行うことによって、その先にいる潜在顧客にまで自分の評判が届くように努めましょう。

新規で開拓した顧客よりも、紹介によって知り合った顧客の方が、圧倒的に成約率は高いものです。

マイホームを購入された顧客の成功を願って、日々の努力を続けていきましょう。

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