営業マン本位のプライスゾーン戦略!自分の得意な価格帯の不動産を売ろう

世の中には様々な商品を販売する営業マンがいますが、不動産よりも高い商品というものは、ほとんど存在しません。

つまり、不動産営業とは世の中で最も高い商品のひとつを売る仕事です。

新卒など20代で不動産業界に入ったばかりの方にとっては、年収の何倍もの価格の不動産は全て”高嶺の花”とも言うべき高額な商品に感じられるかもしれません。

しかし、これは全ての不動産の営業マンに言えることですが、それぞれの営業マンには必ず得意な価格帯(プライスゾーン)というものがあり、その価格帯の不動産に関しては決して高いと感じない不思議な感覚があります。

これが不動産の営業マンにとっての「プライスゾーン」です。

この記事では「彼を知り、己を知れば、百戦殆からず」の故事にしたがい、自分の得意なプライスゾーンを知ることによって、楽しく不動産の営業をする「営業マン本位のプライスゾーン戦略」について解説します。

執筆者紹介
新卒で投資顧問会社に勤務し、顧客向けの投資レポートの執筆や金融商品の開発などに従事したのち、フリーライターとして独立。
投資用不動産や個別株式など特定の金融商品にこだわらず、幅広い投資に関する記事を執筆。
外資系金融機関の日本進出をサポートするなど、金融業界のマーケティング戦略パートナーとしての業務も行う。

「サラリーマン金太郎」になるのは難しい

みなさんは本宮ひろ志さんが描いた「サラリーマン金太郎」というマンガをご存じでしょうか。

暴走族の総長だった経歴を持つ矢島金太郎が、ある出来事をきっかけにヤマト建設という不動産デベロッパーに入社し、数々の成功を収めるストーリーです。

マンガの主人公である矢島金太郎は、営業力においては圧倒的なセンスの持ち主で、不動産デベロッパーでは大小さまざまな不動産やプロジェクトの契約をとり、またコンドーム販売会社に勤めれば1週間で10万ダースを売り、さらには中東の大金持ちの資金を使ってファンドの組成まで実行してしまいます。

ひとつ数十円のものから数千億円に及ぶものまで、ありとあらゆる商品が売れることは営業マンにとっては理想の姿かもしれませんが、実際には矢島金太郎のようになることは難しいものです。

リアルな世界でどれだけ活躍しているスーパー営業マンであっても、このような幅広い価格帯の商品を売ることはできません。

営業マンには得意なプライスゾーンがある

数千万円の不動産を年間に何件も売り、その実績を買われて他業界へとヘッドハンティングされた営業マンが、ほとんど目立った活躍ができずに不動産業界に戻ってきたという話は多いです。

取り扱う商品によるところもありますが、取り扱う商品の価格帯に差がありすぎる業界に転職した営業マンほど、思い通りの成績を収めることができなかったケースが目立ちます。

それぞれの営業マンには、得意なプライスゾーンというものがあります。

例えば、3000万円から5000万円の間の価格帯であればスムーズに営業トークができるものの、1500万円程度の不動産については、どのように顧客に提案すれば良いのか分からないと言ったものです。

自分に合ったプライスゾーンを知る方法

個人の金銭感覚は、生まれてから現在までに触れた様々な影響を受けます。

何を高いと感じ、何を安いと感じるかは、人それぞれです。

そして、営業マンが得意とするプライゾーンは、個人の金銭感覚に深く依存しています。

極端な言い方をすれば、営業マン自身が高いと感じる商品を売ることは難しいものの、安いと感じるものであれば売ることができます。

ただし、ここで注意が必要なのは、高いか安いかという判断は決して価格そのものではないということです。

つまり、3,000万円を安いと思う一方で、1,500万円を高いと感じるというような非論理的な金銭感覚を、営業マンそれぞれが持っています。

自分に合ったプライスゾーンを知るための最も簡単な方法は、多くの物件情報をしっかりと精査してみることです。

自分が購入するという視点で、物件の価格について考えてみてください。

その物件を手に入れるためには、現在の年収でどれくらいの年数が必要でしょうか。

あるいは、何件の不動産を成約させれば、その物件を購入できるだけの報酬を手にすることができるでしょうか。

さらに、物件を手にしたときの満足度や、その物件から得られる収益についても具体的に想像してみてください。

維持のためのコストなども具体的に計算して、手元に残る収益を考えます。

いくつかの価格帯の物件について精査したとき、購入するための資金を得るのに要する労力と、物件を手にしたことによって得られる満足感や収益が、見事に合致する価格帯が見つかるはずです。

それが、あなたにとってのプライスゾーンです。

プライスゾーンから顧客を決めるという戦略

営業マンにとって自分のプライゾーンから外れた不動産を売ることは、とても難しいものです。

立地や利回りなどの客観的な資料を見れば、とても優良な不動産であると頭では認識していても、どうしても心のどこかに違和感を持ちながら営業することになります。

不動産会社の事業形態によって、取り扱うことができる不動産のラインナップには違いがありますが、できるかぎり自分のプライスゾーンに近い不動産を売ることに注力するようにしましょう。

自分のプライスゾーンに合わせて、新規開拓としてアプローチする顧客を決定すれば良いのです。

1,500万円ならサラリーマン、3,000万円なら会社役員、5,000万円なら会社経営者、1億円以上なら法人といったように、どのようなプライスゾーンであっても合致する顧客層は必ずいます。

物件ありき、顧客ありきではなく、営業マン自身のプライスゾーンを最優先として営業活動を行うことは、不動産業界で長期にわたって活躍するための戦略のひとつです。

営業マン本位のプライスゾーン戦略まとめ

自分が心から安いと感じられる価格帯の不動産を売るという「営業マン本位のプライスゾーン戦略」について解説しました。

不動産営業のベテラン営業マンの多くは、無意識のうちに自分のプライスゾーンを把握して、特定の顧客層へのアプローチだけに集中する営業スタイルをとっています。

物件を購入するためにかかる労力と、物件を手に入れたことによる満足度や収益をイメージして、自分にとっての最適なプライスゾーンを見つけるようにしてください。

そして、プライスゾーンに合った顧客を見つけにいくことにしましょう。

実はこのプライスゾーン戦略には、もうひとつのメリットがあります。それは、あなたが思い描く将来の理想の姿に合致した人たちが、営業先の相手となることです。

自分が心から欲しいと思える物件を購入可能な人たちをターゲットとして営業するわけですから、当然と言えば当然なのですが、営業に出かけることがとても楽しく感じられるようになると思います。

楽しみながら営業する。まさに営業マン本位のプライスゾーン戦略について解説いたしました。

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